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トヨタ ランドクルーザー80の歴史と派生モデルのレクサスLX450

ランクル80の記事|,,,,,

  • 投稿日:2015/11/9
  • 更新日:2024/3/30
ランドクルーザー80

フルタイム4WDや足回りなど新開発の技術を採用

ランドクルーザー80は1989年12月に発売されたとされていますが、実際の発売時期は1990年1月でした。ランドクルーザー80系が発表されたのは1989年の東京モーターショー直後の12月です。ところがトヨタはその時点で、それまで高い人気を保持していた80系の先代、60系のバックオーダーをさばききれていなかったのです。そしてランドクルーザー80系の生産・供給は遅れ、発売の年をまたいだというのが真相です。

これはランドクルーザー60系の人気の高さが分かるエピソードですが、そんな市場性を知っていたトヨタはランドクルーザー80系に60系の影を色濃く残していました。確かにスタイルやその中に投入された技術、装備の数々は、ランドクルーザーの新時代を強くアピールするものばかり。フルタイム式4WDにコイルスプリングの足回り。そしてエンジンはディーゼルに新開発のNAとターボ。ガソリンも順次新しいものに変えていく計画(3F系→1FZ系)ができあがっていました。

人気のランドクルーザー80

クロスオーバーSUVへ

ランドクルーザー60系と同じ、伝統のリジッドアクスルを採用

変わらなかったのは何だったのか。それは初代ランドクルーザーから続く伝統のリジッドアクスルと、車高を高めに取ってストローク量を充分に確保したサスペンション設定です。スプリングこそリーフからコイルに変わってはいたものの、特にオフロードでの走りはランドクルーザー60系に比べて見劣りしないレベルが維持されていました。ランドクルーザーはオフロードを走ってナンボのクルマ。国内外のファンや長年ランドクルーザーとともに働いてきた世界の人々の意識は、80系誕生の現実味が濃くなっていた1980年代後半に至っても変わる気配がありませんでした。

しかし、乗り心地の快適性や操縦安定性、経済性や安全性、さらにはエコロジー性能に至るまで、世界市場から求められるハードルはランドクルーザー60系の時代に比べて格段に高まっていたのです。マイナーチェンジのたびにエンジンのパワーが上がり、サスペンションがややハードで短いストローク設定へと変わっていきました。しかしながら、オフロード性能を重んじるファンに応えながらも次の100系へとつなげたのがランドクルーザー80系です。オフロード性能重視からオンロード/オフロードの両刀使いへ。ランドクルーザー80系はランドクルーザーのクロスオーバーSUV第一弾と言えるでしょう。

ランドクルーザー初のレクサス

ランドクルーザー80のレクサスバージョンLX450

北米向けに開発されたLX450

ランドクルーザー80系にはレクサスブランドでLX450という海外向けモデルも存在しました。主に北米向けの、ランドクルーザーとしては初めてのプレミアム路線です。搭載されたエンジンはランドクルーザー80系のマイナーチェンジで4リッター3F-E型から切り替わった4.5リッターの1FZ-FE型ガソリンが採用されました。発売は1996年のことです。今でこそレクサス車は何かの派生モデルではなく、専用モデルとしてラインナップが拡大されていますが、当時の北米市場ではレクサス車はまだあまり注目されませんでした。LX450は走りの機能も内外装の仕様もランドクルーザー80系との差別性が乏しく、フォードのリンカーン・ナビゲーターやGMのキャデラック・エスカレードなど、他のプレミアムSUVの存在の前ではとても陰の薄い存在でした。

希少性の高さでLX450は注目されています

トヨタがランドクルーザー80系からなぜレクサスを作ったのか、その理由は不明ですが、北米でプレミアムSUVといえば、エンジンはV8、ボディーサイズはいわゆるフルサイズ、そしてインテリアはメッキや木目、本革で覆われていなければいけなかったのです。その後、ランドクルーザーのレクサス版は100系をベースとしたLX470となって成功を収めます。しかしながらちょっと微妙な成り立ちであったLX450の希少性に注目するファンもいます。80系同様にオフロード性能アップやハイライダー化へのサスペンションチューニングが容易で、共用できるパーツもあることが魅力的です。ランドクルーザー80系は人気がありますが、あえてLX450を狙ってみるというのもアリかと思います。ちょっと違うハチマル、それがLX450です。

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執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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