要注意!車検に通らなくなるかも!? 基準の変更でヘッドライトが不適合の可能性があります【2024年8月から】 | フレックス

要注意!車検に通らなくなるかも!? 基準の変更でヘッドライトが不適合の可能性があります【2024年8月から】

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  • 投稿日:2024/7/30
  • 更新日:2024/7/29
車検のヘッドライトはロービームのみになります

ヘッドライトの検査が厳格化されました

2024年8月から、自動車の車検におけるヘッドライトの検査基準が変わります1。これまで比較的緩やかだった基準が厳格化され、多くの自動車オーナーに影響を与える可能性があります。この変更は、もちろん安全性向上を目的としていますが、同時に車検のハードルも上がります。

ドライバーにとってヘッドライトは夜間や悪天候時の視認性に直結するとても重要な装備ですし、被視認性という意味でも同様です。ヘッドライトが適切に調整されていない場合、対向車のドライバーの視界を妨げたり、路上の歩行者や障害物の発見を遅らせたりする危険があります。新基準はこうしたリスクを最小限に抑えることを目指しているというわけです。法規上、ロービームはすれ違い用前照灯、ハイビームは走行用前照灯といいますが、この記事では一般的なロービーム/ハイビームと表記します。

これまでは暫定措置でハイビームの検査でもOKでした

従来の車検では、ロービーム(下向き)の光軸が基準を満たしていない場合でも、ハイビーム(上向き)が基準を満たしていれば、暫定的に合格とされることがありました。ローで通らなければ、ハイで検査し直して問題なければOKだったのですが、この方法ではヘッドライトの調整不良を見逃す原因となっていました。この暫定措置では、ロービームの適切な調整を怠る傾向もありました。

しかし、日常的な走行ではロービームを使用することが多いため、この措置は実際の道路状況を反映していません。結果として、不適切に調整されたヘッドライトを装備した車両が公道を走行する事態を招いていたのです。

対向車のハイビームが眩しい

みなさんも運転しているときに「対向車、ロービームなのに眩しいな」や「後ろの車、ハイビーム? バックミラー眩しい!」、逆に「照らして欲しい場所が暗いな」などと感じたこともあるかと思います。これらは、適切にヘッドライトが調整されていない場合に起こる現象で、対向車のドライバーにも、ハンドルを握る自分にも安全ではない状態です。

2024年8月から何が変わるのか?

ヘッドライトのハイビームとロービーム

2024年8月からは、ロービームの光軸や光量、色が基準を満たしていることが求められます。1998年9月1日以降に製作された自動車のヘッドライトには、レンズにロービームの中心を示す丸印があります。そこにヘッドライトテスターの「ライトの中心(左右)」をあわせることで、計測するロービームが正しく照らしているかを判断します。規定を外れると不合格となり、以前のようにハイビームで再検査することはできません。その場合は、ヘッドライトの再調整を行うことになります。

一部地域では2026年8月1日まで暫定措置が延期されます

2024年8月1日に暫定措置は全国で解除されて、全車ロービームでの検査に移行する予定でしたが、一部の地域は2026年7月31日まで措置が再延長されることになりました。解除される地域と延長される地域は次の通りです。

2024年8月1日から完全移行される地域

北海道・東北・北陸信越・中国の陸運局

2026年7月31日まで最長2年間延期される地域

関東・中部・近畿・四国・九州・沖縄の陸運局

再延期の理由としては、該当地域は「対象車数が多いことや様々な事情により、地域によってまだ十分に周知が進んでいない」などが挙げられていますが、「準備・調整が整い次第、地域ごとに全車ロービーム計測に移行する」ということなので、まるまる2年間延長されるというわけではないようです。

対象となる車両は?

検査の対象となる車両は、1998年9月1日以降に製作された自動車(二輪車、側車付二輪車、最高速度35km/h未満の大型特殊自動車、最高速度20km/h未満の自動車及び被牽引自動車を除く)に適用されます。なお、1998年8月31日以前に製作された車両については、これまでと同様の検査が用いられます。

特に注意が必要なのは、使用年数が長い車両や、アフターマーケットのヘッドライトに交換した車両です。これらの車両は、ヘッドライトユニットやヘッドライトバルブ自体がもともと車検に不適合なものだったり、経年変化や不適切な取り付けにより光軸がずれてしまっている可能性が高いからです。また、SUVやピックアップトラックなど、車高の高い車両も要注意です。これらの車両は、荷物の重量変化によって車体の傾きが変わりやすく、それに伴いヘッドライトの光軸も変化しやすいためです。

対策方法は?

