【最新版】トヨタ ランドクルーザー80:中古車購入ガイド
ランドクルーザー80とは?
全身が革新性に満ちたフルタイム4WD
ランドクルーザー80はランドクルーザー60の後継として1989年12月に発表され、1990年1月に発売されたランドクルーザーシリーズのフラッグシップです。スタイルやメカニズムは革新性に満ちたもので、アウトドアブームやクロスカントリー4WD人気の高まりを背景に、その存在はランドクルーザーの長い歴史の大きな節目となりました。搭載されたエンジンは直列6気筒ガソリンと同ディーゼル及びディーゼルターボの3機種。いずれもランドクルーザー60の大幅改良版でしたが、4WDシステムはパートタイム式からフルタイム式へ(一部ベースグレードはパートタイム式)、サスペンションはリーフスプリングからコイルスプリングへ、さらには前輪への駆動力を断切するフリーホイールハブは電動切替え式になるなど、ランドクルーザーを形づくる伝統的な構成要素はほとんど刷新されたのです。このような大きな仕様変更は新たなファンの注目を集める一方で、熱心なファンの反発を招きました。しかし、しばらくすると納車まで1年以上待ちとなるほどの驚異的な人気の高まりを見せた時期もありました。その後も高い人気を維持したまま1997年12月に販売が終了。ランドクルーザー100へとバトンをつなぎました。中古車市場においては、排出ガス規制の締め付けを受け、ディーゼルエンジンの中古車は少なくなっていますが、ガソリンエンジン車はまだまだ幅広い年式車が販売されています。
人気のランドクルーザー80
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ランドクルーザー80 歴代モデルとのデザイン&ボディーサイズ比較
車種 | ランドクルーザー60 | ランドクルーザー80 | ランドクルーザー100 |
---|---|---|---|
販売時期 | 1980年8月~1989年12月 | 1989年12月~1997年12月 | 1998年1月~2007年8月 |
全長 | 4,750mm | 4,980mm | 4,890mm |
全幅 | 1,880mm | 1,930mm | 1,940mm |
全高 | 1,945mm | 1,860mm | 1,890mm |
最小回転半径 | 6.2m | 6.0m | 5.9m |
車両重量 | 1,910~2220kg | 2,190~2,310kg | 2,290~2,490kg |
乗車定員 | 5~8名 | 5~8名 | 5~8名 |
エンジン種類 | ガソリン:4.2L(直6:2F)/4.0L(直6:3F-E) ディーゼル:4.0L(直6:2H)/4.0L(直6ターボ:12H-T)/3.4L(直4:3B) |
ガソリン:4.0L(直6:3F-E)/4.5L(直6:1FZ-FE) ディーゼル:4.2L(直6ターボ:1HD-T, 1HD-FT)/4.2L(直6:1HZ) |
ガソリン:4.7L(V8:2UZ-FE) ディーゼル:4.2L(直6ターボ:1HD-FTE) |
4WD方式 | パートタイム | フルタイム/パートタイム | フルタイム |
新車時価格 | 196~334万円 | 318~403万円 | 403~569万円 |
※ボディーサイズは代表的最終モデル(オプション装備等を除く)
※車両重量はオプション装備等を除く
※新車時価格は最終型のメーカー希望小売価格(税込)
作業車から居住性が充実した高級サルーンへ大変身
ランドクルーザー80はランドクルーザー60よりもさらにパーソナルユースを強く意識して作られました。それはボディーの角という角がすべて丸みを帯びたことでも明解です。働くクルマのような無骨さを徹底的に抑えつつ、ボディーは全体的に長くワイドに大型化されたのです。ボディーの大型化は居住空間の拡大に直結するため、特に全長と全幅の変化に目が行きがちです。しかし、注目したいのはランドクルーザー80のホイールベースの延長です。これは特に居住空間に好影響を与えています。全長と全幅の拡大量はそれぞれ数十mmですが、ホイールベースはランドクルーザー60の2730mmからランドクルーザー80では2850mmへと実に120mmも伸びました。これによって荷室(あるいは3列目シートの空間)の容積を充分に確保したまま2列目シートの位置を後ろへ下げることに成功。ファミリーにも優しい、よりゆったりとした居住空間が生まれたのです。このサイズ感は後継のランドクルーザー100にも継承されました。ホイールベースは2850mmでランドクルーザー80と100で共通です。
