【最新版】JEEPチェロキー:中古車購入ガイド | フレックス

【最新版】JEEPチェロキー:中古車購入ガイド

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  • 投稿日:2016/3/1
  • 更新日:2019/1/10

JEEPチェロキーとは?

ダウンサイジングしたミドルサイズのSUVジープ

ジープチェロキーはジープファミリーの中核をなすミドルクラスのSUVです。SUVといっても“ジープ”は本格的な悪路走破性能を備えた4WD。レジャーを主な用途とする他のSUVとは一線を画す極めて硬派な存在なのです。チェロキーの起源を遡ると、AMC(アメリカン・モーターズ。クライスラーに買収される以前の社名)によって開発され、1974年に誕生した2ドアのチェロキーSJが初代となります。SJは古き良きアメリカ車の重厚長大時代を色濃くまとったフルサイズのステーションワゴンでした。そして10年後の1984年にSJに代わって登場したのが、後に日本でも爆発的な人気となる二代目のジープチェロキー、通称XJです。チェロキーXJはボクシーでスポーティなミドルクラスへと大胆なダウンサイジングが図られ、既存のエンジン以外はすべて新開発でした。伝統的な堅牢な4WDシステムは再構築され、高出力エンジン&軽量ボディとの組み合わせによって、ジープらしいオフロード走破性能とスポーツカー並みのオンロードパフォーマンス性を発揮するほどの変貌を遂げました。以来、17年間販売され続けたチェロキーXJは2001年にチェロキーKJにバトンタッチします。21世紀生まれのチェロキーKJはXJと同等のボディサイズとしながら、丸みを帯びた親しみやすいデザインへと一新。そしてKJは2008年に丸から角へのデザイン回帰を図りつつ、キープコンセプトでチェロキーKKへとバトンをつなぎ、2014年にはクロスオーバー系へと大転換。現在のチェロキーKLへと進化しました。

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JEEPチェロキー 歴代モデルとの比較

    
車種 JeepチェロキーXJ JeepチェロキーKJ JeepチェロキーKK JeepチェロキーKL
販売時期 1984年~2001年 2001年~2008年 2008年~2014年 2014年~
全長 4,255mm 4,520mm 4,500mm 4,630mm
全幅 1,765mm 1,820mm 1,830mm 1,905mm
全高 1,620mm 1,820mm 1,820mm 1,740mm
ホイールベース 2,575mm 2,650mm 2,425mm 2,700mm
最小回転半径 5.5m 5.5m 5.5m 5.8m
車両重量 1,640kg 1,840kg 1,930kg 1,990kg
乗車定員 5名 5名 5名 5名
エンジン種類 ガソリン:4.0L(直6 OHV・MX型) ガソリン:3.7L(V6 SOHC・K型) ガソリン:3.7L(V6 SOHC・K型) ガソリン:3.2L(V6 DOHC・S型)
トランスミッション 4速AT 4速AT 4速AT 9速AT
4WD方式 パートタイム/フルタイム フルタイム フルタイム フルタイム
サスペンション 前コイル+リジッド/後リーフ+リジッド 前コイル+Wウィッシュボン式独立懸架/後コイル+リジッド 前コイル+Wウィッシュボーン式独立懸架/後コイル+リジッド 前コイル+ストラット式独立懸架/後コイル+マルチリンク式独立懸架
新車時価格 290~339万円(税抜)319~378万円(税込) 348~373万円(税込) 416~508万円(税込)

