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【最新版】トヨタ ハイエース200系のディーゼルエンジンの変遷

ハイエースの記事|,,,,,,

  • 投稿日:2015/11/25
  • 更新日:2024/7/31
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200系のディーゼルエンジンは頻繁に変更されています

5代目ハイエースとなるハイエース200系は15年ぶりにフルモデルチェンジされ、2004年8月に登場しました。ハイエース200系のうち、バンとコミューターにはディーゼル車が設定されています。
先代のハイエース100系に搭載されていた3.0リッター直4ノンターボディーゼルエンジンである5L型から、2.5リッターコモンレール式ディーゼルターボエンジン(2KD-FTV)に変更。その後のマイナーチェンジでさらにパワフルな3.0リッターコモンレール式ディーゼルターボ(1KD-FTV)へと進化してきました。
そして2017年11月の200系4型後期(4.5型)からは、2.8リッター直4ディーゼルターボエンジンである1GD-FTV型を搭載して、現行モデルの7型に至っています。 ハイエース200系のディーゼルエンジンの進化の過程は、排気ガス規制対策の歴史でもあります。ここではハイエース200系に搭載されたディーゼルエンジンの移り変わりを見てみましょう。

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2004年に復活した2.5Lディーゼルターボエンジン

2KD-FTV型ディーゼルターボ

ハイエース200系のバンとコミューターに搭載されたディーゼルエンジンは、2,494cc直4・DOHCの電子制御コモンレール式で、最高出力80kW(109PS)/3,400rpm、最大トルク260Nm(26.5kgm)/1,600-2,600rpmを発生する2KD-FTV型です。
2002年10月に施行された自動車Nox・PM法施行によって特定地域内での登録ができなくなっていたディーゼル車ですが、平成15年新短期規制、東京都ディーゼル車規制、そして自動車NOx・PM法に適合するこの2KD-FTV型によって復活しました。
先代のハイエース100系に搭載されていた5L型ディーゼル(3.0リッターNAディーゼル)より排気量は小さく、クリーンでパワフルな新世代ディーゼルとして注目を浴びた2KD-FTV型エンジンですが、やがて強化される排気ガス規制への対応が迫られ、3年後のマイナーチェンジでは次世代のディーゼルへとバトンタッチすることになります。

2型から3Lディーゼルターボエンジンを搭載

1KD-FTV型ディーゼルターボ

2007年8月のマイナーチェンジで2型となったハイエース200系のディーゼルエンジンには1KD-FTV型が搭載されました。それまでの2KD-FTV型と同じく、電子制御コモンレール式筒内直接噴射のディーゼルターボですが、排気量は2,494ccから2,982ccに拡大され、最高出力100kW(136ps)/3,400rpm、最大トルクは300Nm(30.6kgm)/1,200-2,400rpmとパワー/トルクとも大幅にアップしました。
特に最大トルクがより低い回転数から発生し、その範囲も拡がったことで、発進加速性能が格段に向上。扱いやすくなったことが高く評価されました。
この1KD-FTV型は2KD-FTV型よりも先に開発されており、ランドクルーザープラド(90系と120系)やハイラックスサーフ(185系と215系)等に搭載されていたエンジンで、これにDPR等の排気ガス浄化装置を付加したものがハイエースに搭載されたのです。

1KD-FTV型は2010年7月に大幅に改良

2010年7月に2度目のマイナーチェンジが行われ、ハイエース200系は3型となります。ここで1KD-FTV型に大幅な改良および変更が加えられ、「平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制」に適合となりました。
燃料噴射圧力の高圧化、ターボチャージャーの小型化等、多岐にわたる改良によって、最高出力は106kW(144ps)/3,400rpmにアップ。最大トルクは改良前と同スペックながらその発生回転域を1,200-3,200rpmへ拡大しました。この他にも、フューエルインジェクターにピエゾ式を新採用した他、バルブタイミング変更などの改良によって、メカニカルノイズの低減や燃費向上が実現。新しい1KD-FTV型ディーゼルターボはさらに高い評価を得ることになりました。

