ハイエースは燃費が悪い!? バンとワゴン、2WDと4WD、ガソリンとディーゼル、それぞれのモデルを比較してみました
ハイエースは燃費が悪いと言われます。モデルによって違いはありますが、少しでもランニングコストは下げたいですね。では、燃料費を下げるためにはどうすればいいでしょうか? 燃費向上のためのちょっとした工夫や走り方、燃費に効くメンテナンスやグッズなども紹介します。
ハイエースの燃料代は高い!?
平均的なハイエースの燃費は、ハイエースワゴンで8.1〜8.8km/L、ハイエースバンで8.1〜12.4km/L(いずれもカタログ燃費)と、一般的な乗用車や商用車と比較しても決して優れているとは言えません。200系ハイエースのデビューが20年前ということを考えると仕方ない、善戦しているとも思えますが、給油をするたびにため息が出るというハイエースオーナーも多いのではないでしょうか?
ここ数年、燃料費は右肩上がりを続けています。揮発油税に消費税が加わるという二重課税の状態を撤廃すれば我々の財布から出ていくお金は少なくなりますが、油自体の値上がりの根源である円安と原油高はどうしようもありません。
ガソリン代もディーゼル代も上昇を続けています
仕事で車を使っている方は日々のランニングコストが上がっていて、利益を圧縮している大きな要因になっているのではないでしょうか。ハイエースは仕事にもプライベートにも使っている方が多いので、燃費や燃料代は気になってしまいますね。
「燃費? とくに気にしてないよ」という方も、ちょっと計算するとそれなりの金額になることもあるので、この記事を機会に少し意識してみてはいかがでしょうか?
ベストセラー&ロングセラーモデルのハイエース
ハイエースは、日本の商用車の代表と言っても過言ではありません。その歴史は1967年まで遡りますが、ここでは2004年にデビューした200系と呼ばれる5世代目ハイエース、その現行モデルである8型にフォーカス。なかでもユーザーの多いハイエースバン1とハイエースワゴン2について、それぞれのカタログ燃費と実燃費を調べてみました。
ハイエースの豊富な種類とバリエーション
8型は2024年1月の年次改良で登場した200系ハイエースの現行モデルです。エンジンは、ハイエースバンには、2.8Lディーゼルエンジンと、2.7Lガソリンエンジン、2Lガソリンエンジンが搭載されています。いっぽうハイエースワゴンは、2.7Lガソリンエンジンが搭載されており、排気量の異なるガソリンエンジンやディーゼルエンジンの設定はありません。駆動方式は2WDと4WDがありますが、グレードによって設定が異なります。なお、ボディの種類についてはこちらの記事をご参照ください。
燃費にはさまざまな要素が関係します
ひと口に燃費と言っても、実際の走行で常にカタログに記載されている数値が出るということはまずありません。2018年から国際的な試験方法である「WLTCモード燃費」という計測方法に変更になり、実走行に近い数値にはなってきましたが、それでも「このクルマは1Lでだいたいこれくらい走ることができる」という目安として捉えておいた方がいいでしょう。
WLTCモードとは
燃費の測定・表示方法は、1991年に10・15モード、2011年にJC08モードと変わり、2017年からはWLTCモード3になっています。WLTCはWorldwide harmonized Light vehicle Test Cycleの略で世界的に統一された規格です。低速フェーズ、中速フェーズ、高速フェーズ、超高速フェーズという4段階の速度域での燃費をそれぞれ計測するものですが、日本では超高速以外の3段階フェーズ(市街地・郊外・高速道路)に、総合を加えた4つの数値で表示されています。
車両の重量やエンジンの種類など、燃費に影響を与える要素について詳細に説明。
クルマの燃費はちょっとしたことで上下します。燃費に影響を与える要因を挙げてみると、
クルマ自体に関すること
・クルマの種類(エンジン・駆動方式)
・クルマの重量
・クルマの調子
走行に関すること
・走り方
・走行するルート
・渋滞
それ以外
・天候
・燃料自体の金額
