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ハイエースの車検費用はいくら? 車検代を安く抑えるポイントをプロが解説

ハイエース車検

ハイエースの車検費用の相場について

お仕事仕様やレジャー目的でハイエースを手に入れようと思っているユーザーも多いと思いますが、今回取り上げるのはお金にまつわるお話し。なかでもランニングコストとして気になる車検費用について。乗用車の車検については経験あるのである程度の予算感は知っていても、ハイエースのように4ナンバー/1ナンバー貨物の車検についてはあまり知識が無いという人も多いでしょう。そこであらためて“実際のところ車検にはいくらぐらいかかるの?”について紹介して行きます。

費用にはどんなものがある?

ハイエースだけではありませんが、車検時にかかる費用は大きく分けて2種類。ひとつは「法定費用」と呼ばれる税金や自賠責保険料など車検時に必ず必要になる費用。もうひとつは車検を実施する際に必要になる「車検基本料」などと呼ばれる車検を実施するお店に支払うことになる工賃&サービス料です。

車検費用法定費用
(一定)
自動車重量税
自賠責保険料
車検基本料
(店舗により金額差あり)
車検点検料等
検査料
代行手数料
その他

法定費用としては車検時には自動車重量税と、自賠責保険料が必要になります(車検時とは別に毎年の税金としては自動車税が別途必要)。一方、車検基本料は点検や車検を実施するディーラーや車検業者などに支払ういわゆるサービス料です。法定費用はどこで車検を受けても同額ですが、車検基本料についてはショップごとに金額の設定が異なります。

車検費用に差が出る理由とは?

2年または1年(貨物車の場合は1年車検になる)ごとにやって来る車検。費用を少しでも抑えたいのは誰もが思うことでしょう。しかし車検費用がショップごとに異なるのはなぜなのでしょう? 先にも紹介した通り法定費用はどこで車検を受けても同じく必要になります。極端な話としてはユーザー車検を受けたとしても、重量税や自賠責保険料は同額が必要です。

では車検費用の総額が異なるのはなぜなのでしょうか? それは車検基本料(ショップによって呼び方は違いますが、いわゆるショップが受け取る車検の工賃&手数料のこと)が異なるからです。また点検料や機器使用料、検査料、代行手数料などの名目でいくつかの費用が必要になる車検業者もあるので、法定費用を含めた総額で計算すると差が出ることになります。

自動車ディーラー、車検専門店、クルマを購入したショップ、カー用品店、ガソリンスタンドなど車検を頼むことができるショップの選択肢はいろいろとありますが、車検時に支払う総額で比較するとその違いがわかりやすくなるでしょう。

とは言っても一体どの程度の費用が必要なのか。そこで具体的にハイエースの車検費用に絞って、どの程度費用がかかるのかを概算で紹介してみることにしました。ただしハイエースは貨物、乗用に加えて貨物にも1ナンバー/4ナンバーがラインアップされているので、それぞれの車検時の費用が異なります。一概に“ハイエースの車検費用は○○円”とは言えないので、それぞれ順を追って紹介していきましょう。

ハイエースのナンバー別車検期間

まずは具体的の費用の前に知っておきたいのが車検期間です。ハイエースの貨物車(1ナンバー/4ナンバー)と乗用車(3ナンバー)では車検期間が異なるという大前提を知っておきましょう。

ナンバー登録種別初回車検それ以降
1ナンバー貨物車登録2年1年
4ナンバー
3ナンバー乗用車登録3年2年

貨物車は初回の車検期間は2年でその後は1年ごとの車検になります。一方の乗用車は初回3年、継続車検は期間が2年となっています。

ハイエースの場合は、バンモデルであるDXには標準ボディの4ナンバーとワイドボディ(スーパーロング)の1ナンバー、さらにスーパーGLにも標準ボディ(4ナンバー)、ワイドボディ(1ナンバー)があるのでお間違いなく。ワゴンモデルはいずれもワイドボディでグランドキャビンやワゴンGLなど、いずれも3ナンバーとなります。

ハイエースのナンバー別車検概算費用

概算では法定費用の合計は3ナンバー(グランドキャビンやワゴンGLなど)で15~16万円(2年間)、4ナンバー(バンの標準ボディなど)は8万500円~9万3000円程度、さらに1ナンバー(バンのワイドボディなど)は10万円程度です。

ここに法定費用以外の車検基本料金や検査料などを加えた金額が車検時の支払総額になります。

ナンバー登録種別グレード車検費用
法定費用車検基本料
1ナンバー貨物車登録バン ワイドボディ等約10万円店舗により
金額差あり
4ナンバーバン 標準ボディ等8万500円〜
9万3000円
3ナンバー乗用車登録グランドキャビン
ワゴンGL等
15万〜
16万円

※貨物車(1ナンバー/4ナンバー)の場合は1年車検になるので上記の総額の半分をその都度分けて支払うことになります。3ナンバーとの比較しやすいように、ここでは2年間の法定費用を合計しています。

