【知ってお得】トヨタ ランドクルーザーのディーゼル車について 前編(法規制など)
なぜランドクルーザーにはディーゼル車が少ない?
旧型ランドクルーザーではディーゼル車が主流でした
ランドクルーザーは現行モデルを含め、ここ10年ほどはガソリンエンジン仕様車がラインナップの主役となっています。そのため中古車市場でもランドクルーザー200(国内仕様はガソリン車のみ)や先代のランドクルーザー100ではV8ガソリン、ランドクルーザープラドでは現行の150プラドも先代の120プラドもV6ガソリン仕様がほとんどであり、ディーゼル車を見かけることはあまりありません。1980年代から1990年代を駆け抜けたランドクルーザー80やランドクルーザー60、ランドクルーザー90プラド、ランドクルーザー70プラドなどは新車販売の大半がディーゼル車でした。しかし、それらの中古車ではディーゼル仕様車がめっきり減ってきています。なぜディーゼルエンジンを積んだランドクルーザーは新車でも中古車でも少ないのでしょうか。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて熱効率が高く(熱損失が少なく)燃費が良いことに加え、その燃焼原理により比較的大きなトルクを発揮できるという特徴があります。もちろん、燃料である軽油がガソリンよりも安価であることも大きな魅力でしょう。それでもディーゼルエンジンの存在感薄れてきているのには明確な理由があります。第一にディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる有害成分はガソリンエンジンよりも環境に及ぼす問題が大きいこと、第二にその有害成分を取り除くことが技術的に難しいことがあり、これらの点で時代とともに厳しくなる排出ガス規制に適応しにくいエンジンとされてきました。
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ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる有害物質とは
ディーゼルエンジンが排出する有害物質で大きな問題とされているのはNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)です。NOxの中でも窒素と酸素が化合して生成されるNO(一酸化窒素)とそのNOが大気に放出されて生成されるNO2(二酸化窒素)は光化学スモッグや酸性雨の原因になるほか、直接的に人体の呼吸器系臓器にダメージを与えることが問題となっています。PMは燃料である軽油が燃えた(正確には不完全燃焼した)際に生じるマイクロメートル(1μm=0.001mm)単位の微粒子(黒鉛=スス)のこと。これもNOx同様に大気汚染はもちろん人体の呼吸器系に深刻な悪影響を及ぼす凶悪な有害物質です。近年では中国の都市部における途方もない数の自動車や環境汚染対策が遅れている工場などが排出するPM2.5によって広く知られるようになりました。一方のガソリンエンジンはディーゼルエンジンよりもずっとクリーンなのか、というと実はそうでもありません。ガソリンエンジンはCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)などの有害物質を排出します。しかし、そのほとんどは排気管の途中に設けられた触媒装置(キャタライザー=有害物質を化学反応により酸化・還元するもの)などで無害なレベルに抑え込めるようになっています。また、ガソリンエンジンの燃料そのものや燃料を燃やす原理が、ディーゼルエンジンよりも技術的に有害物質の生成を容易に抑制できることもクリーンなイメージを持たれている理由と言えるでしょう。
世界で最も厳しい日本の排気ガス規制
日本は世界で最も排気ガス規制の厳しい国の1つです。それはディーゼルエンジンにとってもガソリンエンジンにとっても同じです。高度経済成長期の昭和30年代から爆発的に増えた自動車による深刻な大気汚染の反省、輸出車の急激な増加という諸外国への責任など、その厳格さに至った理由は諸々ありますが、規制の歩みは自動車生産先進国として必然の成長とも言えます。では、海外ではどうでしょうか。世界では自動車のメーカー数や保有台数が多い欧米の先進国がしっかりとした排気ガス規制を行っています。たとえばアメリカではEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)が定める1968年施行の米連邦排出ガス規制があります。これは、今ではアメリカで最も自動車の保有台数が多く、古くから大気汚染問題が社会を脅かしてきたカリフォルニア州の大気資源局(CARB)が定めた厳しい基準をベースにしていると言われています。しかし、州によって規制が緩やかだったり、商用大型トラック等を除いた一般乗用車にディーゼル車が少なかったりすることから、総合的に規制レベルは日本ほど高くありません。また、ヨーロッパでは自動車を発明した旧西ドイツで排気ガス規制が早くから具体化されました。今日ではEU(ヨーロッパ連合)が誕生したこともあり、EU圏内統一排出ガス規制(EUROx=ユーロx、xは段階を表す数字)によって広く管理されています。ヨーロッパの排気ガス規制は日本のものとは内容が微妙に異なり、特にPMよりもCO2(二酸化炭素)の排出規制が厳しく推移してきたことが知られています。ヨーロッパではCO2による地球の温暖化促進を特に憂慮しているというわけです。CO2の排出量は消費する燃料の量に単純に比例することで燃費の良いディーゼルエンジン車が好まれる社会性を反映していますが、直接的に環境や人体に悪影響を及ぼすPMの規制は日本よりも遅れていました。日本におけるディーゼル車に対する排気ガス規制の目的は、トラックやバスなど比較的大型の商用車等に対しては規制をクリアさせるための排気ガス浄化装置の追加装着を、自家用車にはよりクリーンなガソリンエンジン車などへの買い替えをそれぞれ促すこととしています。日本においてランドクルーザーのディーゼル車が減ってきているのには、こうした理由があるのです。
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自動車NOx・PM法のディーゼル車規制地域は1都1府6県
古いランドクルーザーは関東と関西の都市部でそのまま乗ることができない
日本のディーゼル車規制は国が定める「自動車NOx・PM法」と東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、兵庫県、大阪府の自治体が定め実施している「条例規制」があります。前者はその名のとおりNOxとPMの排出を厳しく規制し、後者はPMを規制するものとなっています。どちらも定められた排出ガス基準に適合しない自動車は、都市圏など指定された地域では登録できなくなったり、継続検査(車検)を受けられなくなったりし、さらに条例規制ではその地域への運行が禁止されたりしています。古いランドクルーザーのディーゼル車は、おおよそそのどちらの規制にも適合できなくなっており、そのため規制地域となるエリアの中古車店などでは販売されなくなっています。以下は「自動車NOx・PM法」の規制地域です。ほとんどは条例規制をしく自治体と重なっています。
————————————————————————————————————————東京都
