線状降水帯!? 記録的短時間大雨情報!? 車オーナーができる梅雨や台風の時期に発生する大雨への対策とは? | フレックス

線状降水帯!? 記録的短時間大雨情報!? 車オーナーができる梅雨や台風の時期に発生する大雨への対策とは?

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  • 投稿日:2023/6/22
  • 更新日:2024/10/22
大雨でドライバーができる対策とは?

雨の多い季節がやってきました。最近では北海道でも梅雨のような天候が続くこともあるなど、温暖化の影響を受けて全国的な長雨が記録されています。また、年々台風も大型化しており、集中豪雨による災害も日本各地で起こっています。今回は雨天でも車を運転するというオーナーさんに向けて、車にできる対策を中心に紹介していこうと思います。

事前に確認すべきことは?

雨の予報が出ていても、変更やキャンセルできない予定は誰にでもあります。車で出かけるにしても、雨天は視界や路面の不良などで運転には緊張を強いられます。そんな状況でも安心してハンドルを握るために、事前にできることがいくつかあります。

タイヤの溝の残量の確認

タイヤは、1本につきハガキ1枚分しか路面に接していないと言われています。つまり、車1台につき、わずかハガキ4枚分で前に進み、カーブを曲がり、止まっているわけです。雨天の走行では、タイヤの排水性能が安全を左右します。タイヤは溝によって路面の水を排水しますが、ゴムがすり減って溝の深さが十分でない状態では、排水性能が低下してしまいます。ブレーキを踏んでいるのになかなか止まらなかったり、カーブで滑ったりと、怖い思いをするだけでなく、周囲の車や歩行者にも危険を及ぼしかねないのです。

タイヤのスリップサイン

では、実際にどの部分を確認すればいいでしょうか?

タイヤの側面にはスリップサインと呼ばれるマークがあるので、その部分の溝を確認してみましょう。残量が1.6mm以下になると、スリップサイン出てきます。この状態ではかなり排水能力が低下しているのです。サインが出てからではなく、出る前にタイヤを交換しましょう。

ワイパーゴムの確認

ワイパーゴムの確認

雨天時の運転で怖いのは、フロントウインドウについた水滴で前が見えにくくなることです。ワイパーゴムは水滴を拭き取るために柔軟性が必要です。古くなってくると柔軟性が失われ、ガラス面にしっかりと密着することができなくなります。また、劣化して亀裂が入っていたり、ちぎれていたりすることもあるので確認しましょう。

ウインドウウォッシャー液の残量の確認

ウインドウウォッシャー液

フロントウインドウは虫や土埃、油などで汚れていきます。雨が降ってきたのでワイパーを動かしたら、逆に汚れが広がってしまったという経験をした人もいるでしょう。そんなときはウインドウウォッシャー液の出番なのですが、残量がなくなっていることに気が付かず、ワイパーレバーを動かしても液が出ないということも。使用頻度が少ないと、見過ごしてしまいがちなポイントです。大抵の場合はボンネットを開ければ残量がわかるようになっているのでしっかりと確認しておきましょう。

ヘッドライトやウインカー、デイタイムライトの確認

雨天時は、運転している自分だけが見えにくいというわけではありません。対向車は水煙と一緒になってしまって判別しにくいということもあります。周囲が暗くなりかけたらヘッドライトを点灯して走るのがオススメです。被視認性という意味でもヘッドライトやデイタイムライトの役割は重要です。当然ながら、ウインカーも正確に点灯しているかどうかを確認しましょう。

フォグランプやバックフォグの確認

大雨で被視認性を確保するフォグランプ

霧や霧雨といった状況では、フォグランプやバックフォグを併用しましょう。フォグランプはヘッドライトよりも見やすく、対向車も発見しやすいランプです。また、バックフォグは後続車に自分の車の存在を知らせる上で非常に有効な灯火です。

車用品でできる梅雨対策

鬱陶しい梅雨の季節ですが、運転をするオーナーにとっては少しでも快適に、そして安全に走りたいものです。では、車用品でできる梅雨対策はあるでしょうか?