4型後期からは2.8Lターボディーゼルを搭載

1GD-FTV型ディーゼルターボ

2017年11月のマイナーチェンジで、ハイエース200系は4型後期(4.5型、5型とも)となりました。このタイミングでディーゼルエンジンは1GD-FTV型へと変更されています。

この1GD-FTV型は、排気量が2,754ccへと縮小していますが、最高出力は111kW(151ps)/3,600rpmへと向上しています。最大トルクは300Nm(30.6kgf・m)と数値上は変わらないものの、発生する回転域は1,000〜3,400rpmとより低回転かつ幅広くなりました。

1GD-FTV 2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボ システム図

ちなみにこの1GD-FTV型は、ランドクルーザープラド150に搭載されているものと同じエンジン型式ですが、最高出力/最大トルクともに大幅にダウン(プラド:177ps/45.9kgf・m)しています。これは駆動系の耐久性を重視したことが大きな理由で、積載等で負荷の高いハイエースの使用条件に即したチューニングになっていると言えるでしょう。

燃費向上でエコカー減税の対象車に

2022年4月のマイナーチェンジで、ハイエース200系は現行モデルの7型となりました。このタイミングで1GD-FTV型は燃費が最大1.2km/L向上し、WLTCモードで12.5km/Lとなりました。これは平成27年度燃費基準+15%達成車として適合させるためで、この改良によりエコカー減税の対象車になっています。
同時にアドブルー(尿素SCRシステムで使用する還元剤)のタンクの大型化により補充間隔が伸びたり、残量表示機能が追加されるなど、ディーゼルモデルのオーナーにとっては歓迎できる改良が施されました。
>>2022年4月改良の現行モデル7型の詳細記事はこちら

ハイエースはディーゼルエンジンの組み合わせは継続!?

ハイエースは、その用途が人や荷物を運ぶということに向けられています。そのため、低いエンジン回転数から太いトルクが発生し、幅広い回転域に渡って最大トルクが発生し続けるようなチューニングが向いています。ガソリンエンジンとは違い、ディーゼルエンジンは高回転まで回さなくても出力が得られるという特性を持っているので、ハイエースととても相性がいいのです。
海外で発表されているハイエース300系ですが、こちらにも2.8Lターボディーゼル(1GD-FTV型)が搭載されています。日本導入がどうなるかは未だに不明ですが、ディーゼルエンジンは搭載される可能性が高いでしょう。

ハイエース200系搭載の歴代ディーゼルエンジン一覧

改良日 エンジン型式 排気量 最大出力/rpm 最大トルク/rpm 燃費 グレード
1型 2004年8月〜 2KD-FTV 2,494cc 109ps/3,400rpm 260Nm(26.5kg・m)/1,600-2,600rpm 17.1km/L(60km/h定地走行燃費) 2.5 DX ロング ディーゼルターボ
2型 2007年8月〜 1KD-FTV 2,982cc 136ps/3,400rpm 300Nm(30.6kg・m)/1,200-2,400rpm 12.8km/L(10・15モード燃費) 3.0 DX ロング ディーゼルターボ
3型 2010年7月〜 1KD-FTV 2,982cc 144ps/3,400rpm 300Nm(30.6kg・m)/1,200-3,200rpm 14.0km/L(JC08モード燃費) 3.0 DX ロング ディーゼルターボ
4型後期 2017年11月〜 1GD-FTV 2,754cc 151ps/3,600rpm 300Nm(30.6kg・m)/1,000-3,400rpm 13.0km/L(JC08モード燃費) 2.8 DX ロング ディーゼルターボ
7型 2022年4月〜 1GD-FTV 2,754cc 151ps/3,600rpm 300Nm(30.6kg・m)/1,000-3,400rpm 12.4km/L(WLTCモード燃費) 2.8 DX ロング ディーゼルターボ
8型 2024年1月〜 1GD-FTV 2,754cc 151ps/3,600rpm 300Nm(30.6kg・m)/1,000-3,400rpm 12.4km/L(WLTCモード燃費) 2.8 DX ロング ディーゼルターボ

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執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。

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