【最新版】トヨタ ランドクルーザー200:中古車購入ガイド 車両の特徴とスペック、改良などを解説 | フレックス

【最新版】トヨタ ランドクルーザー200:中古車購入ガイド 車両の特徴とスペック、改良などを解説

ランクル200の記事|,,,

  • 投稿日:2016/2/5
  • 更新日:2024/6/28
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ランドクルーザー200とは?

フレームもV8エンジンもさらに力強く進化

ランドクルーザー200ランドクルーザー100の後継として2007年9月にデビューしたランドクルーザーのフラッグシップです。

スタイルはランドクルーザー100の延長上にある、ボリューム感あふれるダイナミックな2ボックス。前後バンパーがボディーと一体化してマスクの厚みが増し、ボディーサイドはプレスラインやガーニッシュを省いて張りのある面構成となりました。

ランドクルーザー200(ランクル200) 外装

ランドクルーザー100と同様にオーバーフェンダーを持たないオトナなシルエットはさらに洗練度が増し、ドッシリとした安定感も強調されています。ボディーはプラットフォーム(ボディーの基礎をなす底面部)から完全に新設計で、骨格の要となる伝統のラダーフレームを一新。左右サイドレール間の距離や形状、各部のボックス断面構造、クロスメンバーの数や配置、そしてボディーをマウントするポイントの位置など、すべてがランドクルーザー200用に見直され、ねじり剛性の大幅アップなど強靭さが一層高まりました。

ランドクルーザー200(ランクル200) ラダーフレーム・エンジン

エンジンはV8ガソリン仕様のみで、国内モデルにディーゼルエンジンの設定はありません。初期モデルにはランドクルーザー100から受け継いだ4.7リッターV8ガソリンエンジンを搭載。2009年4月には新開発の4.6リッターへと切り替わり、ATはECTの6速へと進化しています。

ランドクルーザー200(ランクル200) 走り

さらに電子制御による走行支援装置や衝突時の安全対策機能など、トヨタの最新技術が大量投入されているのもランドクルーザー200の大きな特徴です。さらに力強く、安全快適で、どんな悪路もものともしない。ランドクルーザーのフラッグシップらしさは、大きく進化しています。

人気のランドクルーザー200

ランドクルーザー200 歴代モデルとのボディーサイズ&仕様比較

    
車種 ランドクルーザー80 ランドクルーザー100 ランドクルーザー200
販売時期 1989年12月~1997年12月 1998年1月~2007年8月 2007年9月~2021年5月
全長 4,980mm 4,890mm 4,950mm
全幅 1,930mm 1,940mm 1,980mm
全高 1,860mm 1,890mm 1,870mm
最小回転半径 6.0m 5.9m 5.9m
車両重量 2,190~2,310kg 2,290~2,550kg 2,430~2,690kg
乗車定員 5~8名 5~8名 5~8名
エンジン種類 ガソリン:4.0L(直6:3F-E)→4.5L(直6:1FZ-FE)
ディーゼル:4.2L(直6:1HZ)/4.2L(直6ターボ:1HD-T)→4.2L(直6ターボ:1HD-FT)
ガソリン:4.7L(V8:2UZ-FE)
ディーゼル:4.2L(直6ターボ:1HD-FTE)
ガソリン:4.7L(V8:2UZ-FE)→4.6L(V8:1UR-FE)
ディーゼル:設定なし
4WD方式 フルタイム フルタイム フルタイム
新車時価格 274~432万円 403~494万円473~683万円

※ボディーサイズは代表的最終モデル(オプション装備等を除く)
※車両重量はオプション装備等を除く
※新車時価格は最終型のメーカー希望小売価格(税込)

シンプルなグレード構成の中でZXは特別な存在

ランドクルーザー200(後期)ZX

ランドクルーザー200のグレード構成はとてもシンプルです。先代ランドクルーザー100に設定されていたVXの名はなくなり、発売当初はAXとAX・Gセレクションのみ。後に上位グレードのZXとベースグレードで5人乗りのGXが相次いで追加設定されました。よって2010年7月発売モデル以降のレギュラーグレードは上位モデルからZX、AX・Gセレクション、AX、GXの4車種となっています。