ハイエースの車検費用

ではここからはより具体的にハイエースの車検費用についてそれぞれのモデルごとに紹介して行くことにしましょう。

ハイエース200系の3ナンバー・1ナンバー・4ナンバーの維持費の比較

3ナンバーワゴンの維持費(2年間で掛かる法定費用)

まずは3ナンバー登録となるワゴンモデルについて。

車検は2年ごと、先に紹介した自賠責保険料、重量税が法定費用として必要になります(他に車検基本料が必要。費用の設定はショップごと異なる)。

車検時に必要な重量税は、3ナンバーの場合には3万2800円~4万1000円。装備などによって異なるので愛車の状態を確認して費用はあらかじめチェックしておきましょう。

加えて自賠責保険料は2万10円(2年間)を車検時に支払うことになります。

その他にも検査時の印紙代などが若干加わることになります。

さらに車検費用ではないものの、次の車検時までにかかる法定費用としては毎年4月1日時点でクルマを所有しているユーザーにかかる自動車税があります。

こちらは3ナンバーワゴンの場合には5万円(1年間)が必要。2年間の車検期間を想定するなら5万円×2=10万円が必要になる計算です。

1ナンバーバンの維持費(2年間で掛かる法定費用)

次は貨物車の中でもワイドボディやスーパーロングなどの1ナンバー車に関する法定費用について。

車検時に必要な重量税は、1ナンバー車の場合は1万6400円(スーパーGLの場合を想定)。貨物車は1年車検なので2年間の費用として計算すると1万6400円×2=3万2800円が必要です。

また自賠責保険料は1万9120円(12カ月)となります。

さらに1ナンバー車も先に紹介した3ナンバー車同様に4月1日時点でクルマを所有しているユーザーに対して自動車税が掛かります。これは年間1万6000円~。

これらの金額を総合すると3ナンバーよりは割安になっているのがわかると思います。ただし車検は2年間で2回受けることになるので車検業者への車検基本料の支払いは×2になることも忘れず。

4ナンバーバンの維持費(2年間で掛かる法定費用)

最後に標準ボディのスーパーGLやDXなどの4ナンバー車の法定費用です。

重量税は1万2300円~1万6400円、自賠責保険料は1万4280円(12カ月)となっています。

また車検とは別に毎年かかってくる自動車税は1万6000円です。

これらの法定費用を合計するとわかりますが、4ナンバーは法定費用面で、もっともお得になっています。ただし1ナンバー同様、毎年車検なので車検時の基本料金や整備費用などを鑑みると額面通りの割安感ではないことも知っておきましょう。

お得に車検を受けるための3つのポイント

ここまでは車検の法定費用を中心に説明してきましたが、車検費用を少しでもリーズナブルに抑えるためには、先にも説明したとおり車検基本料などと呼ばれる車検業者に支払う価格を比較することが重要です。

まずは自宅周辺の車検専門店や自動車整備工場、ディーラー、カーショップ、ガソリンスタンドなどを検索して、車検サービスを実施している場合にはその費用をチェックすると良いでしょう。法定費用は上でも紹介した通りどこでも同額なので、あくまでも比較するのは車検基本料や点検整備費、検査費用などと呼ばれる車検に関わる工賃&サービス料。ショップごとに価格差があるのでチェックが必要です。

またWeb割引や早期割引など割引制度などを活用できるケースもあるので、最終的な支払額で比較するのも重要ですね。

各業者ごとのメリットとデメリットを考える

話は前後してしまいますが、愛車を車検に出すにはいくつかの選択肢があります。クルマを買ったショップに加えて、自動車ディーラー、車検専門店、整備工場、さらにはガソリンスタンドなど。このあたりが身近にある車検を取り扱っているショップでしょう。どのショップも一長一短があるので自分にピッタリのショップを見つけて車検を実施しましょう。

自動車ディーラーで受ける車検のメリットとデメリット

もっとも安心感が高いのが自動車ディーラーでの車検です。トヨタ車ならトヨタのディーラーにクルマを出すことになりますが、自社のクルマなのでメカニックも扱いに慣れていることがメリットの一点。万が一不具合などが見つかってもディーラーなので修理&メンテナンスまでを含めて対応可能なので、「丸ごとお任せ」というユーザーにはわかりやすく任せやすいと思います。
一方車検費用に関してはやや高めの設定になっているのが一般的です。

ガソリンスタンドで受ける車検のメリットとデメリット

一方、いつもガソリンを入れているガソリンスタンドでも「車検受付中」のポスターを見たことがあると思います。近年は多くの店舗で車検を受け付けているので検討してみても良いのではないでしょうか。

費用面では比較的リーズナブルで、給油のついでに相談できる気軽さもガソリンスタンドの良いところです。

一方ガソリンスタンドには車検に対応した工場が併設されているわけではないので、提携先の整備工場などにクルマが移送される関係上、車検完了までの時間が若干かかる傾向にあるのがデメリットと言えるでしょう。またメカニックと直に話をするわけではないので整備の質という面で気になるという人もいるでしょう。

