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2022.11.2

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【Vol.81】リタイアの真相

2022.11.2

連載:Renoca Adventure

2023年9月のパラグアイ。アドベンチャーレースの世界選手権において、僕はレースをリタイアしました。前回のブログにてリタイアの大まかな内容は読者の皆様には伝わっていることと思いますので、僕の視点から見た出来事を書こうと思います。 レース開始から1時間半で体の以上に気付きました。呼吸が浅く、とにかく暑い。動きを止めると、ガタガタ震える。体温が維持できない。この時点で本気でまずい状況だと感じました。何とか進むも食事はおろか水も吐き出してしまう。山を下り、麓の集落につく頃には、力なく意識も朦朧とし、喉が詰まって話すことができなくなってきていました。そこで僕は完全に動けなくなり、チームの判断によりリタイアとなりました。

フィニッシュライン

気付いた時にはある民家の一室で寝ていました。そこに運ばれた記憶はなく、メンバーの3人は少し休んだ後にレースを続行する為先に進み、僕はメディアチームの宮内さんと共に地元の病院へ。血液検査をして点滴を2本打ち、現状の診断では脱水症状があることしかわからないと言われました。とにかくチームと合流すべく1人、カヤックのゴール地点に先回り。このあと2晩食事ができませんでしたが、現地のマテ茶で生き延びました。 3人の姿を見たときはホッとしました。チームを見送ったあとは、しばらくその場に残り、全チームを見送った後、フィニッシュラインに移動してチームに再合流しました。ここまでが、レースの裏での僕の動きです。

今大会は僕にとって非常に得るものが多く、貴重でした。上位から最下位のチームを観察することができ、多くの学びと共に全レーサーへのリスペクトを得ました。また、自分が一番弱い立場に置かれることで、今まで以上にチーム力を肌で感じました。皆、状況を良くしようともがき続けてくれました。本当にありがとう。何回出ても新しい発見がある。だからこそアドベンチャーレースはいいなと心から思えます。この発見がある限り僕はレーサーでいれると思っています。次のレースに向けてチームは動き出しています。僕も力を貯めて、メンバーの為にレースに出たい。何ができるのか。それが楽しみなんです。

アドベンチャーレース
米元 瑛さん

著者:米元 瑛YONEMOTO AKIRA

通称ヨネ。幼少期から登山を始め、大学時代は探検部でラフティングに没頭。子どもの頃に観たアドベンチャーレースに憧れ、イーストウインドのトレーニング生となる。明るい性格と若い力でチームを盛り上げる。現在はカッパクラブでリバー技術を学びながら、世界レースの舞台でナンバーワンになるための修練に日々励む。