【最新版】JEEPラングラー:中古車購入ガイド | フレックス

【最新版】JEEPラングラー:中古車購入ガイド

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  • 投稿日:2016/2/19
  • 更新日:2019/1/10

JEEPラングラーとは?

戦前生まれのJEEPだが“ラングラー”の名は’87年から

ジープ・ラングラーは、米クライスラー社が生産する本格クロスカントリータイプの4WDです。その歴史は日本のランドクルーザーより10年ほど長く、誕生は第二次世界大戦の最中、ちょうど日本と米英が開戦した1941年のことでした。当時、軍用ジープの役割は主に少数兵員の移動や少量兵器の運搬や装備など。小型で機動力が高いこと、悪路での走破性が高いこと、そして敵の標的になりにくいこと等を条件に複数の企業によって開発されました。戦時中の軍用ジープには様々なスタイルが生まれましたが、終戦後は一般消費者向けのモデルが誕生し、それが現在のジープ・ラングラーのスタイルにつながっています。“ラングラー”の名前がついた最初のジープは1987年に発売されたYJ(ワイジェイ)というモデルです。それまで一般向けジープであったCJ(シージェイ)に残っていたミリタリー色が薄まり、速くてスタイリッシュなオープンスポーツとしての誕生でした。二代目のラングラーは1996年に登場したTJ(ティージェイ)です。CJ時代のノスタルジックなテイストをまといながらも、走りはより快適なものになり、時代にマッチしたインテリアやユーティリティーを備えました。そして現行のラングラーがJK(ジェイケイ)です。誕生は2007年で、さらなるグローバル化を見据え、従来からの2ドアモデルに加えてラングラー史上初となったロングホイールベースの4ドアモデルが設定され注目を浴びました。ジープ・ラングラーはモデルが変わるたびに仕様や装備の充実度が増しグローバルカーとして成長を続けています。その成長は気軽に乗れる快適なシティコミューターとしてだけでなく、本格クロスカントリー4WDとしての進化も含めてのこと。軍用車から脱皮し誰にでも扱いやすいジープとなったラングラーは、高いオフロード走破性能を提供してくれる本格4WDのレジェンドなのです。

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JEEPラングラー 歴代モデルとの比較

    
車種 JeepラングラーYJ JeepラングラーTJ JeepラングラーJK
販売時期 1987年~1996年 1996年~2006年 2007年~
ボディ形式 2ドアソフトトップ 2ドアソフトトップ 2ドアハードトップ
全長 3,885mm 3,915mm 4,185mm
全幅 1,730mm 1,740mm 1,880mm
全高 1,840mm 1,800mm 1,845mm
ホイールベース 2,375mm 2,375mm 2,425mm
最小回転半径 5.2m 5.3m 6.0m
車両重量 1,490kg 1,610kg 1,860kg
乗車定員 4名 4名 4名
エンジン種類 ガソリン:4.0L(直6 OHV・MX型) ガソリン:4.0L(直6 OHV・MX型) ガソリン:3.6L(V6 DOHC・G型)
トランスミッション 3速AT 4速AT 5速AT
4WD方式 パートタイム パートタイム パートタイム
サスペンション リーフスプリング+リジッドアクスル コイルスプリング+リジッドアクスル コイルスプリング+リジッドアクスル
新車時価格 300万円(税抜)292万円(税込) 396万円(税込)

※各ラングラーのグレードはYJ“カスタム”、TJ“スポーツ”、JK“サハラ”
※各ボディサイズは最終モデル(オプション装備等を除く)
※車両重量はオプション装備等を除く
※新車時価格は最終型のメーカー希望小売価格(JKは現行型)

JEEP ラングラーYJ

JEEP ラングラーYJの特徴とグレードの種類

ラングラーYJは、終戦時から一般向けジープとして40年以上も続いたCJ時代に終止符を打った新世代ジープの第1号モデルです。ジープCJはCJ-2からCJ-8に至るまでコンスタントにモデルチェンジと改良が重ねられましたが、そのスタイルはおおむね生産期間がかぶっていた軍用ジープの後期モデルと大きな違いはありません。ミリタリーファンの支持は集めましたが一般向けのコンパクトカーとしては極めてマイナーな存在でした。そして1987年に誕生したラングラーYJは革新的変化と言えるスタイルで登場。ボンネットもウエストラインが低くなり、ヘッドランプは角目に変更、フロントウインドーが大きくなるなど、ミリタリー車からの完全なる脱皮が図られました。サスペンションは形式こそCJ同様にリーフスプリングとリジッドアクスルの組み合わせでしたが、リーフスプリングの反りを減らすなどして乗り心地は大幅に改善。車高を抑えることで横転事故防止対策など安全性も格段に向上しています。エンジンはボディサイズにしては排気量の大きな4.2リッターや4.0リッターの直6ガソリンエンジンが載せられました。インテリアではインパネが衝突時の乗員保護を目的とした大型パッドを備えた乗用車と同様のスタイルとなり、シートはハイバックタイプのスポーティなものに変更されました。快適かつ便利な現代的装備としては、エアコン、パワーステアリング、オートクルーズ等も新設定。ATは3速コラムシフト、MTは5速フロアシフトの設定があります。グレードはトランスミッションや内外装の仕様によって、“カスタム”、“サハラ”、“リミテッド”、“ラレード”、“レネゲード”があります。