特別区(23区)、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、西東京市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、あきる野市、羽村市、西多摩郡
埼玉県
川越市、熊谷市、川口市、さいたま市、行田市、所沢市、加須市、東松山市、岩槻市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、鳩ヶ谷市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、上福岡市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、本庄市、深谷市、北足立郡、入間郡大井町・三芳町、比企郡川島町・吉見町、大里郡岡部町・川本町・花園町・大里村、北埼玉郡騎西町・川里村・南河原村、南埼玉郡・宮代町・菖蒲町、北葛飾郡、 児玉郡上里町、吉川市
神奈川県
横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、相模原市、三浦市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、三浦郡、高座郡、中郡、足柄上郡中井町・大井町、 愛甲郡愛川町、津久井郡城山町
千葉県
千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、佐倉市、習志野市、柏市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、 鎌ヶ谷市、浦安市、四街道市、白井市、東葛飾郡
愛知県
名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、尾西市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、愛知郡、西春日井郡・西春町・春日町・清洲町・新川町、丹羽郡、葉栗郡、中島郡平和町、海部郡七宝町・美和町・甚目寺町・大治町・蟹江町・十四山村・飛島村・弥富町・佐屋町・佐織町、知多郡阿久比町・東浦町・武豊町、額田郡幸田町、西加茂郡三好町、宝飯郡音羽町・小坂井町・御津町
三重県
四日市市、桑名市、鈴鹿市、桑名郡長島町・木曽岬町、三重郡楠町・朝日町・川越町
大阪府
大阪市、堺市、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、 泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、 摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四条畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、三島郡、泉北郡、泉南郡熊取町・田尻町、南河内郡美原町
兵庫県
神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、姫路市、明石市、加古川市、高砂市、加古郡播磨町、揖保郡太子町
————————————————————————————————————————※市町村によっては規制対象外となる地域もあります。
規制の標的になったランドクルーザーの1・4ナンバー車
旧型ランドクルーザーのディーゼル車はほとんどが規制対象
ランドクルーザーのディーゼル仕様車は古くから貨客兼用車として幅広いユーザーに愛されてきました。貨客兼用車とは人も荷物もたくさんのるクルマのことですが、正式な登録区分では1ナンバー車が普通貨物車、4ナンバー車が小型貨物車となります。ランドクルーザー100、ランドクルーザー80、ランドクルーザー60のディーゼル車は1ナンバー、ランドクルーザー40のディーゼル車は4ナンバー、ランドクルーザー70バンのディーゼル車は排気量やボディサイズによって4ナンバーと1ナンバーが存在します。いずれも貨物車ですから最大積載重量が決められていて、上記ランドクルーザーでは乗員定員の重さの他に少なくても350kg、最大の車両では500kgまでの荷物を載せる能力を持っています。貨物車登録のディーゼル車であるランドクルーザーに関わる排気ガス規制は、それらのモデルに一律にかかっているわけではなく、車両総重量(車両重量+乗車定員の合計重量+最大積載量)と排気ガス規制の年度に応じて規制値が異なります。規制の年度ではやはり新しい方が総じて規制値が高く(厳しく)なりますが、1ナンバー車の中でもよりたくさんの荷物を載せられる大きなディーゼル車ほど規制値が低めで、小さい4ナンバー車ほど厳しいという状況。こうした規制の区分は車検証を見ると分かります。クルマの「型式」の「-(ハイフン)」より前のアルファベット(1文字または2文字の型式識別記号)が「排出ガス規制区分」であり、これを基準にして、前述の規制地域における登録の可否や継続検査を受けられるか否かが判断されてきたのです。ただ、残念なことに、ランドクルーザーのディーゼル車で1ナンバーや4ナンバーの旧モデルは、2016年現在すべてのモデルが規制対象になっています。一番新しいディーゼル1ナンバー車のランドクルーザー100(型式識別記号「KR-」平成15年規制適合車)ですら規制地域では登録できません。以下に規制対象となっているディーゼルエンジンを積んだ1ナンバー/4ナンバーの歴代ランドクルーザー(100、80、70バン、60)について、型式識別記号を車両型式とともに列挙します。
————————————————————————————————————————ランドクルーザー100
- KR-HDJ101K(平成15年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼルターボ・1HD-FTE搭載
ランドクルーザー80
- KC-HDJ81V(平成6年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼルターボ・1HD-FT搭載 - KC-HZJ81V(平成6年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - S-HDJ81V(昭和63年以前規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼルターボ・1HD-FT搭載 - S-HZJ81V(昭和63年以前規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-HZJ81V(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載
ランドクルーザー70バン
