若手育成が目的の挑戦
いよいよアドベンチャーレース世界選手権EXPEDICIÓN GUARANÍが始まる。今年の開催地はパラグアイ。海外レースを多数経験する正人も未踏の地である。チームの経験上、南米は行き難くてトラブルも多いが、人は良い。パラグアイは比較的治安が良いと言われているが、人によっては水が合わないこともある。 とは言えそこまで繊細であれば、そもそもアドベンチャーレースなんてやっていないだろうけど。 今回は若手育成が目的の挑戦であり、チーム史上初の正人のいない海外戦となる。海外レース初挑戦者2名を引き連れるチームキャプテン陽希。前回のExpedition Oregonでは思うようにチームをまとめられず、悔しい想いが残ったようだ。そんな今の彼の腹の奥底に抱える気持ちはどんなものなのか。 そして28年あまりチームを引っ張ってきた正人は、どんな想いで送り出すのだろうか。
初参戦の小倉と神谷、先輩となった米元
陽希率いるイーストウイドとしてEXPEDICIÓN GUARANÍに参戦するのは、米元瑛、小倉徹、神谷理紗の3名だ。
神谷理紗は今年4月に本大会の女子メンバー選考会に来た殊勝(?)な女性である。常に明るく前向きで、しかも物事をテキパキと進めるチカラが目覚ましい。3人の中では一番年上ということもあるのか、初めてのレースとは思えないほど落ち着いていて、チームへの溶け込みも速い。長丁場のレースは中だるみしやすい。特に今大会は、ひとつひとつのステージの距離が長い。彼女の明るさとテキパキした行動がチームに良き影響を与えてくれると願っている。
小倉徹は2019年にトレーニング生となり、カッパクラブのリバーガイドとしてアウトドアスキルに磨きをかけてきた。ハイウォーターガイド(増水期の川におけるリバーガイド)になるのも速かった。普段は物静かな青年だが、腹にある情熱は周囲にしっかりと伝わる。静と動を持ち合わせる小倉には冷静な判断を期待している。また、初めての海外アドベンチャーレースから彼は何を学ぶのかも知りたいところだ。
そしてチーム最年少で、レースでは先輩の米元瑛。近年ずっと正人と一緒にレースをしてきたこともあり、おそらく久しくアドベンチャーレースを離れていた陽希よりレースの運び方が身についているだろう。牽引力は十分にある。後はメンタルとチームのバックアップだ。前回のアメリカ遠征Expedition Oregonでは、何かひとつ突き抜けたようにも見える。レースを知っている分、メンバーの頼りも大きい。今回のレースは彼の言動が大きな鍵となる、と私はみている。
そんな4人の大舞台、世界選手権には世界各地から強豪が集結する。イーストウインドは長旅の疲れに加え、言葉のハンディもある。思う様にはいかない。しかし、これも含めてのアドベンチャーレースだ。ぜひ、この醍醐味を満喫してきて欲しい。