ジJEEPラングラーTJ

JEEP ラングラーTJの特徴とグレードの種類

1996年に登場した二代目ラングラーのTJは若年層のエントリーカーとして、また休日レジャー用のセカンドカーとしてなど、ユーザー層の大幅な拡大を目的に開発されました。基本スタイルはYJと同様のまま、クルマ作りの土台となるシャシーではスプリングをリーフからコイルに大変更。ヘッドランプは往年のジープと同じ愛嬌のある丸目2灯となっています。ボディ形式は幌タイプのソフトトップと樹脂製ルーフのハードトップの二本立て。初期モデルではトランスミッションに5速MTと3速ATのフロアシフトが設定されましたが、後にMTは6速に、ATは4速仕様にそれぞれ発展します。搭載されたエンジンはラングラーYJの直6ガソリン仕様を改良したもので、最終的には4.0リッターで175PS、29.6kgmを発生。低速回転域におけるトルク重視の性格ながら扱いやすさが向上しています。さらに、このモデルから日本仕様は全車とも右ハンドルになるとともにインパネも一新。ラングラーYJでは小さなメーターが横一列に並ぶスパルタンなデザインでしたが、それが一転して乗用車のようにメーターナセル、センタークラスター、グローブボックスのユニットがそれぞれ独立するスタイルとなりました。また快適性とともに安全性を向上させるための策として、2001年モデルからハーフドア(幌窓)がレギュレーターハンドルでウインドーを開閉するフルメタルドアに変わっています。グレードは“スポーツ”と“サハラ”の2車種。基本的に“スポーツ”はソフトトップ、“サハラ”はハードトップのスタイルとなっていますが、1998年モデルまでには“スポーツ”にハードトップが存在したり、“サハラ”にソフトトップが設定されていたりした時期があります。

JEEPラングラーTJルビコン

JEEP ラングラーJKの特徴とグレードの種類

2007年に三代目ラングラーとなったJKはすべてが一新されています。YJとTJはボディやシャシーの多くを共有していましたが、ラングラーJKではシャシーの全面変更とともにボディが大型化されました。全長は2ドアモデルでさえ270mmも延長されて一気に4m超えとなり、全幅はオーバーフェンダーの存在が大きいとはいえ140mm拡大でフルサイズSUV並みに。搭載エンジンはTJ の4.0リッター直6から3.8リッターV6と最新のガソリンエンジンに進化。日本仕様のトランスミッションは5速ATのみの設定となりました。サスペンションはコイルスプリング+リジッドアクスルのトレッド拡大とともにストローク量が増え、操縦安定性、快適性のアップとともにオフロードでのポテンシャルも向上。さらにヒルディセントコントロールなど電子制御技術が盛り込まれて4WDとしての実用度も上がりました。一方、ユーティリティー性ではボディの大型化で居住空間が広がり、乗員の快適性が大幅に改善されるとともにラゲッジスペースも拡大して、SUVとしての実用性がプラスされているのが大きな特徴です。またハードトップは樹脂製ですが、ルーフが運転席、助手席、後席の3つの部分で分割して着脱できるオープン対応を実現しています。7本の縦スリットに丸目2灯のマスク、エンジンルームから独立した大振りのフロントフェンダー、スクエアで切り立ったフロントウインドーなど、ジープ伝統のスタイルを残したまま、ミドルサイズのSUVとして進化したジープがラングラーJKなのです。ラインナップは発売当初、2ドアがベーシックな“スポーツ”、上位グレードの“サハラ”、オフロード性能を際立たせた“ルビコン”の3タイプで、4ドアはアンリミテッドというサブネームが付き。“アンリミテッド・スポーツ”と“アンリミテッド・サハラ”、“アンリミテッド・ルビコン”の3タイプ。現行モデルでは2ドアが“サハラ”、4ドアが“アンリミテッド・スポーツ”と上級グレードの“アンリミテッド・サハラ”の計3タイプになっています。