ボディーサイズはランドクルーザー100から全長で60mm、全幅で40mmほど大きくなりましたがホイールベースは2850mmと同じで、最小回転半径も5.9mと変わらないため、取り回し性はランドクルーザー100と同等と考えてよいでしょう。

4つのグレードの中で最も存在が際立っているのはやはりトップグレードのZXです。すぐ下のAX・Gセレクションとの新車価格差はおよそ100万円。ZXの専用装備として最大にして最も象徴的なものは4輪アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション&アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システムです。これは走りや道路状況に応じて車高を自動または任意操作で3段階にコントロールできたり、ショックアブソーバーの減衰特性を自動調整が可能だったりなど、乗り心地やコーナリング性を安全快適に保持する先進のサスペンションです。

ZXの専用装備には他にも285/50R20サイズの大径ホイール、照明付きエアロタイプサイドステップ、リアスポイラー、ヒーター付きの本革巻きステアリングホイール、セミパワー式の3列目スペースアップシート、チルト&スライド電動ムーンルーフ、そしてヒーターに加えてベンチレーション機能まで付く8ウェイパワーシートなどがあります。これらは他のグレードではメーカーオプションとしても設定されていません。

ランドクルーザー200(ランクル200) AX・Gセレクション内装

また、AX・GセレクションやAXは、ZXとの装備差があっても高級SUVとして十分な仕様。オプションが豊富なので自分好みのプレミアム性を演出できます。ベースグレードのGXはオフロード愛好家やシンプルな装備を好むファンに向けた個性的な存在です。ランドクルーザー200の最も大切な要素をすべてまとっていながらZXより新車価格で200万円以上も安価であることはとても魅力的です。

人気のランドクルーザー200

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先進の走行支援メカニズムとクラストップレベルの安全性能を確保

ランドクルーザー100の時代から目立って採用され始めた電子制御技術は、ランドクルーザー200でさらに数多く採用されました。その中心にあるのがZXの専用装備として採用された4輪AHC&AVS(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション&アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)です。このシステムはランドクルーザー100の上位グレードに採用されていた4輪AHCの発展版です。

ランドクルーザー200で初採用となった電子制御技術の中で完全に新開発だったのが世界初のクロールコントロールでした。これは岩石路、砂地路、急坂路など速度調節に神経質にならざるをえない路面において、エンジンとブレーキを自動的に制御して極低速を維持しながら優れた車両安定性を実現するものです。アクティブTRC(トラクションコントロール)とヒルスタートアシストコントロールの機能も兼備しています。

ランドクルーザー200(ランクル200) KDSSイメージ

さらに日本初となった新技術にKDSS(キネティックダイナミック・サスペンションシステム)があります。こちらは走行状況に応じて前後のサスペンションに付いているスタビライザーの作動をコントロールしてコーナリング時の安定性と悪路走破性を向上させるもの。以上のメカニズムを含めてランドクルーザー200に採用された走りに関わる新技術を以下にまとめました。

4輪AHC&AVS(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション&アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)
車高やサスペンションの硬さを調整してオンロードとオフロードの走行性能を高めるとともに快適な乗り心地を実現する。
KDSS(キネティックダイナミック・サスペンションシステム)
前後スタビライザーの油圧回路を連接してコーナリング性能とオフロード走行をサポート。
VGRS(バリアブル・ギア・レシオ・ステアリング)
ステアリングのギア比を速度に応じて変化させ、高速時ではレスポンス&安定性、中速域では軽快感、低速時には取り回しやすさをそれぞれ実現する。
マルチテレインセレクト
路面の状態に応じてアクティブTRCの機能を4〜5段階に切り替えて走破性と走行安定性を高める。
クロールコントロール
速度調整が微妙なオフロードでドライバーに代わってアクセルとブレーキのコントロールを自動的に行い走破性と走行安定性を高める。
ドライブモードセレクト
任意で選べる走行モード。ダイヤル式のスイッチで「エコ/コンフォート/ノーマル/スポーツS/スポーツS+」が選べる。

ランドクルーザー200 仕様&装備の変遷

2007年9月

ランドクルーザー100の後継としてランドクルーザー200が登場。エンジンは4.7LのV8ガソリンのみでグレードはAXとAX・Gセレクション。走行性能を高める新技術、クラストップレベルとの安全性能と優れた環境性能、快適性や安心感を高める各種装備などを満載。