などが考えられます。
クルマ自体ですでに燃費が異なる
搭載しているエンジンの種類や排気量、駆動方式によってもかなり燃費は変わってきます。ガソリンエンジンは、当然ハイオク指定の方が燃料費は掛かりますし、燃料の単価が安いディーゼルエンジンの方が経済的といえるでしょう。また、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車は一般的にエンジン車よりも燃費がいい傾向にあり、駆動方式は4WDよりも2WDの方が燃費は良好です。
排気量の大小も燃費に関わってきます。一般的には排気量が大きいほど燃費は低下していきますが、重い荷物を積む場合、ある程度排気量がないと逆に燃費が落ちることもあります。
このように、エンジンの種類や排気量、使用する燃料、駆動方式などで燃費は変わってきます。同じ車種でも燃費が異なるのはこのような理由からです。何よりも燃費優先でクルマを選びたいという方は、これらの要素を比べてみましょう。
乗り方によって燃費は結構変わります
重い荷物を積んで街中を中心にストップアンドゴーという走り方では、当然ですが燃費は悪化します。停車している状態から動き出すところまでが一番力を使うので、その回数が増えれば、エンジンにも負荷が掛かり、燃費は低下することになります。
一方、荷物はそこそこ積んでいたとしても、高速道路が中心で速度をあまり上げ下げせずに一定速で走った場合には、燃費は上昇します。もちろん渋滞にも左右されるので、高速道路を使う=燃費が稼げるというわけではないですし、通行料金も発生するので、上手に利用するのがいいでしょう。高速道路とバイパスが並行して走っている場合、結果的にバイパスを使ったほうがよかったというパターンもあります。
走るルートや時間帯によっても燃費が変わります
坂を上がる道が続くルートと、平坦な道が続くルートでは、当然後者の方が燃費はよくなります。もちろん平坦な道がずっと渋滞しているとなれば、別の道を選んだ方がいいでしょう。また、朝夕の通勤時間帯はどうしてもクルマが増え、信号で止められて、平均速度が上がりません。
エンジンに負荷を掛けない走り方ができるルートで、なおかつクルマが流れる時間帯であれば、もっとも燃費を稼ぐことができますね。
燃費に影響するその他の要因は?
外気温も燃費には影響してきます。例えば夏は、近年では最高気温が40度になりそうなレベルで、エアコンによる車内の冷房は欠かせません。クルマのエアコンはエンジンの動力を使ってコンプレッサーを回すため、エアコンを使用しないときと比べて燃費は下がります。また、冬は気温が下がることでエンジンが温まりにくくなったり、タイヤの空気圧が下がったりすることで、燃費も悪化することになります。
一般的には20度前後の外気温のときが、一番燃費がいいように調整されています。これは自動車メーカーが気温20度/湿度50%という条件下で燃費を計測しているからです。カタログ燃費と呼ばれるのは、この数値です。
その他、雨天ではタイヤの温度が下がることで転がり抵抗が増し、その結果燃費が下がる傾向にあります。これは路面温度が下がる冬季にも共通して言えることです。
ハイエースは燃費が悪いというのはホント!?
ガソリンとディーゼル、2WDと4WD、2人乗りから14人乗りと、非常にバラエティに富むラインアップがあるハイエースですが、実際にどれくらい燃費が悪いのでしょうか?
やはりハイエースは燃費が悪い
ハイエースは大きな箱です。燃費を大きく左右する空気抵抗という要素において、ハイエースは完全に不利です。キャブオーバー型のハイエースはボンネットを持たないため、前から見ると壁のようなデザインです。前面投影面積に空気抵抗係数(cd値)を掛け合わせたものが空気抵抗値になりますが、ハイエースはボンネットのあるクルマよりも空気抵抗が大きく、高燃費を出すのはなかなか難しいでしょう。
また、ハイエースは積載する人や荷物によって荷重が大きく変化します。空荷や乗車人数が少ない状態では燃費がよくても、フル乗車や荷物が満載の場合は車重が重くなるので燃費も悪化します。
ハイエース各モデルの排気量と駆動方式、カタログ燃費は?