JEEP ラングラー モデルチェンジ、仕様&装備の変遷

1987年 ラングラーYJ・誕生

ジープCJの後継として角目のジープ・ラングラーYJが登場。ホイールベースが延長されるとともにボディはワイド&ローのスタイルでスポーティな都会派に。エンジンは2.5L直4ガソリンと4.2L直6ガソリンの2機種。直後にメーカーのAMC社がクライスラー社に吸収されジープはクライスラーのブランドとなります。

1991年

直6ガソリンエンジンが4.2Lから4.0Lに変更。

1992年

安全性向上のためロールケージ(ロールバー)の形状を変更し後席にもシートベルトを装備。

1996年 ラングラーTJ・誕生

マスクを中心にボディを変更。YJでフロントウインドーのフレームに装着されていたワイパーがカウルトップに移設。フュエルフィラーキャップがボディの右サイドから左サイドに。ソフトトップの幌は脱着が比較的容易なものへと改良されました。インテリアではインパネもシートも乗用車風のデザインになり、運転席と助手席にはSRSエアバッグを標準装備。エンジンはYJからの4.0L直6ガソリン仕様のみの設定でした。車種構成はソフトトップとハードトップの2スタイルとした“スポーツ”とハードトップのみの“サハラ”の2種類。

2002年

“スポーツ”のハーフドア(ウインドー部はビニールスクリーン)が廃止され、全車フルメタルドアに統一。車両盗難防止装置イモビライザーが標準装備となる。

2003年

ATが3速から4速に進化。“サハラ”にクルーズコントロール標準装備。

2006年

“スポーツ”の5速MTが6速になるとともにクルーズコントロールを標準装備。

2007年 ラングラーJK・誕生

すべてを一新してラングラーJKが登場。2ドア/4ドアの2スタイルとなります。エンジンは3.8LのV6ガソリンエンジンに変更され排気量は小さくなりましたがパワーアップを実現。ホイールベース延長にともない、燃料タンクはラゲッジルーム下部から衝突安全上有利なミッドマウントに。さらにブレーキが4輪ともディスク仕様になって高性能化を果たしました。サスペンションは構造変更によりストロークアップし、乗り心地と悪路走破性が向上しています。

2011年

インパネ、センターコンソール、ドアトリムのデザインを変更。ステアリングホイールにはオーディオやクルーズコントロールの操作スイッチを装備。滑りやすい下り斜面を定速で安全に下れるヒルディセントコントロールを採用。

2012年

V6ガソリンエンジンが3.8Lから新世代のDOHC 3.6Lモデルに変更。レギュラーガソリン仕様となり、パワーはなんと40%アップ、トルクは10%のアップを果たしつつ燃費が改善された。

JEEP ラングラー 走りを決めるサスペンションの進化

ジープ・ラングラーは持って生まれたクロスカントリー性能の高さゆえ、いつの時代もオフロード愛好家の関心を集めてきました。彼らの多くはその性能をさらに向上させるためのカスタムを前提にラングラーを購入しているわけですが、ノーマル状態でのポテンシャルは世代が移り変わるにつれ高まっています。つまり、YJよりTJ、TJよりJKの方が、ノーマル状態でのオフロード走破性能が高く、JKではオフロードビギナーでもそこそこの悪路走破性を引き出せるようになっているのです。ラングラーYJはミリタリー色が強かったCJからの反動が大きく、乗用車のような乗り心地とスポーツカーのような低いスタイリングの実現に力が注がれました。リーフスプリングをソフトにし、その際に失われてしまうアクスルを横方向で支持する剛性をラテラルロッドの追加で補っています。この構造によって乗り心地とステアリングのシャープな応答性は確保できましたが、サスペンションは動きの規制が強まってストロークが小さくなり、ギャップの激しいオフロードではタイヤの接地性が損なわれやすくなっています。ラングラーTJはYJと同じ長さのホイールベースとしたシャシーのままスプリングがリーフからコイルへと切り替わりました。これによりサスペンションはよりしなやかに動くようになり、乗り心地はさらに向上しています。肝心のストローク量もラテラルロッドで規制されたリーフスプリングより多めに確保されました。ただし、コイルスプリングのしなやかな動きのおかげでタイヤの路面追従性が高まったことが悪路走破性アップの主な要因と言えるでしょう。そしてJKですが、サスペンションを構成するパーツが全面的に改められて、ストローク量も格段にアップしています。技術の進歩によってオンロードでの快適かつ安全な走りの性能と、オフロードの走破性能を両立するサスペンション構造を実現できたことがその理由です。トレッドのワイド化によって安定性も高まったため、走り全般で大きな進化を遂げたのです。