2009年4月

最上級グレードのZXを設定。また全車ともV8ガソリンエンジンが4.7Lの2UZ-FEから新開発4.6Lの1UR-FEに変更。同時にATは6速Super ECTを搭載した。

2010年7月

ランドクルーザー生誕60周年を記念したパッケージ車「60th ブラックレザーセレクション」をAX・GセレクションとZXに設定。同時にレギュラーモデルとして5人乗りグレードのGXを新設定した。

2011年12月

マイナーチェンジ。マルチテレインセレクトなど先進技術を追加導入。外観ではフロントバンパー&グリル、フォグランプ、リアコンビネーションランプなどのデザインを変更。ZXはフロントシートにベンチレーション機能を追加するなどラグジュアリー性がアップ。

2013年1月

一部改良し、GXを除く全車にバイキセノン式ディスチャージヘッドランプ(オートレベリング機能付き)を採用した。

2014年8月

ZXにスーパークロームメタリック塗装のアルミホイール、本革プレミアムナッパのシート、メッキ加飾ドアミラーなど高級感をアップさせた特別仕様車Bruno Cross(ブルーノクロス)を設定した。

2015年8月

二度目のマイナーチェンジ。ボンネットを含めたフロントまわりとリアコンビネーションランプ&ガーニッシュまわりのデザインを大幅に変更。ヘッドランプはLED化。さらに歩行者も検知する衝突回避支援システムのトヨタ・セーフティセンスPを初採用した。

2016年8月

トヨタ店創立70周年を記念した特別仕様車「ZX G-FRONTIER」発売。ブラック塗装+切削仕様の20インチアルミホイールやプレミアムナッパー本革シートなど特別装備を装着。

2017年7月

一部改良し、サイドターンランプ付き電動格納式ドアミラーにオート格納機能を追加(オプション)。ZXにパワーイージーアクセス機能を標準装備。ヒッチメンバーを全車オプション設定。内装色にニューラルベージュを採用。スマートキーをランドクルーザーロゴ入りにデザイン変更。

2018年8月

ライセンスプレートランプのLED化。ドアミラー足元照明が車名ロゴに変更(ZX、AX・Gセレクションにメーカーオプション)

ランドクルーザー200 エンジンの種類

ランドクルーザー200に搭載されるエンジンは、トヨタのSUVを代表するフラッグシップらしくV8のガソリンエンジンのみとなりました。

2UZ-FE

発売当初のV8はランドクルーザー100に搭載されていた4.7リッターの2UZ-FE(288PS/5400rpm、45.7kgm/3400rpn)の改良版で、シリンダーヘッドまわりがVVT-i化されたものでした。VVT-iはエンジンの状態(負荷や回転数)に応じて吸気バルブの開閉タイミングを変化させるもの。連続してエンジンの状況にマッチした出力特性を生み出しながら排出ガスのクリーン化などを狙った技術です。

1UR-FE エンジン

2009年4月に最上級グレードZXが追加されたのを機に、V8エンジンは4.6リッターの1UR-FE(318PS/5600rpm、46.9kgm/3400rpm)に変更されて300馬力オーバーになりました。1UR-FEではVVT-iがさらに進化してデュアルVVT-iとなり、吸気側バルブに加えて排気側のバルブも同時に連続可変タイミングで制御。さらにエンジンの効率アップを実現しています。

ランドクルーザー200後期(US仕様)

ちなみに、日本仕様のランドクルーザー200には4.6リッターのV8ガソリンエンジンしか搭載されていませんが、海外向けのランドクルーザー200には別タイプも載っています。たとえば北米向けではレクサスLX570と共通でさらに排気量の大きな5.7リッターV8ガソリンエンジンの3UR-FE(381hp/5600rpm、401lb-ft/3600rpm)。オーストラリア仕様では1UR-FEに加えて4.5リッターV8ディーゼルターボの1VD-FTV(200kW/3600rpm、650Nm/1600rpm)などがそれぞれ搭載されています。これはトレーラーを牽引したり荷室までフル積載で使うユーザーが多いためですが、日本のユーザーには4.6リッターエンジンでほぼカバーできているようです。