※各数値は最終型(KLは現行型)主力モデル(オプション装備等を除く)
※新車時価格は最終型(KLは現行型)のメーカー希望小売価格

JEEPチェロキーXJの特徴とグレード、走り

ジープチェロキーXJは極めて軽量かつコンパクトなボディに、排気量の大きなエンジンとジープ伝統の前後リジッドサスペンションを組み合わせていることが最大の特徴です。ジープラングラーが備える独立したフレームは省かれ、骨格としてのフレーム機能をモノコックボディに埋め込んで軽量化に大きく貢献。サスペンションはフロントがコイルスプリング、リアはリーフスプリングでリジッドアクスルを吊る特異な形式で、フロントはリジッドアクスルを支持するリンクをシンプルな3本構成にしてサスペンションの動きに柔軟性が与えられています。フロントサスペンションのコイスルプリング化は乗り心地を快適にするだけでなく、路面の凹凸に対するタイヤ上下動の追従性が高いため、優れた操縦安定性が確保されました。また、リアのリーフスプリングはシンプルなバネ構成ですが、SUVとして人と荷物を多めにのせるためには好都合な仕様です。シャシーがこうしたスタイルになったことで、チェロキーXJはリジッドアクスル車の割に下回りがスッキリとし、シャープなボディデザインとともにオン/オフ両刀使いの4WDのスタイルが完成しました。ジープチェロキーXJが日本で初めて輸入販売された1985年当時、エンジンは2.8リッターV6(110Ps、20.0kgm)が搭載され、4WDシステムはコマンドトラックと呼ばれるパートタイム式に。しかし1987年にはエンジンがよりハイパワーな4.0リッター直6(175PS、30.4kgm)に変わり、4WDはフルタイム式のセレクトラックに変更。ライトウェイトのチェロキーXJの優れたパフォーマンス性はオンロードでも存分に発揮できるようになったのです(エンジンは後に190PS、31.1kgmへとパワーアップ)。ボディスタイルのバリエーションは、当初4ドアに加えて2ドアのスポーツというグレードもありましたがこれはすぐに消滅。後にベースグレードのラレードと上級のリミテッドのふたつが4ドアのレギュラーモデルとしてラインナップされています。

JEEPチェロキーKJの特徴、グレード

JEEPチェロキーKJの特徴、グレード、走り

ジープチェロキーKJは、さらにカジュアルで一般に親しみやすい4WDとして2001年に登場。ヘッドランプが丸目2灯で7本の縦スロットが入ったジープらしいマスクとしながら、ボディは一転して柔らかいフォルムになりました。より高い快適性が求められる時代に対応してサスペンションも全面的にあらためられ、フロントはダブルウィッシュボーンとコイルスプリングの組み合わせを採用します。リアはアクスル形式こそ旧来からのリジッドですがスプリングはリーフからコイルになり、乗り心地がさらに快適なものへとアレンジされています。エンジンは新たに3.7リッターV6ガソリン仕様(210PS、32.1kgm)が採用され、駆動系はフルタイム式のセレクトラック4WDシステム。安全装備も充実していて、運転席と助手席にはSRSエアバッグが備わるほか、ABSも全車に標準装備となりました。グレードはスポーツとリミテッドのふたつから始まり、これをレギュラーモデルとしながら、便利で快適な装備や高級感などを盛り込んだレネゲード、リミテッドプラス、エクストリームスポーツなどが年式によって存在します。

JEEPチェロキーKKの特徴とグレード、走り

2008年6月に誕生したジープチェロキーKKは、ボディサイズや室内空間の広さはチェロキーKJとほとんど変わりません。しかし、デザインはスクエア感が強調され、よりたくましいスタイルになりました。マスクまわりでは、ジープ伝統の縦7本のスロットを残しつつ、ヘッドランプはより近代的な異形タイプとしています。エンジンや駆動系はほとんどチェロキーKJと共通するもので、3.7リッターV6ガソリンエンジン(205PS、32.0kgm)とフルタイム式のセレクトラックの組み合わせです。ただし、セレクトラック4WDシステムはスイッチによるモード切り替え式に進化しました。電子制御式の走行安全装備が充実しているのも大きな特徴で、ABSはもちろん、その機能を応用・発展させた姿勢制御のESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)やESPの拡張機能となるERM(エレクトロニック・ロール・ミディケーション)のほか、安定したブレーキ性能を確保するEBT(エレクトロニック・ブレーキフォース・ディストリビューション)などが新採用されています。スタイルもメカニズムもチェロキーKJに似ているチェロキーKKですが、電子制御装置の充実採用によってチェロキーKKは特にオンロードでの安全快適な性能が格段にグレードアップしていると言えます。グレード構成とその装備や仕様の差別性はKJに似ていて、レギュラーモデルのスポーツとリミテッドに加えて後期には高級装備が盛り込まれた特別仕様車のアークテックやスポーツクロスが加わっています。