ハイエースは、商用モデルのハイエースバンと、乗用モデルのハイエースワゴンがラインアップされています。エンジンもガソリンエンジンとディーゼルエンジン、駆動方式も2WDと4WDと、多彩なバリエーションが揃っています。ここでは各モデルの燃費を比較してみましょう。
ハイエースバンのカタログ燃費
ハイエースバンのエンジンラインナップは次の3種類です。
2.8Lディーゼルエンジン
2.7Lガソリンエンジン
2.0Lガソリンエンジン
駆動方式 | エンジン | WLTC | WLTC
市街地モード |
WLTC
郊外モード |
WLTC
高速道路モード |
JC08 |
2WD | 2.8L ディーゼル | 11.7〜12.4km/L | 9.3〜9.7km/L | 11.9〜12.7km/L | 13.0〜14.2km/L | 12.8〜14.0km/L |
2.7L ガソリン | 8.8km/L | 6.5km/L | 9.2km/L | 10.0km/L | 9.6〜9.8km/L | |
2.0L ガソリン | 9.0〜9.4km/L | 6.8〜7.0km/L | 9.4〜9.6km/L | 10.3〜10.7km/L | 10.5〜10.9km/L | |
4WD | 2.8L ディーゼル | 11.0〜11.7km/L | 8.9〜9.3km/L | 11.1〜11.8km/L | 12.2〜13.0km/L | 12.1〜12.8km/L |
2.7L ガソリン | 8.1km/L | 6.2km/L | 8.4km/L | 9.1km/L | 9.0〜9.1km/L |
ハイエースバンのなかで、もっとも燃費のいいモデルは2.8Lディーゼルエンジンを搭載した2WDモデルで11.7〜12.4km/Lです。対してもっとも燃費の悪いモデルは2.7Lガソリンエンジンを搭載した4WDモデルで8.1km/Lとなっています。駆動方式では2WD、燃料はディーゼルという組み合わせがもっとも燃費が良く、4WDとガソリンではもっとも燃費が悪いというのが、ハイエースバンのカタログ燃費です。
ハイエースワゴンのカタログ燃費
ハイエースワゴンのエンジンラインアップは2.7Lガソリンエンジンのみとなります。
駆動方式 | エンジン | WLTC | WLTC
市街地モード |
WLTC
郊外モード |
WLTC
高速道路モード |
JC08 |
2WD | 2.7L ガソリン | 8.8km/L | 6.5km/L | 9.2km/L | 10.0km/L | 9.6km/L |
4WD | 2.7L ガソリン | 8.1km/L | 6.2km/L | 8.4km/L | 9.1km/L | 8.7〜9.0km/L |
ハイエースワゴンは2WDが8.8km/L、4WDが8.1km/Lということで、同じ2.7Lガソリンエンジンながら駆動形式の違いが燃費にも現れています。
ハイエースバンとハイエースワゴン、実際の燃費はどれくらい?
WLTCになったとはいえ、実際の燃費とカタログ燃費は違います。これは通常の走行と試験時の走行に違いがあるからで、差が出るのは仕方のないことです。一般的にはカタログに掲載されている数値の1〜2km/L落ちというのが実際の燃費という車種が多いようです。
ハイエースはバンもワゴンも使用状況がオーナーによって異なります。仕事で荷物をいっぱい積んで毎日走り回っている方もいれば、週末だけレジャーで使っている方もいます。積載する荷物の量や走行条件などが異なるため一概には言えませんが、それなりのバラツキが出るでしょう。
ハイエースのラインアップでは、ワゴンのスーパーロングで2.7Lガソリンエンジンの4WDモデルが一番燃費が悪く、バンのロングで2.8Lディーゼルエンジンの2WDモデルが一番燃費が良好です。使用目的に応じて選べるようにさまざまなモデルがラインアップされているハイエースですが、使い方と燃費のバランスを検討してみてもいいかもしれませんね。
ハイエースバンの実燃費
ハイエースバンの実燃費はどうでしょうか? ハイエースバンのオーナーさんから聞き取りをした数値をまとめてみると、平均で10.2km/Lをマークした2.8Lディーゼルの2WDがもっともよく、2.7Lガソリンの4WDは6.3km/Lとかなり辛い数値になりました。なお、2.8Lディーゼルの4WDは、カタログ数値では11.0〜11.7km/Lと良好でしたが、実燃費の平均値は8.6km/Lという数値に落ち着きました。
駆動方式 | エンジン | カタログ燃費 | 平均実燃費 | サンプル1 | サンプル2 | サンプル3 |
2WD | 2.8L ディーゼル | 11.7〜12.4km/L | 10.2km/L | 9.8km/L | 9.9km/L | 10.5km/L |
2.7L ガソリン | 8.8km/L | 8.1km/L | 8.4km/L | 7.9km/L | 8.0km/L | |
2.0L ガソリン | 9.0〜9.4km/L | 7.5km/L | 7.8km/L | 7.0km/L | 7.7km/L | |
