車の分解や整備、カスタムができる認証工場とは? 指定工場との違いは? 運転支援機能付き車両が整備できる特定整備も解説
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いわゆる町の車屋さんではできないカスタムやメンテナンスも
ご自身の愛車をカスタムやメンテナンスをするときは、車屋さんにお願いする方が多いと思います。車屋さんは、そのまま自社で行うか、提携している整備工場などに作業を依頼することになります。以前はある程度重めの作業を自社で行っていても問題はなかったのですが、自動車特定整備制度が施行されたことにより、いわゆる町の車屋さんではできない作業やいじること自体ができない車両が出てきました。
分解整備の範囲が拡大して特定整備に
令和2年(2020年)4月1日に「特定整備制度(自動車特定整備)」1が施行されました。これは、従来の分解整備※に加えて、新たに自動運行装置や電子制御装置がその範囲に加わり、整備の名称を特定整備に改めるというものです。
※「分解整備」とは、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、連結装置を取り外して行う自動車の整備又は改造のことを指します(道路運送車両法第49条第2項、同施行規則第3条)。
これまでの分解整備 | 装置を取り外して行う整備または改造
・原動機 ・動力伝達装置 ・走行装置 ・操縦装置 ・制動装置 ・緩衝装置 ・連結装置 |
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拡大範囲 | ・自動運行装置(レベル3以上)
取り外しを伴わないが装置の動作に影響を及ぼす整備または改造 ・電子制御装置(カメラ、レーダー等) |
新たに加わった電子制御装置整備は次の3つです。
・前方検知用カメラ、レーダー等の取り外しまたは機能調整といった整備
・カメラやレーダーが取り付けられているバンパー、グリル、フロントガラスの脱着行為
・自動運転レベル3以上の自動車に搭載される自動運行装置の取り外しなどの整備
実際に整備を行っている事業者(工場)は導入までに人材の育成や機材などが必要になるため、経過措置として令和6年(2024年)3月31日まで猶予期間が設けられていました。先日その期間が終了したため、認証を受けていない工場では、カメラやレーダー等の電子制御装置やレベル3以上の自動運行装置が装着された車両において、取り外しをしないが装置の作動に影響を及ぼす整備または改造を行えなくなりました。
運転支援機能でセンサー類が増えた現代の車
自動車特定整備制度が導入された背景には、自動ブレーキや追従型クルーズコントロールなどの運転支援機能が装備された車両が一般化したことです。この手のシステムの標準装備化が進んだことで、近年の自動車にはカメラやセンサーなどの電子部品が一気に増えました。
自動運転や運転支援のシステムは、カメラやセンサーを使って自車と対象物との位置関係を把握しています。人間や他の車、構造物などと自車の距離が急激に近くなる動きを感知して危険と判断すれば、システムがブレーキを掛けたり、ハンドルを切ったりすることで運転に介入し、衝突エネルギーを減少させるように動作します。
スバルは、ステレオカメラを使った運転支援システム「アイサイトVer.3」を搭載した車両の追突事故発生率がわずか0.06%であったことを発表2(調査は日本国内、期間は2014〜2018年の間)しています。このような報告から運転支援装置が事故発生を低減させる効果が高いことが証明されており、国内では「2021年11月以降にデビューする国産新型モデルに対して、衝突被害軽減ブレーキの装備を義務付け(継続生産車は2025年12月以降から)」3が決定しています。
運転支援機能に必要なエーミング作業とは?
このように、衝突被害軽減ブレーキ(通称、自動ブレーキ)が義務化されたことで、整備やカスタムにも影響が出るようになりました。例えば、バンパーを外したり足回りの交換などの作業が行われることがありますが、センサーの取り付けがズレたり車高が変わってしまったりすると、センサーで感知した対象物の位置が実際と違ったり、実際の速度よりも速く(または遅く)なったりすることで、計算が狂い誤作動を起こすことも考えられます。
そのため、この手の作業にはエーミングという工程が必要になります。特にセンサー類が集中しているフロントグリルの脱着や、車高が変化する足回りの交換などを行った場合には、運転支援システムのセンサーを正確に動作させるための「校正」が必要です。これがエーミングと呼ばれる作業です。
社外品へ交換した場合はもちろん、純正品の脱着を行ってもエーミングは必須です。そのため、特定整備が可能な工場のみが、エーミングを含めた諸々の作業を行えることになります。
200系ハイエースは特定整備の対象外!?
