過去の未公開記事を一挙公開!
四季折々の日本中を遊び場にして、自由な外遊びの楽しさをお伝えしているこの連載。
ありがたいことに、大変ご好評いただいているのですが、実はタイミングがずれてしまい、掲載出来ていなかった記事があります……。こんな時だからこそ、お読みいただきたい! というわけで、未公開の記事を一挙公開していきます!
今回は、釣りや海の幸、温泉、絶景と夏の富士伊豆箱根国立公園の楽しみ方をご紹介します。ぜひ、夏休みプランの参考にしてみてください!(by リノカジャーナル編集部)
釣りと絶景のワンダーランドや~
たまには週末に有給を合体させて、贅沢な3連休を満喫しようと伊豆半島の地図を広げてみた。さまざまな観光スポットをネットで検索しながらワクワクムードを盛り上げるが、さすが国内随一のリゾート地だけあって、気になる場所が多すぎる。それらをすべて回るにはたった3日間だけではぜんぜん足りないことだけははっきりと理解できた。
絶景と謳うスポットはいたるところにあるし、キャンプ場も個性豊かで選びたい放題だ。釣り場ともなると、「どこでもど~ぞ」状態なのである。贅沢にも旅の行程がぜんぜんまとまらないので、伊豆半島の楽しみ方は「行き当たりばったり」だと勝手に決めつけ、クルマを走らせた。
ゆっくり出発して、のんびり東伊豆を遊ぶ
旅の行程を東、南、西という具合にざっくりと分け、休日の朝を自宅で過ごしてから午前中の内に出発。少し遅くなってしまったかな? とも思ったが、クルマを走らせて1時間もしないうちに、太平洋の青い景色が車窓を埋め尽くした。こちらの気持ちが整う前から富士伊豆箱根国立公園の絶景がどんどん目の前に広がる。運転が楽しいと思える贅沢な旅の時間がこんなにも早く始まったことに感動していると、道は国道135号になり、海沿いの国道をくねくねと走り始めた。道すがらには「熱海」の文字が流れ始め、いくつかの峠を越えた先に、誰もが好奇心を沸き立たす「熱海城」の老舗風にサビついた看板が確認できた。相変わらず日本を代表する秘宝を展示していることだろう。
そんなことを考えながらクルマを走らせると、あっという間に伊東市に到着。いわゆる東伊豆の代表的な場所だ。火曜サスペンスなどでも有名な城ケ崎海岸があり、少し南の伊豆高原には高級別荘地も点在している。そしてあまり知られていなが、大室山の西側には、伊東市青少年キャンプ場という市営の無料キャンプ場がある。事前予約が必要で、市民体育センターと伊東市振興公社のどちらかで鍵を受け取って利用するという、ちょっとした面倒さはあるが、クルマ横付けでキャンプができて、さらに無料というのだから、「伊東市さんありがとう!」と叫びたくなってしまう場所だ。実際に大きな声を出しても近隣に住居がないので解放感も5つ星である。 初日のキャンプは伊東市青少年キャンプ場と定め、城ケ崎海岸や大室山を見て回り、国道135号沿いの物産展で魚介類や干物を買い込んで、旅初めの夜を楽しんだ。
朝はのんびり、そして一番風呂へ
静かな青少年キャンプ場の朝を満喫した後は、南伊豆下田市の金谷旅館を目指した。焚き火で臭くなった体をきれいにしてから、新たな旅を始めるのもいい。
金谷旅館は江戸時代末期に創業した老舗の旅館で、日本一のヒノキ風呂が目玉だ。青森県の酸ヶ湯温泉を彷彿させる大きな湯船が特徴的で、さすがに1000人は入れないがその建築美は一見の価値がある。檜風呂は混浴で当然男性が多いのだが、意外と女性の方も堂々としていて逆に恐縮してしまった(笑)。
湯は当然ながら源泉かけ流しで、36度と48.3度の湯温が異なる2つの源泉を季節に合わせてブレンドしているらしい。内湯の奥にある小さな湯船はおそらく36度の源泉のみを入れていて、夏の季節は最高の長湯ができる。旅はまだ続くのだが、あまりの気持ち良さに2時間も浸かってしまっていた。
釣り三昧!