JEEP ラングラー 比較インプレッション&走り方指南

JEEPは最新モデルほど乗りやすい

エンジントルクを生かして楽しいラングラー

メカニズムに注目すると、ジープ・ラングラーの歴史はトランスミッションの多段化の歴史でもあることが見えてきます。ATは3速から4速、そして5速へ。日本では少数派ですがMTは5速から6速にギア数が増えました。ジープ・ラングラーに限らず、4WDに搭載の比較的排気量の大きなガソリンエンジンはディーゼルエンジンのように低速回転域で最大トルクが出るように作られています。ラングラーYJとラングラーTJの直6エンジン(175PS、29.6kgm)は動弁機構がOHVで、どちらかというと高速回転が不得手。そのため低いギアのまま引っ張って回すより中低速回転域のトルクを活かしたギア選択でより力強く走れます。特にオフロードでは駆動力の絶対的な大きさより、状況に応じて選択できるギアの段数が走りを決めることが往々にしてあります。同じエンジンなら最適なトルクバンドを常に保持して走れる段数の多いトランスミッションとの組み合わせが有利となるのです。こうした走りのスタイルはラングラーJKになると少々変わりました。3.8リッターV6ガソリンエンジン(199PS、32.1kgm)を搭載した前期モデルは4速ATとのマッチングも良好で、ラングラーYJやTJと同様のトルクバンドを意識したシフトチェンジで同等かそれ以上のパフォーマンス性を発揮します。しかし、後期型は3.6リッターV6(284PS、35.4kgm)でDOHC化などによって太いトルクを高回転まで保持できるため、回転の全域でパワフルな走りが容易に楽しめるようになりました。ジープ・ラングラーは古いモデルほどドライバーの腕が試される面白さがあり、新しいほどイージードライブが可能になっていると言えます。

JEEP ラングラー 中古車選びのポイント

タイヤ&ホイールのカスタム車が狙い目だが注意も必要

中古車市場にはYJ、TJ、JKのいずれのジープ・ラングラーも出回っていますが、新車販売台数が少なく生産終了から20年以上経っているYJは極めて少数です。現実的にジープ・ラングラーならTJかJKのどちらかを選ぶことになるでしょう。TJは日本でも数多くの新車が販売されましたが、JKには2ドアと4ドアの2タイプがあり、特に4ドアの人気が上昇し続けているので、今後はJKの台数がますます増えていくことが予想されます。長く乗るつもりならJKを選ぶべきでしょう。中古車市場にあるジープ・ラングラーのほとんどはオフロードスタイルにカスタムされています。サスペンションのチューニングで車高を上げ、大径のタイヤを装着するというスタイルです。こうしたカスタム車を選ぶ際は、トランスミッションとタイヤの大径の度合をチェックしたいものです。あまりにも大きなタイヤはエンジンのトルクを食ってしまうのでギアの段数は多いほうが気持ちよく走れます。ただし、オフロード走破性を高める上で、MTのギアやデフのギア比が低速型にアレンジされているモデルもあります。大きなタイヤでもノーマルタイヤの時と同程度かそれ以上のトルクをタイヤに伝えられているのであれば、駆動力を不満に思うことはないでしょう。また、車高アップのサスペンションはスプリングの硬さもチェックしておきたいものです。サスペンションのストローク量を大きく確保するためにソフトなセッティングになっているケースもあれば、スタイリング優先のチューニングでハード寄りにアレンジされているケースもあるのです。購入の際はできるだけ試乗することをお勧めします。

JEEP ラングラーの世界にハマろう!

JEEPラングラーJK-ルビコン

ジープ・ラングラーは古いモデルほどメカニズムもボディもスパルタンで乗り手を選びます。逆に新しいほど誰にでもイージードライブを約束してくれる優しさを備えるのですが、共通しているのは何と言ってもオフロード4WDとしての高いポテンシャル性。カスタム次第でその能力の高さも、スタイルの幅も自由自在。たとえオフロードを走らなくてもカスタムによるあらゆる可能性の高さがジープ・ラングラー最大の魅力です。多くのラングラー・ユーザーはラングラーに乗る仲間と出かけたアウトドアで感化されジープの世界にハマってしまうといいますが、さらりとノーマルで街を流すのもカッコイイものです。ラングラーのユーザーになって、新たなライフスタイルを見つけましょう。

JEEP ラングラー オススメの中古車在庫

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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