ランドクルーザー80 市街の狭い道でも取り回し性が大きく改善
ボディーが大きくなりホイールベースが長くなると、一般的にクルマは小回りがしづらくなります。ところがランドクルーザー80はホイールベースがランドクルーザー60より120mmも伸びていますが、最小回転半径は0.2m小さくなっていて、むしろ取り回しが楽になりました。これにはフロントサスペンションの違いに理由があります。ランドクルーザー60では初代ランドクルーザーから伝統のリーフスプリング式、つまり板バネを採用していました。それがランドクルーザー80ではコイルスプリング式となり、ホイールハウスがスッキリし、ステアリングを回した時の前輪の首振り角を大きくとれるようになったのです。サスペンションの構造は基本的にランドクルーザー60、80とも同様のリジッド式ですが、スプリングがリーフからコイルになったことで乗り心地もより快適なものになりました。ボディーは大きいけれど取り回しは悪くない、小回りが利き、乗り心地も良くなったランドクルーザー80は、セダンやワゴンなどからの乗り換えユーザーを魅了したのです。
ランドクルーザー80 仕様&装備の変遷
1989年12月
ランドクルーザー80がランドクルーザー60の後継車として発表。一部ファンによるランドクルーザー60の駆け込み需要を生産工場が対応しきれず発売は1990年1月にずれ込んだ。
1991年8月
安全対策のため後席シートベルトを3点式に変更。エアコンを全車標準装備とし、インターバル調整機能をワイパーに追加。さらに4スピーカーを備えたカーオーディオを一部のグレードに採用した。
1992年8月
マイナーチェンジを受けて中期型に。ガソリンエンジンを4.0Lの3F-Eから4.5Lの1FZ-FEに変更。直6は変わらず24バルブDOHCとして動力性能が大幅にアップ。組み合わされるATは電子制御化され経済性も向上。サスペンションがややコシが強くなると同時に車高がわずかにダウン。安全面では4輪ABSがオプションで新設定となった。
1993年5月
新たなボディーカラーを追加。エアコンの冷媒ガスは環境対策品に変更。
1995年1月
マイナーチェンジを受けて後期型に。フロントグリルのデザインを変更し、マークを「TOYOTA」からオーバルな「T」マークへ。新しいボディーカラーを追加し、内装ではインパネデザインが直線基調に改められると同時にシートの生地やデザインも変更。運転席エアバッグをオプション設定。
1996年8月
さらに衝突安全性の向上を目指して全車に前席エアバッグと4輪ABSを標準装備。
ランドクルーザー80は、およそ8年間のランニングタイムの中で二度の大きなマイナーチェンジと、その合間に少なくとも各一回の小変更を受けました。特に大きな変更はやはりマイナーチェンジであり、中古車選びの際はその前後の違いを確かめておくべきでしょう。1992年のマイナーチェンジではガソリンエンジンが新開発のものに変わり、1995年にはインパネを含めインテリアのデザインが変更され衝突安全対策も大幅に進められました。さすがに誕生から32年近く、生産終了から25年近くも経っていることに加え、排気ガス規制の影響もあって、特に最初のマイナーチェンジまでの初期型は台数が減っています。中期以降の安全装備が充実したモデルの中から地域に応じて、ガソリンエンジン車かディーゼルエンジン車を選ぶのが現実的でしょう。
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ランドクルーザー80 グレード解説
グレード展開は4種類、エンジンはガソリンとターボディーゼル
ランドクルーザー80に存在するグレードは下から順に、STD(スタンダード)、GX、VX、VXリミテッドの4種類です。この構成は他のランドクルーザー同様に年式によって装備や仕様の内容が変わります。搭載エンジンは、VXやVXリミテッドでは4.5リットルの直6ガソリンと4.2リットルの直噴ターボディーゼルが選べ、その他のグレードでは年式によってわずかに異なりますが4.5リットルガソリンと4.2リットルディーゼルをメインとしていました。エクステリアや装備が最もシンプルなSTDは中期までのラインナップで、中間グレードのGXやVXはやはりシンプル路線で年式によって仕様が異なります。新車として最も販売台数が多かったのは最上位モデルのVXリミテッド・ディーゼルターボ車でした。ランドクルーザー80のボディースタイルでは上下開き式リアゲートでスペアタイヤ背面装備車が主流です。しかし、STDやGXにはかつてのランドクルーザーに採用されていた観音扉式リアゲート&スペアタイヤ床下装備車があり、熱心なファンの購入対象になっていました。それぞれに与えられた差別性については、エクステリアでボディーカラーの仕様や種類、タイヤサイズ&ホイールデザインなどに違いがあり、インテリアではシートを含むトリム類のカラーや種類、各種メーターやディスプレイの仕様、そして便利で快適な装備(標準装備やオプション設定の有無)となっています。