お風呂のあとは下田の町をドライブしながら、ペリーの黒船に所縁があるというペリーロードや地元物産店を見てまわり、136号へと変わった国道に乗って西伊豆を目指した。
本当は南伊豆のキャンプ場にも泊まりたかったのだが、道の途中で見つけた磯釣り専門店南礁で、釣りの道具を購入して、釣り場と釣り方を丁寧に教えてもらったもんだから、もうワクワクが止まらずに、漁港を見つけるたびにクルマを停めて、手あたり次第竿を振りまくり、トイレが併設された松崎漁港で夜を迎えて、駐車場で車中泊することになってしまったのである。まぁ、これも行き当たりばったりの旅の醍醐味ということだ。
温泉を楽しんだら、夜釣りへ
夜は、松崎町の内陸にクルマで30分ほど走ったところにある、野天風呂山の家で温泉を楽しんだ。ここは湯船の下から自噴する鮮度抜群のお湯が自慢で、またもや長湯してしまい、フラフラになって松崎漁港に戻るはめになった。手頃な価格の湯治宿も併設しているとのことで後ろ髪を引かれる思いだったが、夜釣りの魅力には勝てなかった。
絶景続きの西伊豆を堪能し、沼津で舌鼓を打つ
日の出と共にクルマから這い出してみると、松崎漁港にはすでに10台を超えるクルマとその倍を数える釣り人でごった返していた。実績のある釣り場ということが伺えるが、昨晩遅くまで竿を出した私は、ここで紹介できないくらいの小さな小さな魚が1匹釣れただけで、蚊の猛襲に追われてクルマの中に逃げ込んでしまった。
朝は昨日の残り物で軽く腹を満たし、今回の旅で楽しみにしていた堂ヶ島の洞窟めぐり遊覧船の発着所へと向かった。3連休最終日ということで少し鼻息が荒かったのか、窓口はまだ空いておらず、不振だった釣り竿の手入れをしていると、目の前に加山雄三の大きな文字。どうやらミュージアムのようだが、その規模が道の駅クラス。さすが加山雄三さんだ。
そんなことで時間を潰していると遊覧船の係員が増えてきたので様子を見に行くが、「今日は波が高くて船はでません」とのこと。うーん、自然相手なので致し方ないのだが、楽しみにしていた分がっかり。また次回リベンジしたい。
せっかくなので、その雰囲気だけでもホームページで見てもらいたい。
・堂ヶ島マリン
http://izudougasima-yuransen.com/
無念のダブルパンチ
堂ヶ島遊覧船をあきらめ、島と島の間に陸地が現れるというトンボロ現象のことを聞いていると、「今日は潮が引き切らないのでダメですね」とダブルパンチ。せっかくなのでトンボロ現象が現れるという島だけ写真に収めて沼津方面に向かった。 変わらず道は国道136号。運転席から見える景色はすべてが素晴らしく、遊覧船やトンボロのことなど忘れて気分は上々だ。とくに西伊豆はリアス式海岸的な風景で、迫り出した岸壁の合間にビーチが広がり、いい感じのポジションにキャンプ場もあったりして素敵な時間が過ごせそうな場所がたくさんあった。
美しいきびなご寿司
そんな中、朝早くから営業している食堂を見つけてクルマを停めて見ると、きびなご寿司とある。のれんをくぐると、ちょうど朝イチのお客さんが会計をしているところだった。ここはきびなご寿司専門店で、地元雲見で水揚げされるきびなごだけを使用して寿司にしているとのこと。さっそく注文してみると、その美しさに思わず声が出てしまった。味はむろん言うまでもなく、美味! 土産を買って帰りたいくらいだったが、店内のものと土産物はまったく違うらしく、また食べに来ることにした。
ドライブを楽しみながら帰路へ
まだ時間が早かったので、国道136号から県道17号、県道18号と道を変え、少し遠回りでドライブを楽しんだ。県道18号沿いのキャンプ場がこれまた素晴らしい。
いくつかのキャンプ場を見て回りながら修善寺温泉の筥湯で汗を流し、沼津に近づくにつれて徐々に増していく都会の雰囲気に圧倒されながら、沼津漁港市場食堂でフワッフワのアジフライ定食を食し、富士山を横目に次の旅はどこにしようかと、心の旅モードがさらに開いていく感覚を心地よく味わいながら帰路についた。