【最新版】トヨタ ランドクルーザー70：グレードと派生モデル

グレードよりもオプションに関心は集まった

働くクルマに機能の仕様違いはあるけれどグレードは存在しない、そんな古くからのセオリーはランドクルーザー40の後期にLXが誕生するまで続きましたが、ランドクルーザー70では各モデルでLXのほかに最上位モデルとしてZXも登場しました。ZXは1HZ型エンジンを積むオーバーフェンダー＋ワイドタイヤ装着モデルです。エクステリアではボディのカラーリングやウィンドウ色が異なったり、インテリアではシートのトリムが高級仕様になっていたりするなど差別化されていました。しかし、もともと走りの機能優先でシンプル装備が特徴なのがランドクルーザー70です。快適＆上質な装備よりも前後デフロックやフロントフリーハブのバリエーションなど4WDとしてのオプション装備にユーザーの関心は集まった。

派生モデル、プラドの存在にも注目したい

ランドクルーザー70からはマスク、エンジン、サスペンション、インテリアなどが異なるプラドという派生モデルが生まれました。プラドは1ナンバー（貨客兼用車）のみのラインナップだった70系バンの乗用車バージョンという位置付けの70系ワゴンです。ランドクルーザー70が登場した翌1985年に三菱パジェロのライバルとしてプラドがデビューした時には、ハイラックス系用の2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン2L-T型が積まれていました。

エンジンは後に進化を続け、1990年には2L-T型を電子制御化。さらに1993年には新開発3リッターの1KZ-TE型を搭載して重いボディに見合うパワーを得ています。サスペンションは前後ともコイルスプリング＋リジッドアクスルで車両区分は3ナンバーの乗用車です。初期モデルは2ドアのショートボディのみでしたが、エンジンが電子制御化されたマイナーチェンジの際にランドクルーザー70同様の4ドアモデルが追加されています。プラドは1996年にランドクルーザー70系から独立し、90系として独自の路線を歩み始めて現在に至っています。ランドクルーザー70ワゴン・プラドでは以下のような仕様が販売された。

エンジン一覧

名称	型	エンジン	排気量	最高出力	最大トルク
1985年〜1990年／2L-T型搭載	LJ71G（2ドアショート）	直列4気筒OHCディーゼルターボ	2446	85PS / 4,000rpm	19.2kgm / 2,400rpm
1990年〜1993年／2L-TE型搭載	LJ71G（2ドアショート） LJ78G（4ドアロング）	直列4気筒OHCディーゼルターボ	2446	97PS / 3,800rpm	24.5kgm / 2,400rpm
1993年〜1996年／1KZ-TE型搭載	KZJ71G/W（2ドアショート） KZJ78G/W（4ドアロング）	直列4気筒OHCディーゼルターボ	2982	140PS / 3,600rpm	34.0kgm / 2,000rpm

ランドクルーザー70　総合解説

初代ランドクルーザーの直系、70こそランドクルーザーの本流

エンジンはディーゼルのみ、車両区分は1ナンバーのみとするランドクルーザー70はドライバーを選ぶスパルタンなランドクルーザーです。排気ガス規制の影響で都市部での登録や運行が規制されているため個体数は全国的に減少傾向にあります。しかし、排ガスフィルターなどの後処理装置を付けたりすればまだ維持は可能で、初代ランドクルーザーの直系であることから魅力に感じる人も多いでしょう。また、70ワゴン・プラドは現役時代こそ不人気でしたが、独特のドライビング感覚のおかげで今ではファンも増えており、中古車専門店での取り扱いは絶えません。