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2022.1.26

62-1

【Vol.62】小さな手で大きな夢を

2022.1.26

連載:Renoca Adventure

目に入れたいほど可愛い

以前勤めていた会社の上司がよく言っていました。
「自分の子供は可愛いぞぉ。目に入れても痛ないわ」
二十歳前後だった私には何のことかよくわかりませんでした。でも今の私にはよくわかります。
自分の子供は世界一可愛い!
冒頭からバカ親ぶり全開ですが、今回お話ししたいのは自分の子供の話のことではありません。私の兄の娘、姪っ子の話です。 私の娘の出生時の体重は3775gでしたが、私の兄の娘、姪っ子は492gで産まれてきました。

産まれてすぐ生死を彷徨う

姪は、義姉が妊娠6ヶ月の時に産まれてきました。
義姉が妊娠高血圧を発症し、このままではお腹の子供はどころか、母体までも最悪の事態になりかねない状態でした。
一刻の猶予も許されない状況で、子供を母体から取り出す帝王切開手術を行いました。
無事に出てきた赤ちゃんは手の平に乗せられるほどの小さな体でした。産まれてすぐ保温のためにラップを巻かれ保育機の中へ。その時の写真を見ましたが、辛くてまともに直視することができませんでした。
ただ唯一の望みは、内臓機能や呼吸器系の機能がまだ完成していない体で、それでも小さく力強く呼吸をしていた事です。
この子は絶対に大丈夫だと。僕達は確信しました。

小さな命が大きな勇気を

その後の姪は、現代医学の進歩が手助けしてくれたことに加え、彼女もまた「生きたい」という強い気持ちで小さな呼吸を続けました。
長い保育機の中での生活が終わったときには、生まれた時の10倍の体重になっていました。
人生にはいろんな困難があります。彼女はこの世に生を授かったすぐに、困難が待ち受けていました。その困難を500gにも満たない小さな体で乗り越えてみせたのです。
小さな命がたくさんの大人に大きな勇気を与えてくれました。
君は産まれてすぐ、大人の僕がまだ成し得てない事を成し遂げました。
君だったらきっと何でもできる。その小さな手で大きな夢と希望を掴み取ってください。

小倉 徹さん

著者:小倉 徹TOORU OGURA

通称テツ。令和元年度よりトレーニング生となる。学生時代はラグビーに励む。イーストウインドに来るまでは、電鉄会社の写真で運転手。アウトドアや陸上の経験はほとんどない中で新しい世界にチャレンジする姿勢は、まさにアドベンチャーレーサーにふさわしい。現在、カッパクラブでリバー技術を取得中。