【最新版】トヨタ ランドクルーザー60:北米市場で育ったアメリカン・ステーションワゴン | フレックス

【最新版】トヨタ ランドクルーザー60:北米市場で育ったアメリカン・ステーションワゴン

ランクル60の記事|,,,,

  • 投稿日:2015/11/9
  • 更新日:2019/2/15
ランドクルーザー80

ランドクルーザー60系はステーションワゴンの進化系

アメリカでSUV(スポーツ・ユーティリティー・ヴィークル)という言葉が生まれる前、そうしたスタイルのクルマはステーションワゴンと呼ばれていました。ステーションワゴンは元々はセダンベースのワゴン車を指す車でした。そこに荷物をたくさん積めるトラックの派生であるライトバンとしてのスタイルを溶け込ませたのがランドクルーザー60系です。

人気のランドクルーザー60

概要

レジャーを楽しむファミリー層に受け入れられたランドクルーザー60

20世紀後半、ステーションワゴンは日常生活から飛び出し、レジャーを楽しむためのファミリーカーとして北米を中心に浸透してきました。この市場にランドクルーザー60系は完全にマッチしたのです。1980年〜1989年の約9年間にわたる生産時期において、日本ではモデル末期頃にようやくパーソナルカーとしての認識が高まったランドクルーザー60系でした。しかし、北米市場ではデビュー当初からファミリー層にステーションワゴンとして迎えられました。

ランドクルーザー70がなし得なかった北米市場で認められたランドクルーザー60

また、GM、フォード、クライスラーなどのフルサイズピックアップの人気が高かったため、ワークホースとしてのランドクルーザー70系は北米に進出できませんでしたが(現在も70系は北米へは未輸出)、小規模な産業分野でランドクルーザー60系の人気は年々高くなっていきました。そのような市場で、ランドクルーザー60系はステーションワゴンとしてのシェアを徐々に広げていったのです。

新しいランドクルーザーの時代へ

ランドクルーザー80

日本では発売当初は一般向けではなかった

日本におけるランドクルーザー60系の時代は、クルマ文化が成熟していた北米とはずいぶん違いました。働くクルマとしてはトラックに比べて荷役性に自由度が少なく、排気量が大きいため経済性で不利、しかも価格が高めでした。そのため発売当初は官公庁向けや一部の産業用としてのイメージが強く、個人で所有するユーザーはよほどの道楽者か変わり者という見方があったほどです。しかし、経済の発展にともなう生活スタイルの変化やアウトドアブームの高まりといった世相が後押しをして、ランドクルーザー60系の一般ユーザーは増えていきました。

ランドクルーザー80のインテリア

一般ユーザーの増加に合わせたランドクルーザー60の仕様変更

一般ユーザーが増えると、日本のランドクルーザー60系にもレジャーカーとしての性能や装備が強く求められるようになります。モデル中期の1985年にはディーゼルエンジンにターボ仕様が生まれ、マニュアルのみのトランスミッションにオートマチック仕様が追加されました。ランドクルーザー80系へとモデルチェンジする前年の1988年には、ガソリンエンジンが電子制御化されるとともに3ナンバーモデルが登場。それまで1ナンバーの商用車カテゴリのみだったランドクルーザー60系が徐々に身近な4WDになっていったのです。

ランドクルーザー80のエンジン

求められたライトバンからの脱皮

しかしながら前後サスペンションが最後までランドクルーザー70系と同形式のリーフスプリングとリジッドアクスルの組み合わせだったため、乗り心地や操縦性はトラック然としたものから抜け出すことなくランドクルーザー80系にバトンタッチします。ステーションワゴンのレジャーユース化という時代背景のもと、商用車オンリーから乗用4WDへと脱皮する、本格的なSUV社会への過渡期を走ったランドクルーザー60系でした。

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執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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