【Vol.91】ニュージーランドへ、愛を届ける

ググる（インターネットで調べる）」という行為は、愛だと思っている。 これは、好きなことや興味を持ったことは何でも徹底的に調べすぎてドン引きされる、という経験を重ねてきた私が出した結論だ。決してストーカーではない。秘めたストーカーの才能があるというだけの話だ。どうか誤解しないで、私が語る「愛」について、読み進めていただきたい。

GODZONEフルコースを調べ尽くす、味わい尽くす

ニュージーランドのアドベンチャーレース「GODZONE」に出場しない私は、1人のイーストウインドを愛する者として、1人のイーストウインドを応援する者として、レースに関わることを決めた。私は、イーストウインドが参戦するGODZONEの情報を調べて、調べて、調べた。コース、ライバルチーム、過去のレース結果などなど。幸運なことに、GODZONEの公式サイトには多くの情報が公開されていたので、不運なことに、私の秘めたストーカーの才能が引き出されてしまった。レースがスタートしてからは、おはようからおやすみまで、暮らしを見つめるライオンちゃんと張り合うように、レース戦況を見つめる日々。まいにち、鬼ストーカー。ターゲットを決めたらブレるな！

全12ステージからなるGODZONEのコースは、言わばフルコースのごちそうだった。 ステージ1の前菜は、27kmのMTB。ステージ2のスープは、39kmのパックラフト。ステージ3は魚料理で、32kmのトレッキング。ステージ4〜5は口直しに27kmのパックラフトと24kmのMTBを挟み、ステージ6では肉料理として、73kmのトレッキング&パックラフトが用意されている。ステージ6のコース上にある「チームの決断によって進むルートが大きく変わる」チェックポイントは、牛と豚どちらがいい？と聞かれるようなスペシャルプリフィックスメニューだ！ここまで食して、やっとフルコースの折り返しに入る。その後も贅沢なコース料理を食べ続け、最終ステージでコーヒーと小菓子という名の15kmの砂浜ラン&スイムを行い、満腹のゴールとなる。 選手や観戦者を全く飽きさせない素晴らしいコース設定、そして公式サイトで公開・更新される詳細なレース情報や最新ニュース。次々と運ばれてくるGODZONE情報を私は夢中になって味わった。生で食べられない「英語」の情報は、翻訳ツールを使って「日本語」に加熱し、全て残さず美味しくいただいた。GODZONEは、鬼ストーカーと化した私に十分すぎるほどの愛のカケラを提供してくれた。

世界一の、愛のバクダン

調べ尽くしたい欲望のままに、GODZONE公式サイトの情報を漁っていると、チームへのメッセージを書き込める掲示板が目にとまった。掲示板には、こんな説明が書いてあった。

Note: they may not read it until after the race but they love to recieve the love.
注：レースが終わるまで読まないかもしれませんが、彼らは愛を受け取るのが大好きです。

この掲示板からイーストウインド宛に愛を送れるらしい。みんな！イーストウインドに愛を分けてくれ！！！ そう思った瞬間、私はSNSで「みんなで掲示板にメッセージを書き込もうよ！」と発信していた。昼夜を問わず、日を追うごとに、どんどん増えていく愛のメッセージ。愛が集まって愛玉となり、愛のバクダンとなっていく。掲示板に集まった愛のバクダンが爆発するとき、イーストウインドは感動のゴールを迎える。
レース後に気になって、掲示板に書き込まれたメッセージ数を数えてみた。 レースをぶっちぎりで優勝した AVAYA に向けられたメッセージは、68件。 2位でゴールした NO IDEA 宛のメッセージは、76件。 17位でゴールしたイーストウインドへのメッセージ、なんと、112件。 メッセージ数は、イーストウインドがぶっちぎりの優勝。 イーストウインドは、今年のGODZONEで世界一愛されたチームだった。

舞台はニュージーランドからカナダへ

選手が睡眠を削り、ボロボロになりながらゴールを目指している時、応援する私たちも睡眠を削り、PCやスマホの画面に張り付き、応援する者同士で声を掛け合い、同じ気持ちでゴールを目指していた。私たちは、選手と一緒に戦っていた。 GODZONEに参戦するイーストウインドのメンバーは6人しかいない。でもイーストウインドに関わる人やイーストウインドを応援する人、全員含めて「イーストウインド」だ。全員の力で届いたゴールは、愛のカタチだった。 イーストウインドが次に挑戦するレースは、5月にカナダで開催されるCanada Expedition。選手は全力を尽くしてゴールを目指す。そして、私たちはイーストウインドを世界一の愛で支える。次も最高のレースになると確信している。
5月はカナダへ、愛を届けよう。