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ランドクルーザー80 エンジンの種類
中古車での主力は4.5Lガソリンエンジン
ランドクルーザー80に搭載されたガソリンエンジンには、直列6気筒4.0リッターの3F-Eと直列6気筒4.5リッターの1FZ-FEが載っています。このうち3F-Eは先代ランドクルーザー60に搭載された機種の改良型ですが、いかんせん基本設計が古く、車重が増え駆動方式がフルタイム式に変わったランドクルーザー80には力不足の感が否めません。この3F-Eは搭載モデルの年式の古さもあり、現在は中古車市場からほとんどなくなっています。代わってランドクルーザー80の主力エンジンとなった1FZ-FEは、ランドクルーザー80のために開発されたため、燃費を除けばボディーとのマッチングは良く、満足のゆくパフォーマンスを発揮します。1気筒あたり4バルブの24バルブDOHC化によってパワーやトルクと排気ガス浄化性能が時代にマッチしたものとなり、当時の4輪駆動車の中では最高スペックを誇りました。ディーゼルエンジンではノンターボ4.2リッター直列6気筒の1HZと、それとシリンダーブロックを共有する直噴ターボの1HD-Tがあり、さらに1HD-Tの改良版として1HD-FTがあります。1HZはベースグレードに搭載されノンターボならではの太いトルク特性を持っています。オフロードを走るにはターボ仕様よりもこちらの方が扱いやすいという評判がありました。1HD-Tと1HD-FTは排気ガス対策のメカニズムが異なります。1HD-Tは1気筒あたり2バルブの12バルブSOHCで、1HD-FTは主に燃料噴射装置とシリンダーヘッドまわりを改良。1気筒あたり4バルブの24バルブをDOHCとせずコンパクトなSOHCとしてまとめられています。パフォーマンス性はほぼ互角で、特別どちらが良いなどと中古車選びの際にこだわる必要はありません。
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ランドクルーザー80 試乗インプレッション&レポート
クセがなく扱いやすい4.5Lガソリン、回転の伸びも頼もしい4.2Lディーゼルターボ
中古車市場にあるランドクルーザー80は、市場性を反映してほとんどがサスペンションを中心にカスタムされたものとなっています。そのカスタムの内容にとって走りの性格は千差万別なので、まずノーマル状態における走りについての印象を述べましょう。エンジンごとの性格については上記の「エンジンの種類について」で簡単に解説しています。ガソリンエンジンでは4.5リットル直6の1FZ-FEが主流となりますが、性格をひと言で表すと素直でクセのないトルク特性を持っています。低速のトルクも車重に見合った太いもので、出だしはスムーズです。市街地やオフロードでは他のディーゼルエンジンよりも扱いやすく、エンジン音も抑えられているため都市部のユーザーには特にマッチするでしょう。ただし重量がヘビーな4WD用に味付けされているため、トルクの山は低速寄り。加速は軽量な乗用車のような直線的なものではありません。あまり回し過ぎると燃費は極端に悪化する性格です。ディーゼルエンジンでは4.2リットルのノンターボ1HZと同ターボの1HD-T/1HD-FTでだいぶフィーリングが異なります。1HZはガソリンエンジンの1FZ-FEと比べると低速回転域のトルクに一層厚みが増してオフロード走行などで重宝する反面、回転が上がるとトルクは急に薄まるので早めのシフトアップで回転を抑えて走るとスムーズなドライブが楽しめます。直噴ターボの1HD-T/1HD-FTはまずまずの低速トルクですがターボらしくレスポンスは1HZに及びません。その代わり、ディーゼルらしからぬ回転の伸びとそれにともなって図太さを増すトルク感が魅力です。この加速のスムーズさはガソリンエンジンの1FZ-FEをも凌駕する勢いがあります。
