ナビゲーション(地図読み)は、安全管理のひとつ!
トレーニング生のキラリンこと、安田光輝が主宰する「春日井ナビゲーショントレーニング」に行ってきた。場所は愛知県春日井市。今年で2回目。
山岳読図スキル向上のための講習会および練習会で、ビギナーとレギュラーの2クラスがあり、それぞれオリエンテーリング形式でコースを回った後に、解説を聞く1dayのプログラムだ。
ビギナークラスの解説は、愛知県の有力オリエンテーリング競技者の方々が行い、レギュラークラスの解説は僕が担当をさせてもらった。参加された方々は皆意欲的で、学ぼうとする熱意が伝わる、とても良いトレーニング会だったと思う。
僕もナビゲーション(地図読み)講習会を何度か開催している。これはアドベンチャーレースの普及のためだけではなく、トレイルランや登山を楽しむ人への安全管理のひとつとして身につけるべきだと強く感じているからだ。
増えている遭難発生件数
ちなみに平成30年度警察庁発表の山岳遭難は、
発生件数 2661件
○遭難者 3129人
○死者・行方不明者 342人
○負傷者 1201人
○無事救助 1586人
発生件数、遭難者数においては統計史上最高とのことだ。スマホやGPSが普及しているこの時代だというのに、なぜこういったことが起きるのか。
電子機器も、人間の感覚もあてにならない
電子機器は、場所によって電波が届かなかったり、電池が切れてしまったりする恐れもある。もしもの時、頼りにしていた端末が使えなくなった場合、残るはアナログの地図とコンパスとナビゲーションスキルが命の綱となる。
山では何が起きるか分からない。天候が急変して視界が悪くなることもあるし、道迷いに気が付いて引き戻っているつもりが、いつの間にか違う方向に進んでいることもある。
地形的な特徴が少ない場所で闇雲に動き回ってしまうと方向感覚が無くなってしまう。人間の感覚は状況や疲労度でブレが大きく、感覚的にどの方向に進んだとか、何メートル進んだなどは、まったくあてにならないと考えたほうがいい。
山を楽しむために
だからこそ山に入るなら、まずは地図を読む力を身につけて欲しい。自然の特徴と怖さを知り、それに対する応力を身につけておくことで、自然の中で遊ぶことがより楽しくなるのだ。
もっと山を楽しく歩いたり走ったりするためにも、大きな事故にならないためにも、そして大切な人を悲しませないためにも、今後もナビゲーション講習会の開催は継続していくつもりだ。