基準に対応するためには、ヘッドライトの点検と調整が必要です。車検の直前だけでなく、日常的なメンテナンスの一環として行うことをオススメします。自己診断として、夜間に壁に向かってヘッドライトを照射し、光の当たり方を確認する方法もあります。ただし、正確な調整には専門的な知識と機器が必要です。

ヘッドライトの光軸

また、ハロゲンの純正ヘッドライトで、バルブをHIDやLEDに変更している場合も注意が必要です。レンズカットや反射板がハロゲンバルブに最適化されているので、バルブを変更すると光源の位置が変わり、適切な配光ができていないことがあります。交換している方は、一度テスター屋さんなどで計測してもらうといいでしょう。

車検時のヘッドライトの検査項目

車検時のヘッドライト検査は、安全運転を確保するための重要な過程です。主に光軸、光量、色の3つの要素が厳密にチェックされます。これらの検査は、専用のテスターを使用して行われ、基準値を満たしているかどうかが判断されます。近年の車両は、より複雑な光学システムを採用しているため、検査もより精密になっています。計測するテスターが普及してきたことも、検査が変更された要因のひとつです。

ヘッドライトの光軸

ヘッドライトの光軸検査は、光の照射方向が適切かどうかを確認する重要な項目です。光軸が正しく調整されていないと、対向車や前方の歩行者の視界を妨げたり、道路標識の視認性を低下させたりする危険があります。

検査では、ヘッドライトの光が地面に対してどの角度で照射されているかを測定します。ロービームの場合、通常、水平面に対して0.5%から1.5%の下向き角度が求められます。この範囲内に収まっていない場合は不合格となり、調整が必要になります。また、左右のヘッドライトの光軸の差も厳しくチェックされ、大きな差がある場合は不合格となります。最近の車両では、自動光軸調整機能を搭載しているものもありますが、これらも正常に機能しているかが確認されます。

ヘッドライトの光量

ヘッドライトの光量検査は、適切な明るさで前方を照らすことができるかを確認する項目です。光量が不足していると夜間や悪天候時の視界が確保できず、事故のリスクが高まります。一方、過度に明るすぎると対向車のドライバーが眩しく危険です。

検査では、専用の測定器を使用して、光度が基準値内にあるかを確認します。一般的に、ロービームでは6400カンデラ以上の光度が求められます。

ヘッドライトの色

ヘッドライトの色検査は、光の色が規定の範囲内にあるかを確認する項目です。適切な色のヘッドライトは、夜間の視認性を最適化し、他の道路利用者との視覚的なコミュニケーションを円滑にします。日本の車検基準では、ヘッドライトの色は『白色であること』と規定されています。一般的に白色は3000〜7000k(ケルビン)の間とされていますが、判断は検査員による目視なので、極端に青白い、または黄色い光の場合は弾かれる可能性があります。

近年人気の高いLEDヘッドライトやHIDヘッドライトも、この色基準を満たす必要があります。アフターマーケットの着色バルブや色付きフィルムを使用している場合、しばしば不合格の原因となるため注意が必要です。

ヘッドライトの状態

曇っているヘッドライト

ヘッドライトハウジングの物理的な状態が確認されます。経年劣化や事故による損傷は、ヘッドライトの性能を落とす原因になるからです。レンズにくもりや黄ばみがある場合、光量が落ちて規定に届かない可能性があります。そしてレンズにひび割れがあると配光が適切にできていない可能性があります。また、ヘッドライトの取り付け状態も確認されます。緩みや固定不良は、走行中に光軸がずれる原因となり危険です。

アフターパーツのヘッドライトは大丈夫!?

アフターパーツでも数多くのアイテムが用意されていますが、市場に出回っているアイテムの一部には光軸や配光に問題があるものも存在しているのは事実です。選ぶときは必ず車検対応と明記されているものを選びましょう。

Re Classic 丸目ヘッドライトキット

ヘッドライトは見た目の印象を大きく変えてくれます。イメージチェンジにもってこいなので、ぜひトライしてみてください。カスタムはもちろんリフレッシュにも、最近見づらいなと感じている方もぜひご相談ください。各店舗のカーライフアドバイザーが、最適な車検対応のアイテムをご提案いたします。

車検はフレックスにお任せください

車検におけるヘッドライト検査基準の変更について解説してきました。ヘッドライトは、夕暮れ時から夜間、そして朝まで、安全に運転するための非常に重要な部分です。車検のタイミングはもちろん、普段からチェックをして、安心してハンドルを握りたいですね。ランクルやハイエースの車検は、ぜひフレックスのお店までご相談ください。

出典

  1. 独立行政法人自動車技術総合機構(PDF)

執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。

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