雨天に強いタイヤを選ぶ

排水性の高いタイヤを選ぶ

路面に雨水がある状態では、しっかりとタイヤが接地できません。走行時にタイヤが排水できず完全に浮いた状態になるハイドロプレーニングでは、ハンドルもブレーキも効かない状態になり非常に危険です。

そんな怖い雨天の運転でも、排水能力が高いタイヤを選べば安全性を上げることができます。現在はタイヤラベリング制度により、タイヤがもつさまざまな性能の表示が義務付けられています。

では、実際にどのようなタイヤが雨天に強いのでしょうか? 判別は簡単で、ウェットグリップ性能「a」を選ぶのがいいでしょう。(ウェットグリップは、性能のいい順にa/b/c/dの4段階で示されています。)

タイヤラベリング制度

タイヤラベリング制度は、タイヤの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を等級制度に基づき表示するラベリング(表示方法)制度です。この制度は、社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が自主基準として策定し、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能が互いに一定値を満たすタイヤを『低燃費タイヤ』として定義しています。転がり抵抗性能は「AAA・AA・A」、ウェットグリップ性能「a・b・c・d」の等級でそれぞれ表示されます。

タイヤラベリング制度について【JATMA公式サイト】

窓ガラスの撥水処理

フロントガラスの撥水

運転するときに視界がクリアでない状態では、安全に運転することができませんね。とくにフロントウインドウはハンドルを握るドライバーにとって、前方の状況を把握するためにとても重要な部分です。

市販の撥水剤を塗る

ウインドウに撥水剤を塗ることで、付着した雨水を弾くことができます。撥水剤はカー用品店やホームセンター、通販サイトなどで手に入れることができ、DIYで手軽に施工できるものが多いのが特徴です。撥水効果は製品によってさまざまですが、丁寧に施工しないと逆に視界不良の原因になってしまうものもあるので注意が必要です。

また、ワイパーを使っているとコーティング剤が剥がれて撥水効果が落ちていくので、こまめに塗ることを推奨している製品もあります。

撥水コーティングをしてもらう

撥水効果が高いとされているのは、カーコーティングなどのディテーリングを専門に行っているお店による撥水コーティングです。お店によっては、ボディの撥水コーティングだけでなく、ウインドウにも施工してくれるメニューを用意しています。使用状況にもよりますが、一般的にはDIYで行う市販の撥水剤よりも長持ちするので、コストパフォーマンスを重視しないならば、こちらも選択肢として検討してみてはどうでしょうか?

撥水加工と親水加工

撥水加工を施した面には微細な突起があり、水分を水滴のようにして弾くことができるようになります。対して親水加工を施した面はとても平滑なため、水分が留まることができず流れるようになっています。水分を寄せ付けない撥水と親和性の高い親水。作用は違いますが、どちらも水を除去する機能は優れています。

窓の内側の曇り

フロントガラスの曇り

窓の内側が曇ってしまうと視界が遮られます。当然ワイパーでは曇りを除去できないので、停車中はまだしも運転中に発生してしまったらとても危険ですね。曇りの原因は、車内の水分です。車内と車外の温度差から車内の水分が窓の内側に結露することで生じます。運転に支障をきたす窓の曇りを解消するにはどうしたらいいでしょうか?