4WD | 2.8L ディーゼル | 11.0〜11.7km/L | 8.6km/L | 9.0km/L | 8.3km/L | 8.5km/L |
2.7L ガソリン | 8.1km/L | 6.3km/L | 6.1km/L | 6.6km/L | 6.2km/L |
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ハイエースワゴンの実燃費
ハイエースワゴンの実燃費はどれくらいでしょうか? ハイエースワゴンのオーナーさんから聞き取りをした数値をまとめてみたところ、ミドルルーフの2WDで1.4km/L落ちの7.4km/L、同4WDで1.2km/L落ちの6.9km/L、ハイルーフの2WDで1.0km/L落ちの7.8km/L、同4WDで0.9km/L落ちの7.2km/Lということで、カタログ燃費より若干下がる傾向にあることがわかります。なお、走行距離や時間帯等はバラバラなので、この数値よりも上回ることもあれば、下回ることもあります。
駆動方式 | エンジン | グレード | カタログ燃費 | 平均実燃費 | サンプル1 | サンプル2 | サンプル3 | サンプル4 |
2WD | 2.7L
ガソリン |
DX/GL | 8.8km/L | 7.4km/L | 7.0km/L | 7.7km/L | 7.4km/L | 7.5km/L |
4WD | 8.1km/L | 6.9km/L | 7.1km/L | 6.5km/L | 7.1km/L | 6.9km/L | ||
2WD | グランド
キャビン |
8.8km/L | 7.8km/L | 7.8km/L | 7.8km/L | 7.7km/L | 7.9km/L | |
4WD | 8.1km/L | 7.2km/L | 7.2km/L | 7.2km/L | 7.3km/L | 7.1km/L |
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ハイエースの燃費を良くする方法は?
燃費の良し悪しは、走行条件や運転の仕方、車両のコンディション、気象状況など、さまざまな要因が絡んできます。まったく同じ道を毎日通っていても、渋滞や天候により燃費は変化します。では、オーナーが行える燃費向上の方法にはどのようなものがあるでしょうか?
ドライビングのテクニックで燃費が向上
ドライビングのテクニック、つまり運転の仕方でも燃費は変わります。停車状態からの急発進や走行中の急加速といった「急」が付くアクセル操作は、「エンジン内に今よりも多くの燃料を噴射しろ」と命令するものです。燃やす燃料が増える=燃費が悪化する。というわけです。
街中でストップ・アンド・ゴーを繰り返すという場合、なかなか燃費は伸びづらく、どうしても低い数値になってしまいます。だからこそ、急発進などラフにアクセルを踏むような運転はせず、スムーズに発進して流れに乗るような走り方がオススメです。
車のメンテナンスで燃費を向上
燃費はいろいろな要素の積み重ねですが、車のコンディションも影響します。例えば、タイヤの空気圧が規定値よりも下がっていた場合は、トレッドの接地面積が大きくなってころがり抵抗が増えて燃費の低下に繋がります。また、エアフィルターが汚れていたり、点火プラグ(ガソリン車)が摩耗していると、正しい燃焼が行われずに燃費は下がります。ディーゼル車では、エアフィルターに加えてDPR(DPF)が汚れていると燃焼と排気の効率が落ちて燃費が下がります。
電装系の確認も必要です。バッテリーの電圧低下や、オルタネーター(エンジンの回転を使って発電をする部品)の性能低下でも燃費は悪化します。使用状況にもよりますがバッテリーは2〜3年に1度の交換がオススメです。オルタネーターは10年または10万kmごとに交換が推奨されています。
エンジンオイルやATFといった油脂類の劣化も燃費に影響してきます。とくにターボエンジンを搭載しているハイエースのエンジンオイルは汚れやすく、距離を走るユーザーは注意が必要です。一定の距離を走行したら交換をオススメします。また、ATFも定期的にチェックを行い、劣化している場合は交換する方がいいでしょう。加速感の減少や変速ショックを体感した場合は要注意です。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
それ以外にも調子の良し悪しで燃費は変わってきます。エンジンの吹けが悪くなったり、振動が大きくなったりした場合は、すぐにメンテナンスを行いましょう。ハイエースは一般的に耐久性が高いと言われていますが、タフ=メンテナンスフリーではないということです。ハイエースのメンテナンスはもちろんお近くのフレックスのハイエース店、またはカスタムパーツ専門店のハイエースベースにお任せください。
アフターパーツで燃費を向上
