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2021.10.13

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【Vol.55】やり続けていくこと

2021.10.13

連載:Renoca Adventure

継続は力なり

みなかみ町にきて4シーズン目が終わろうとしている。
チームの先輩であるヨーキ(田中陽希)がグレートトラバスの挑戦を見事完遂して、チームに帰還した。本当に長い旅だった。
チームの主将の鬼軍曹(田中正人)も、4半世紀に渡ってアドベンチャーレースの挑戦を続けている。これも本当にすごいことだ。
僕がこれまでの人生で、彼らと同じくらい続けている事と言えば、食事や歯磨きくらいだ。上手くトレーニングが出来ていないときに「どんなモチベーションがあったらこんなにも長く継続できるのだろうか? いやむしろ、僕は歯磨きに対してモチベーションを持っているだろうか?」と、こんなことを考えるようになった。 我ながら変わっていると思う。

やる気ではなく習慣化

やる気ではなく習慣化

ほとんどの人が歯磨きを習慣として生活に取り入れているのなら、トレーニングを習慣として取り入れてしまえばいい。モチベーションの有る無しに左右されずに、気持ちへの負担も減るのではないかと考えた。
行動学の分野を少し調べてみると、人間が行動を習慣化するには、平均して66~90日の間やり続けることが必要らしい、ということが分かった。
さらに習慣化したい前後の行動も毎回似たようなものにすると、効果が高いと考えられているようだ。
僕はとりあえず、3ヶ月間毎日走り続けることにした。どんな天候でも、どんなに疲れていても、体が痛くても、家事をしろと妻に怒られても、1kmだけでもいいから走ることにした。
走り出す前に、水を飲んで、着替えて、トイレに行ってから走るようにもした。元々ただ走ることは好きではなかったので、初めはかなりのやる気を必要としたが、3か月経った頃には、何も考えなくても走り出している自分に気づく瞬間があった。
チームトレーニングで体がボロボロだった時、2日ほど走るのを止めてみると、体力は回復したが、何となく気持ちが回復しなかった。
走りたかったのだ。
僕の人生の中で初めて意識的な習慣化に成功した瞬間だった。

やりたい気持ちが原動力

トレーニングにモチベーションは要らないだろうと思って始めた試みだったが、結果は逆だった。
歯磨きも食事もよく考えれば、やらないと気持ち悪いし嫌なものだ。
最近の僕は、好きだから走るというよりは、走らないとなんだか落ち着かないから走りたいと思うようになってしまった。
やる気というものの深淵を見た気がしたので、この試みは僕にとって価値のあるものだったと思う。やはり続けることは大切だし、継続できる力は本当にすごいことだ。これからもっと継続中を増やしていきたい。

やりたい気持ちが原動力
米元 瑛さん

著者:米元 瑛YONEMOTO AKIRA

通称ヨネ。幼少期から登山を始め、大学時代は探検部でラフティングに没頭。子どもの頃に観たアドベンチャーレースに憧れ、イーストウインドのトレーニング生となる。明るい性格と若い力でチームを盛り上げる。現在はカッパクラブでリバー技術を学びながら、世界レースの舞台でナンバーワンになるための修練に日々励む。