ランドクルーザー200 試乗インプレッション&レポート

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V8ガソリンのパフォーマンスに死角なし

ランドクルーザー200をドライブしてみると、エンジンがどんな回転域でも、どんなスピードにあっても、ひと度アクセルを踏み込めば2.5トンもあるボディーをグイグイ引っ張ってくれます。

さすがにフル乗車になると加速は鈍りますが、そうでない時にパワー不足を感じる瞬間はありません。恐ろしく静かに回るこのV8は、スタート時に不用意にアクセルペダルを踏んでしまっても厳かにジェントルに加速します。急加速を試みても背中を押されるという荒々しさではなく、みるみるうちにいつの間にか高速域に達しているというスムーズさです。

ZXではサスペンションのAVSが効いて路面から伝わる音や振動にオブラートがかかるため、さらにスピードに緊張感がともなわないまま高速になっていきます。

大きくて重い4WDなどではステアリングを切った時の挙動から「大きなクルマを運転している」と意識させられるものですが、ランドクルーザー200ではそれもほとんど感じません。ステアリングを切り始めた瞬間から横Gがかかり、サスペンションが踏ん張ってロールを抑えていることがわかります。

継ぎ目なくスムーズに変速する電子制御ATの働きも手伝って、ボディーの大きさや重さを感じさせないこのフィーリングは、特にAVSのついたZXで明らかです。ただし、AXなど通常のサスペンションでもKDSSのついたグレードならほぼ同様。プレミアムSUVとしては実力十分です。

ランドクルーザー200 中古車選びのポイント

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中古車は少ないがコンディションは絶品ばかり

発売されたのが2007年9月なので中古車市場にはすでに多くの個体があってもおかしくないランドクルーザー200ですが、実はそう多くはありません。新車の販売実績はランドクルーザー100よりもスローペースでしたし、オーナーが気に入って長く乗り続けていることもあるでしょう。

中古市場ですぐに買い手が付くというのも、流通している個体が少ない理由です。ランドクルーザーの中でも人気の高いモデルなので、中古車になっても価格の落ち込まないのも、ランクル200の特徴です。

また、2021年にランドクルーザー3001が登場したものの、世界的な人気の爆発と供給不足、長らく続く受注停止により先代モデルであるランドクルーザー200の人気が高まったということも背景にあります。

そのような中で、中古車市場にあるモデルには中間グレードのAXかAX・Gセレクションが目立ちます。ノーマル状態があればカスタムされたモデルもあり、選択肢はそこそこあります。価格は前期のAXやAX・Gセレクションで400〜500万円ほど。後期では600万円台なかばまでと、高値で流通しています。

前期は低走行の個体が減りつつあり、10万キロ以上ものものも増えてきました。後期でも5万キロ以下のものは少ないので、低走行で程度がよく、装備の内容がいいものならば、早めに購入を決めたいところです。

ランドクルーザー200は販売終了から3年が経過しましたが、ランドクルーザー300は中古車市場でもプレミア価格が付く状態なので、それに引きづられて価格が下がらない状態が続いています。

世界で一番ランドクルーザー200が安く買える日本

国内の4WDやSUVの市場において、ランドクルーザー200にはライバルがいません。海外勢に目を向けてみるとメルセデスベンツGクラスやレンジローバーなどが挙がりますが、オンロードでの快適さやオフロードでのパフォーマンス性、そして何よりタフネスさでは決して負けてはいないのです。

その証拠にランドクルーザー200は世界の170か国以上で幅広い層のユーザーに愛されています。そもそも他の2車はラグジュアリーブランド車で価格帯に大きな開きがありますが、ランドクルーザー200はコストパフォーマンスの高さでもライバルを圧倒しているのです。中古車になってもまだまだ高価であることに変わりませんが、日本は世界で最もリーズナブルにランドクルーザー200を買える国です。北米やオーストラリア、そしてヨーロッパ諸国ではレクサスではないのに最上級グレードは新車で1000万円を超える超高価格車となります。また、関税の高い新興国などではさらに高価です。ランドクルーザーは世界中どこでも人気が高いので、中古車になっても大幅に価格が下落することはありません(手放す際のリセールバリューも高い)。日本ではランドクルーザー200が海外より手頃な価格で購入できるというのもポイントです。

ランドクルーザー200 オススメの中古車在庫

出典

  1. ランドクルーザー300【トヨタ公式サイト】

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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