JEEPチェロキーKLの特徴とグレード、走り

初代ジープチェロキーSJから数えて5代目となるジープチェロキーKLは2014年に登場。悪路走破性の高さをボディデザインでも主張する硬派路線から一転して、スマートなクロスオーバーSUVへと進化しました。フロントグリルの縦7本スロットは健在ですが、ヘッドランプは切れ長に、フロントウィンドーは傾斜がなだらかになり全身でスポーティさが増しています。エンジンは横置きガソリンの2.4リッター直4(177PS、23.4kgm)と3.2リッターV6(272PS、32.1kgm)が用意され、FF構造のパワートレインへと進化。4WDシステムも電子制御化が進んで、アクティブドライブという新しいフルタイム式に変わっています。アクティブドライブは前輪駆動を基本としたオンデマンドタイプで、路面の状態によって最適な駆動力を4輪に分配するシステムです。FFを基本とする4WDには軟弱なイメージがありますが、チェロキーKLはセレクテレインシステムの新採用で悪路走破性にこだわるジープらしい性能をしっかりと保持しています。セレクテレインシステムは、センターコンソールのボタン操作によって、オート、スノー、サンド、マッド、ロックの5つのモードを選択できる悪路走行支援システムです。路面の状況に最適なモードで走ることで悪路走破性と走行安全性を高く確保する先進機能となっています。サスペンションは4輪独立懸架に進化。ジープチェロキーKLは新世代のジープとして、スタイルの洗練度が高まり、乗り心地が高級乗用車のように格段に向上、悪路走破性も電子制御技術の進化によって別次元へと進化を遂げています。グレードは2.4リッター直4エンジン搭載のベーシックなロンジチュード、3.2リッターV6エンジン搭載でオフロード寄りの仕様としたトレイルホーク、そして上級のリミテッドがあり、年式によってボディカラーやホイールなどの特別仕様で個性を際立たせたウォーリアーやマンゴータンゴが設定されています。

ジープチェロキー モデルチェンジ、仕様&装備の変遷

JEEPチェロキーXJ

JEEPチェロキーXJ 時代

1984年

 

フルサイズ・ステーションワゴンのジープチェロキーSJから大胆にダウンサイジングしたジープチェロキーXJが登場。フレームレスのモノコックボディでフルサイズ時代からおよそ500kgもの軽量化を達成。エンジンは2.4L直4と2.8L V6のガソリン仕様を採用。

1987年

ガソリンエンジンがよりハイパワースペックの4.0L直6に変更。4WDシステムがフルタイムのセレクトラック仕様へ。

1991年

エンジンが改良されさらにパワーアップ。安全装備のABSが全車で標準装備となった。

1993年

右ハンドル仕様が日本に初投入された。

1997年

フロントのマスクとリアゲートエンド部が樹脂パネルを多用した柔らかいデザインに変更。運転席に加えて助手席にもSRSエアバッグを標準装備した。

1998年

車両盗難防止装置のイモビライザーを標準装備。

1999年

上級リミテッドの運転席と助手席にシートヒーターを標準装備するとともに、スポーツではフロントグリルやバンパー、オーバーフェンダーがボディ同色化。

2001年

リミテッドにジープ60周年記念モデルを限定発売。

JEEPチェロキーKJ 時代

2001年

10月にジープチェロキーKJが誕生。北米ではジープリバティの名に変わったが、日本市場ではジープチェロキーとして継続展開。グレードはスポーツとリミテッドの2種類。

2003年

中間グレードのレネゲードを追加設定。

2005年

フロントグリル、バンパー、フェンダーのデザインを変更。リミテッドのホイールを16インチから17インチに大径化して差別性を強調。

2006年

走行安全装置のESPを全車に標準装備。

JEEPチェロキーKK

JEEPチェロキーKK 時代

2008年

6月にジープチェロキーKKが登場。ボディは直線基調のボクシーなスタイルに変化。インテリアはジープらしい機能優先のシンプルな仕様だが、走りの機能面ではセレクトラック・フルタイム4WDシステムとなり、ESP、ERM、EMT、HSA、HDCなど電子制御による安全機能が充実。