燃費向上グッズと呼ばれるものは、プラセボレベルのものから、実際に効果を実感できるものや数字として現れるものまで、ピンキリです。車自体のコンディションや使用状況といった前提条件が違うので、効果のレポートがあったとしても、まったくそれ通りに行くということはないと考えておくべきです。その上で試してみるくらいの感覚がいいでしょう。
燃料添加剤やエンジンオイル添加剤は効果を体感できるものがあります。もちろんエンジンオイル添加剤はオイル交換時に添加することが多いので、エンジンオイル自体も入れ替わっており、交換直前との比較はあまり意味がありません。次の交換時期まででどうか? という長いスパンで見てみることをオススメします。
また、燃費だけにフォーカスすると、節約できた燃料費よりも添加剤のほうが高いなんてこともありますので、車の健康維持やフィーリングの向上という要素も加味して考えたほうがいいでしょう。
トヨタが特許を取得しているアルミテープによる静電気の除去は、車の空気抵抗を減らす効果があり、ハイエースで燃費の向上を体感されている方が多いようです。素材も安価で、DIYでも施工が可能なので、貼る場所や貼り方を工夫してみるのもいいかもしれません。
このように、トライをして結果が出ればOK、燃費が変わらなかったら別のものを試してみるという感じで、色々と楽しんでみるくらいがオススメです。
荷物の量を加減することで燃費を向上
ハイエースのメリットは「荷物をいっぱい積むことができる」という点ですが、重さは燃費に大きく影響します。ドライバー+空荷に近い状態と、フル乗車+荷物いっぱいの状態では、車重もずいぶん違います。車検証に記載されている車両総重量は、車両重量に定員(1人当り55kg)を加えた重さです。ハイエースバンの場合は、最大積載量も加わりますので3トンを超えていきます。このことから、普段から不必要な荷物は極力積まずに、軽い状態で走行したほうが燃費がいいことがわかります。
とはいえ、「これ使うかも」「下ろすのが面倒」「家に置く場所がない」といろいろな理由で、いっぱい荷物を積んだままという人も多いのではないでしょうか? 筆者も実は…。というわけで、季節ごとに掃除を兼ねて荷室にある荷物の確認をしてみてはいかがでしょうか? 忘れていたものが見つかるかもしれません。同時に少し軽くなれば儲けものですね。
ルートを選ぶことで燃費を向上
例えば東京から名古屋まで行く場合、首都高→東名、首都高→東名→新東名、首都高→中央道と、大きく3つのルートがあります。物流で頻繁に東京・名古屋間を行き来する大型トラックは、2番目のルートを選ぶことが多いようです。なぜかというと、一番燃費がいいからです。 首都高→東名→新東名のルートは中央道経由と比較してアップダウンが少なく、車線数が多いというのがその理由で、一定の速度で走行したいトラックにとっては好都合。逆にアップダウンが多く、2車線しかない中央道経由ではアクセルを開ける頻度が増え、結果的に燃費が落ちることになります。
エンジンは負荷が少ない状態で定速で走行するのが一番燃費が良いので、あまり回転を上げ下げすることなく効率のいい回転数で走らせてあげましょう。
燃費がいいとは言えないけれどハイエースはやっぱり魅力的
こうして見てくると、ハイエースはバンもワゴンもあまり燃費がいいとは言えません。2024年1月に年次改良が行われた現行モデルの8型ですが、元を辿れば200系1型のデビューは2004年です。そこから搭載エンジンの変遷は何度かありますが、基本設計が20年前のロングラン車種であることを考えると、この燃費は頑張っている方かもしれません。そもそも同一車種で販売期間が20年を超える車種は、日本では他に例を見ないかもしれません。
少し燃費も気にしながらハイエースライフを楽しみましょう
他の車種にはないハイエースの魅力としては、やはり箱型のボディが生む汎用性の高さでしょう。人を乗せてもよし、荷物を積んでもよし、もちろん両方でもバッチリです。人と荷物を移動させるということにおいて、これほど徹底したクルマはありません。
仕事のためのクルマであることは間違いありません。商用として登録される1ナンバーと4ナンバーのハイエースは、まさにワークホースとして毎日、日本中を走って回って、我々の生活を支えてくれます。ハイエースなしでは日本経済は回らないと言っても過言ではないかもしれませんね。
そして、趣味にもたっぷり使えるのがハイエースです。荷室の広さを利用した車中泊や、バイクや自転車のトランポ、釣りやサーフィン、スキー、スノーボードといったアクティビティを趣味にしている方にも頼もしい味方になってくれます。遊び道具や趣味の用具をどーんと積み込んで、目的地まで。タフなハイエースならば安心ですね。
燃費はチリツモで、気がつくと「おっ!」という金額になっていることもあります。逆に言えば、ちょっとしたことの積み重ねで平均燃費を上げることも可能です。少しだけ燃費のことを頭に入れつつ、ハイエースライフを楽しみましょう。
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