実は、200系ハイエースは特定整備の対象車種4に入っていません。4型後期以降のモデルにはTOYOTA Safaty Sense Pが搭載されていますが、ハイエースの保安基準が1型がデビューした2004年8月とかなり昔になるので、2024年4月時点では特定整備の認証を取得していなくても分解整備やカスタムをすることはできます。ランクルでも対象になっているのはランクル300と250のみで、150プラドなどは入っていません。
しかし、比較的新しいハイエースやランクルには、自動ブレーキを含め多くの運転支援系システムが装備されるようになってきていますし、今後はエーミングなどの作業が必須となることは間違いありません。そこでフレックスでは万全の体制で作業を行うことができるように特定整備の取得を進めており、2024年6月時点で23の工場が特定作業可能な認証工場として、お客様の大切な愛車をお預かりできるようになっています。
認証工場と指定工場との違いは?
自動車の分解や整備を仕事として行うには、地方運輸局に申請をして認証を得る必要があります。申請には、作業場の規模や作業機械の有無、分解整備に従事する従業員の数など、一定の基準を満たしている必要があります。
認証工場と指定工場の明確な違いは、前者は車検のための分解整備と代行業務を行うのに対して、後者は分解整備に加えて車検を行うことができます。
「認証工場」とは地方運輸局に認証された工場
認証工場は、国土交通省が所管する各陸運支局から「自動車の分解や整備を行っていい」という認証を得た工場のことを指します。認証を得るには、整備主任者(2級整備士以上)がいること、従業員数に対して4分の1以上の整備士の割合を確保すること、扱う車両の大きさに応じた工場面積と車両置場を確保すること、点検設備機器を保有することなどの条件があります。
認証を取得した工場には、地方運輸局名と認証番号が入った認証整備工場(自動車分解整備事業者)という看板が見やすいところに掲示されています。
認証工場でできることとできないこと
認証工場では車両の分解整備が可能です。分解整備とは、自動車のエンジンやトランスミッション、ドライブシャフト、ステアリング、ブレーキなどを取り外して行う整備または改造のことを指します。つまり、サスペンションやブレーキパッドの交換などを行えるのが認証工場ということです。
認証工場は自動車検査の設備を持たず、検査を行う自動車検査員はいませんが、車検の検査代行業務を行うことができます。認証工場に車検を依頼した場合は、車検に適合させるための分解整備を行い、その後陸運支局や車検場(民間車検場)に車両を持ち込んで検査を受けることになります。
指定工場とは?
自動車の分解と整備が可能な工場として、認証工場以外では指定工場があります。
指定工場は、自動車検査が行える自動車検査員が1名以上いることが前提になっています。そのうえで、従業員が5名以上、1級または2級整備士資格を保有しているスタッフが最低1名以上、さらに従業員数が多い場合はその3分の1以上が1〜3級整備士資格を有していることなどが挙げられます。
また、分解整備に必要な設備の他、自動車検査の設備も必要になるなど、人的にも設備的にもハードルが高くなっています。
指定工場でも車検証は発行できません
指定工場は陸運支局に代わって車検を行うことができるので、民間車検場とも言われていますが、車検証を発行することはできません。検査ラインで車両を検査し、合格したことを示す書類を陸運支局に持ち込むことで、車検証を発行することができます。
なお、自動車検査員は道路運送車両法で定められた基準に合致しているか否かの検査を国に代わって行うため、いわゆるみなし公務員に当たります。みなし公務員とは、本来国が行う業務を代行している民間の人のことを指します。公務員ではありませんが、守秘義務があったり、刑罰等は公務員と同等の扱いを受けます。
ランクルやハイエースの整備や車検、カスタムはフレックスにお任せください
フレックスでは、お客様の大切な愛車をお預かりして的確な作業を行うため、すべての工場が認定工場となっており、指定工場も1か所ございます。フレックスの工場では2級以上の整備士資格をもったメカニックが常駐しているので、通常の作業に加えて特定認証となった範囲の分解整備やカスタムの作業を行うことができます。
また、車検についても数多くのランクルやハイエースを整備してきたノウハウから、年数や走行距離、使用状況などに応じた整備や部品の交換を行っています。末永く安心して愛車にお乗りいただけるように、お客様のランクルライフ・ハイエースライフが充実するように、整備やカスタムを行っております。
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