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前期型と中期型/後期型で異なるサスペンションフィーリング
サスペンションの設定は、前期型が柔らかめ、中期型/後期型はやや硬めです。これは世界市場の変化を受けて中期型から高速安定性が高められたため。ノーマルサスペンションで単純に比較すると、前期型はストロークが大きめでクロスカントリーなオフロード向き、中期型/後期型はダートまでのオフロードや高速走行向きです。またランドクルーザー80で新採用されたフルタイム式の4WDは、オンロードでは2WD走行が基本のパートタイム式に比べて走り全般で安定性が高いものとなっています。不意に横風を受けたり急なハンドル操作をしたりしても姿勢を崩さずに走り続けることが可能なのです。滑りやすい路面でもスピンしにくく駆動力が失われにくいこともフルタイム4WDシステムの大きな特徴ですね。さらに運転席からのスイッチ操作で4WDのセンターデフをロックすると、4輪の空転が起きにくくなるため、ぬかるんだ路面でも力強い走りが楽しめるようになります。ランドクルーザー80は、オフロードで腕に覚えのあるドライバーはもちろん、ランドクルーザーのビギナーにもとても優しい本格的な4WDシステムが備わっているのです。
ランドクルーザー80 中古車選びのポイント
購入の際は安全装備とカスタムの内容をチェックしよう
ランドクルーザー80は生産終了からすでに25年が経ちました。できるだけ年式の新しいモデルを選びたいと考えるのが普通です。もちろんそのようなタイプは価格が高めですが、ランドクルーザー100よりは手頃な価格に落ち着いてきているのは事実です。幸いなのはランドクルーザーが世界に誇れる耐久性の高い4WDであるということ。キチンとメンテナンスされていればコンディションの低下は他車よりゆっくりです。中古車としてショップに並ぶ前にはしっかり整備されますし、パーツ供給や整備環境は充実していて購入後も心配はいりません。ただし、ボディーや内装の経年変化の他に、中古車のランドクルーザー80を探す際のチェックポイントとして、安全装置の有無についてはよく見ておくべきでしょう。1990年代は運転席や助手席のエアバッグや4輪ABSが4WDにも急速に普及した時代です。ランドクルーザー80ではデビュー時にそれら安全装置が最初から標準装備されていたわけではなく、中期モデルあたりから標準装備になったり、オプションで選べたりとなっていました。中古車の相場価格は、前期モデルで80~180万円、中期/後期モデルで80~230万円、後期モデルになると80~250万円となっています。モデル時期に幅があっても最低価格がほぼ一定で中期と後期でさほど差がないのは、今も人気が高いことに加え、カスタムされている中古車が多いことを意味します。完全なノーマル状態の数が極めて少ないのはランドクルーザー80中古車に共通の傾向です。また大がかかりで高価なパーツが装着されたカスタムでは、上記以上の価格がついている車種もあります。装備内容なカスタムの状態をじっくりとチェックした上で購入することをお勧めします。
人気はVXリミテッドだが、マニアにはVXやGXも狙い目
ランドクルーザー80の中古車で人気が高いのは、やはり装備が充実した最上級グレードのVXリミテッドで4.5リットルのガソリンエンジン仕様でしょう。排気ガス規制に関係なく長く乗れますし、高級4WDとしての快適性も味わえます。VXリミテッドは新車で最多販売されたモデルなのでボディーカラーやオプション装備の有無など好みに応じて豊富な車種の中から選べるのも魅力ですね。また、シンプルな装備やレトロ感を求めるならGXやVX、STDも魅力です。市場での数は極めて少ないので見つけるのは大変かもしれませんが、オーバーフェンダーレス、背面スペアタイヤなしの観音式リアゲート、スチールホイールはとても魅力的です。事前にショップにオーダーを入れ、入荷したら連絡をもらうのが購入への近道です。また、ランドクルーザー80は一部の特種モデルを除いてディーゼルエンジン仕様が1ナンバー登録(1年車検)、ガソリンエンジン仕様が3ナンバー登録(2年車検)となります。それぞれ車検時にかかる重量税と自賠責保険料、毎年収める自動車税が異なります。中古車探しの際はランニングコストも勘案してお気に入りを見つけたいものです。
ランドクルーザー80 オススメの中古車在庫
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