2009年

ボディカラーにディープウォーターブルーが追加。グレードによってレザーシートや雨滴感知機能付きフロントワイパーなど高級装備や快適装備が追加。

2010年

衝突時の乗員保護装備としてフロントアクティブヘッドレストを採用。全車で装備の充実化が図られた。

2011年

マルチファンクション機能搭載のステアリングホイールを採用。クルーズコントロールやプレミアムインパネを拡大採用。

JEEPチェロキーKL

JEEPチェロキーKL 誕生

2014年 

全車右ハンドルの設定で5代目のジープチェロキーがKLとして登場。スタイルはスピード感あふれるクロスオーバーSUVとなり、パワートレインは縦置きエンジンのFRシャシーから横置きエンジンのFFシャシーとなった。4WDシステムはオンデマンドタイプのアクティブドライブ・フルタイム式となり、5つの走行モードが選べる悪路走行支援電子制御システム・セレクテレインを採用。ラインナップにはFFの2WD仕様も設定。

JEEPチェロキー 中古車選びのポイント

JEEPチェロキー 中古車選びのポイント

揺るぎない人気のXJ、希少なKJとKK

中古車市場では、圧倒的にジープチェロキーXJが目立ちます。販売終了から15年を経てもなおファンが多いことの証明ですが、チェロキーXJを選ぶならやはり新しい年式から見つけていくのが賢明です。4.0リッター直6ガソリンエンジンは後期になるほど信頼性が高まりパワーもアップしていますし、シートなどインテリアのコンディションも良好なものが多いのです。また、走りにおいては、ジープ伝統の前後リジッドアクスル仕様であることと歴代モデルの中で最も軽量であることから、オフロードでの元気の良さは他を圧倒します。タイヤを大径なものに替えたりサスペンションをチューニングしたりすることも容易で、オフロード愛好家には最も適したモデルと言えるでしょう。相場価格はおよそ80万円~100万円とリーズナブルですが、後のチェロキーKJやKLよりも旧式のエンジンであるために燃費の悪さには覚悟が必要かもしれません。チェロキーKJやKKは中古車の台数が少なめです。年式の割に走行距離が少ないモデルが多いようで、気になるチェロキーファンなら早めのアプローチが肝要でしょう。シンプルな装備が好みならチェロキーKJ、電子制御による安全性や走りのサポート性を重視するならKKがオススメです。装備内容によって価格帯に幅があるようです。現行モデルのチェロキーKLは、新しいだけに中古車はわずか。カスタムされているものは少なく総じてコンディションの良いものばかりなので、現行車を安価で手に入れたいファンなら装備内容を確かめてから購入を決めると良いでしょう。

どのチェロキーでも不変のジープ・スピリットを堪能

ジープチェロキーXJからKJ、KK、そしてKLに至るまでのおよそ30年間、ジープの生産会社は荒波に揉まれてきました。チェロキーXJデビュー時のメーカーはAMC。しかしその3年後の1987年にAMCはクライスラー社に併合されます。1987年はジープラングラー初代のYJが誕生した年でした。そしてチェロキーXJ時代の後期にあたる1998年にクライスラー社は独ダイムラーベンツ社と合併。しかし、チェロキーKJ時代の後期にあたる2007年には分離して2009年にクライスラー社は経営破綻。その後は再建過程に持株比率を高めたフィアットとの関係が深まり、2014年にはフィアットの完全子会社になりフィアットクライスラー社が誕生しました。このようにジープブランドの母体はめまぐるしく変わりましたが、時代のどの節目にあっても作り手の姿勢は変わっていません。それはカジュアル路線のチェロキーも同様で、ジープの名に恥じない本格オフロード4WDとして不動の地位を保持しています。時代とともに近代化が進み、4WDシステムやサスペンションが大きく様変わりしているジープチェロキーですが、どのモデルを選んでもジープ・スピリットを堪能できることは確かなのです。

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執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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