車検専門店で受ける車検のメリットとデメリット

さらに車検専門店も選択肢のひとつです。近年は町の整備工場なども車検専門店の看板を掲げているところがあります。

メリットはズバリ価格面です。割引なども豊富で総額の支払いを抑えたいユーザーには願ってもない選択肢。1時間程度のスピード車検が設定されている場合もあり、車検を手軽に終わらせたいユーザーにも魅力的です。

しかし車検時に見つかった不具合などはその場で直せない場合もあり、後日パーツを調達して整備を実施することもあります。また格安だけに予防的にパーツを交換することは少なく、必要最小限の整備に抑えることもあるため、定期的に整備を実施していないユーザーには次の車検までに別途費用が発生する可能性もあります。

車検をリーズナブルに済ませるもう一つのポイント

大切なのは日頃からのメンテナンス

このように車検の業者を選ぶのもポイントですが、車検をリーズナブルに済ませるもうひとつの重要項目は日頃のメンテナンスです。

消耗部品も交換や定期的なオイル交換など、クルマを長持ちさせるためのメンテナンスは数多くあります。普段からこれらをしっかりとこなしておけば、車検時は点検だけでパーツ交換や整備が発生しないことも考えられます。逆に日常メンテナンスを怠っていると車検時の点検で不具合が発見され、修理やパーツ交換が発生することも。

消耗品のチェックもお忘れなく

また消耗品のチェックも事前にしておきたいものです。例えばタイヤが規定値以上に減っていると車検はパスしません。この状態で車検にも持ち込むと当然タイヤ交換が必要になります。この時点では車検をパスすることが先決となってしまい、好きな銘柄のタイヤ銘柄を選んだりリーズナブルなモデルを探すといった余裕もありませんね。最小限の車検費用に抑えるためにも日頃&事前のメンテナンスは欠かさないようにするのが得策です。

ユーザー車検を検討する

ウェブで検索すると「ユーザー車検を受けてきました」とか「ユーザー車検で費用を抑えられました」といったブログなどが見つけられるかと思います。

ユーザー車検のメリットは、自分で車検場に車を持ち込み、印紙代などを支払って車両の検査を受けることになるので、代行の手数料分は浮くことになります。車検に受かる程度の整備が自分で行えるという人なら、それほど高いハードルではありません。

いっぽうデメリットとしては、書類を揃えて車検場に行っても、車の不備(オイル漏れやブーツ切れ、警告灯の点灯など)で追加の整備作業が必要になってしまうことです。また、年数が経過した車両はヘッドライトや光量不足や光軸調整不良などで落ちやすいようです。最初から業者に依頼したほうが、結局は手間もお金もかからなかったなんて話もよく耳にします。

いずれにせよ、比較的新しい車両や、日頃の整備をしっかり行っている車両、さらに慣れている人であれば、検討してもいい車検の方法です。

専門店であるフレックスでの車検は?

ハイエース専門店だからワンストップでOK

車検のあれやこれやを考えた時、頼りになる具体的なショップのひとつがフレックスです。クルマ販売やカスタムなどを得意としているフレックスですが、もちろん車検も手掛けています。フレックスでクルマを購入したら、まずはフレックスの店舗に車検の相談をするというのがいいでしょう。もちろんフレックス以外のお店で購入したクルマでも、車検はもちろんメンテナンスもバッチリです。

フレックスのハイエース店であれば、ハイエースのことを知り尽くしているスタッフが揃っています。車両の状態やメンテナンスのポイントも熟知しているため、任せて安心です。もちろんアフターパーツの知識も豊富なので、車検と同時にパーツ交換やカスタムを実施する場合にも頼りになりますね。

車検とカスタムを同時にこなしてくれる総合ショップなので、何度もいろいろなショップに通う必要はありません。そういった点でもフレックスの車検はオススメです。

カスタム派ユーザーにお得な車検のヒントはこれ

最後にカスタム&ドレスアップ派のユーザーにお得な車検のヒントを紹介しておきましょう。

キーワードは「構造変更」です。一定以上の車高や車幅の変更や、ヘビーなカスタムで構造変更が必要になった場合、車検は絶好のタイミングです。その理由は構造変更を実施するといったん車検が切れることになるからです。クルマが車検期間中であっても、構造変更を受けるとその時点で再度車検を受けてその日を起点にして車検期間を新たにリセットすることになります。

しかし車検時に同時に構造変更を実施すれば従来通りの車検タイミングを継続することができるので、期間を無駄にすることがありません。構造変更を伴うカスタムを考えているユーザーなら、次の車検時まで待って一気にカスタムを実施するのが得策でしょう。この構造変更については、別の記事で紹介しようと思います。

賢く車検をこなして安心で快適なハイエース生活を楽しみましょう

1年/2年の周期で必ずやって来る車検。ランニングコストの中でも比較的大きな出費となるのが車検というイベントなので、納得の整備内容と車検費用で乗り切りたいものです。そのためにはここまで紹介したような車検業者選びや費用の確認は必須事項となります。賢く車検をクリアして、これからも安心で快適なハイエース生活を楽しみましょう。

執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。