ワンダーという名前
子どもたちをびっくりさせたくて、新しい車で家に帰ってみた。
第一声は思いもよらないものだった。
「え、あの車は?」
「もう二度と会えないの?」
ぴかぴかの新車にはしゃぐどころか、
むしろしょげてる姿を見てハッとした。
いつのまにか自分は、車が人に与えてくれるものを、
見過ごしていたのかもしれない。
車自体に価値があるんじゃなくて、
車がもたらしてくれる時間や景色にこそ
価値があるということを。
人は、新しい車にわくわくするのではなくて、
車が連れて行ってくれる新しい世界にわくわくするもの。
このワンダーという名前には、そんな思いが込められています。