- KG-HZJ76K(平成9年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KG-HZJ74V(平成9年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KG-HZJ74K(平成9年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KC-HZJ77HV(平成6年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KC-HZJ73HV(平成6年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KC-HZJ70V(平成6年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KB-HZJ70V(平成5年規制適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-HZJ77HV(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-HZJ70V(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-HZJ73V(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - KB-HZJ70(平成5年規制適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-HZJ73HV(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - U-PZJ77HV(平成元年規制適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
3.5リッター直5ディーゼル・1PZ搭載 - S-PZJ77V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.5リッター直5ディーゼル・1PZ搭載 - S-PZJ70(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.5リッター直5ディーゼル・1PZ搭載 - S-PZJ70V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.5リッター直5ディーゼル・1PZ搭載 - S-HZJ73HV(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
4.2リッター直6ディーゼル・1HZ搭載 - S-BJ73V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - S-BJ70V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - S-BJ70(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - P-BJ74V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼルターボ・13B-T搭載 - P-BJ71V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼルターボ・13B-T搭載 - N-BJ73V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - N-BJ70V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - N-BJ70(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載
ランドクルーザー60
- N-HJ60V(平成63年規制以前適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.0リッター直6ディーゼル・2H搭載 - P-HJ61V(平成63年規制以前適合車・車両総重量2.5t超3.5t以下)
4.0リッター直6ディーゼルターボ・12H-T搭載 - N-BJ61V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載 - N-BJ60V(平成63年規制以前適合車・車両総重量1.7t超2.5t以下)
3.4リッター直4ディーゼル・3B搭載
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ディーゼルの旧型ランドクルーザーを規制地域で乗る方法はある
以上のように、旧型のランドクルーザーは搭載するディーゼルエンジンの種類や年式によって細かく排気ガス規制の影響を受けつつ進化してきました。そして現状は1ナンバー車/4ナンバー車で貨物車登録となるランドクルーザーのディーゼル車すべてが、規制地域での登録はおろか自治体の条例規制によって走ることもできなくなっています。しかし、ランドクルーザー60やランドクルーザー40でも排気ガスの浄化装置を新たに装着したり、エンジンそのもの(主に噴射ポンプ)を改良したりするなどして陸運局の厳しいテストをパスする方法もあります。あるいは古いディーゼルエンジンに見切りをつけ、新しいガソリンエンジンに載せ換えるオーナーさんもいますね。どちらも軽く100万円を超えるほど費用がかかる改善策となりますが、古いランドクルーザーを愛するファンの熱意が伝わってきます。また、他の例として、排気ガス規制地域から指定地域外の地方に引っ越して古い愛車を乗り続ける方がいるとの話もあります。そこまで愛されるランドクルーザーは本当に幸せなクルマですね。
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進化したディーゼルエンジンを積んだランドクルーザーの将来
冒頭で述べたように、ランドクルーザーのディーゼルエンジン搭載車はガソリンエンジン搭載車に比べて排気ガスの有害成分が多く、またそれを浄化する技術が追いついていないことで徐々にラインナップから姿を消していきました。この理由は他にもあって、PMの黒い煙がディーゼルエンジンのイメージを悪化させたことで市場が冷め、メーカーが生産を続ける意欲まで失ったことも関係しています。ただ近頃では、ランドクルーザー150プラドにディーゼルターボエンジンが復活したという朗報がありました。これは排気ガス浄化技術が進化し、世界レベルでディーゼルエンジンのクリーン化が進められていることの証明とも言えます。今後はプラドだけでなくランドクルーザー200の後継車にV8ディーゼルターボエンジンが搭載されるかもしれませんし、ランドクルーザー70がディーゼルエンジンを積んで復活するかもしれません。事実、海外ではランドクルーザー200のV8ディーゼルターボはすでに存在しています。このモデルが日本市場に投入されないのは、とりもなおさず日本の排気ガス規制が世界一厳しいことと、排気ガス浄化装置の開発コストを車両価格に反映させると現時点では途方もなく高価なクルマになってしまうから。「ランドクルーザーのディーゼル車について・後編」では、1ナンバー車/4ナンバー車以外のディーゼルエンジン搭載モデルの実際と、新旧ディーゼルエンジンの違い、ディーゼルエンジンの素晴らしさ、そしてディーゼルエンジンを積んだランドクルーザーの将来について解説します。
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