エアコンとデフロスターを稼働させる

エアコンとデフロスターで窓の曇りを取る

まずは車内の湿度を下げることが肝心です。人間は呼吸とともに体内の水分を排出しているので、車内の水分量が増えていきます。曇りの原因である車内の水分量は、エアコンを稼働することで減らすことができます。

同時にデフロスターも稼働させましょう。これはフロントウインドウに向けてエアコンの空気を吹き出す機能で、強制的に風を当てることで、曇りを解消することができます。

曇り止め剤を塗る

窓の曇りを予防するには、曇り止めを使うのが効果的です。スプレータイプやシートタイプ、スポンジで塗り込むタイプなど、さまざまな商品が販売されています。曇り止め効果のある液体をガラス面に直接塗ることで、水分を寄せ付けずに曇りを防止します。

一度施工するとある程度の期間曇り止めの効果は持続しますが、永続的なものではないので、再施工が必要になります。また正しく施工しないと、ガラス面がギラギラとしてしまって逆に見えにくくなることもあるので注意しましょう。

除湿剤を使う

裏技的な方法ですが、除湿剤などを車内に置いておくという手もあります。除湿剤というと吸湿した水分が見える家庭用のものを思い浮かべますが、このタイプはオススメできません。水分には塩化カルシウムが含まれていることが多いので、万が一こぼれた場合、車の内装に対して悪影響を与える可能性が高いのです。

最近では、繰り返し使うことができる除湿機が発売されています。このタイプは、除湿した水分が液体として残らず吸湿剤の中に留まるので、水分が漏れ出す心配がありません。定期的に取り外して乾燥させることで、再利用が可能になります。

豪雨への対策

線状降水帯や記録的短時間大雨情報など、大雨に関する新しい言葉をよく耳にするようになりました。自動車オーナーとして一番怖いのは水没です。運転時や停車時に注意すべきこと、事前に行えることなどを考えてみましょう。

アンダーパスなどに近づかない

大雨で水没したアンダーパス

水は低いところに流れます。普段は川底が見えるようなところでも、大雨では護岸いっぱいまで水位が上がることがあります。

そんなときに特に注意したいのはアンダーパスです。線路や道路を交差して下をくぐるように設計されているアンダーパスは、路面が低い位置にあるので、必然的に水が集まってきます。豪雨では排水が追いつかず、雨水が溜まっていることがあります。この溜まっている水というのが厄介で、濁っているため水深が分かりづらいのです。

アンダーパスの壁面に水深を示す目盛りが掲示されている場合もありますが、おそらく確認する余裕はないでしょう。普段は気にせずに通過しているところでも、大雨のときは危険な状態になる可能性が高いので、迂回するルートを選択するほうが無難です。

高台へ避難させる

駐車時の水没も避けたいものです。車を駐車した場所が低地だったり窪地だったりすると、短時間で大雨が降った場合には排水が追いつかずに水没する可能性があります。また、自宅等の駐車場が地下だったり、低い土地にある場合も同様です。大雨が降るという予報が出たら、高台や立体駐車場に車を避難させておくといいでしょう。

自分の車の渡河能力を知っておこう

自分の車の渡河能力をご存知でしょうか? 大きな水溜りは水没の危険があるため、できることならば避けることをオススメしますが、どうしても走り抜けなければいけないとなったときには、自分の車が水深何センチまで走行可能なのかが問題になります。

ちなみにランドクルーザーの200シリーズは水深70cmまで走行が可能です。いっぽうで200系ハイエースは、軽自動車が走行できた水深でも水没したという報告もあります。何よりも無理をしないことが肝心です。

雨雲レーダーなどのスマホアプリを活用する

天気を確かめるためにスマホの気象アプリを使っている人も多いでしょう。気象アプリには雨雲の動きをシミュレーションする機能もついているものもあります。1時間以内の雲の動きを予測する精度はかなり高いので、ルートを変更するなど対策をしておくことをオススメします。

雨の日も安全で快適にドライブを楽しみましょう

梅雨や台風などの季節はもちろんのこと、近年の日本では短時間で大量に雨が降ることが増えてきました。車ユーザーの皆さんは、大事な愛車で雨の中を走る機会も多いと思います。今回紹介した用品や対策を参考にして、安全で安心なカーライフを楽しみましょう。

執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。

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