アジアクロスカントリーラリー1の中でも最も過酷な挑戦と言われるLEG-4。FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESチームはかつてないほどの緊張感と集中力を持って、特に困難とされるスペシャルステージ、SS4に挑戦しました。
多くのライバルたちが苦戦! デイリーリタイヤするマシンも
LEG-4のSS4は、岩場や急な登り坂が複雑に絡み合う難所で、我々だけでなく多くのチームの苦戦が予想されました。これまでのステージとは異なり、スピードや耐久力だけでなく、正確な運転技術と戦略的な判断、そして完璧なマシンの性能が求められる場面です。まさに一瞬の油断も許されない、過酷な障害物が連続する迷路のようなコースです。
SS4前夜の修理とアップデートがいい結果を導きました!
SS4の挑戦に備えて、チームは夜を徹してランドクルーザー・プラドのメンテナンスとアップグレードを敢行しました。リアアクスルハウジングを交換し、サスペンションを最終バージョンへと換装し、過酷な地形に対応できるようにしました。
ドライバーの川畑選手とナビゲーターのデイチャポン選手は、スタートラインに立ちながら、「慎重かつ果敢に、そして予測不可能な状況に対して迅速に対応する」ことを戦略として掲げ、難所のロックセクションを進みます。
レース中に改良されたプラドは見事な機動力とパワーを発揮し、険しい地形にも柔軟に対応しました。急勾配の登りでは、チームはローレンジを巧みに操り、ウインチを使用することなく難所を乗り切りました。このステージでの走りは、川畑選手の卓越したドライビングテクニックのなせる技を証明するものでした。
耐久性とグリップ力で知られるTOYO TIRES オープンカントリーM/T2は、SS4の険しい岩場と柔らかい土壌の両方でトラクションを発揮し、そのポテンシャルの高さを証明しました。
スタート直前に修理したローギアがヒルクライムでの切り札に
実は、LEG-4のスタート直前にローレンジギアの修理を行っていました。急勾配のヒルクライムにおいて、ローレンジは絶対に必要な装備となるため、修理は必須でした。今回のステージでは、非常に急な坂道がいくつも待ち受けており、プラドのトルクを最大限に引き出す必要があります。修理が完了したばかりのローレンジギアは、この難関を乗り越えるための切り札となりました。
川畑選手は、この修理が完了したこのギアの修理が間に合わなければ、チームはこの難所で大きなタイムロスを強いられた可能性があり、まさに修理が勝負の分かれ目となりました。 チームは再びペースを取り戻し、LEG-4の過酷なセクションをクリアすることができました。
このSSは、肉体的にも精神的にも厳しいものでしたが、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRESは見事にそれを乗り越え、チームの意地とランドクルーザー・プラドの能力を存分に発揮することができました。この挑戦が成功を収めたことで、残りのステージに向けての士気がさらに高まりました。
渡河や深い溝など致命傷になる罠がいっぱい
LEG-4のコースには、特に注意を要する渡河ポイントとコーション3に相当する深い溝が含まれていました。この区間では、水深こそ浅いものの、速度を落とさずに突っ切ると水圧によってラジエーター周辺に予期せぬダメージを受けたり、減速せずに溝に入ってしまうとサスペンションが破損するなど、致命傷になりうるリスクがあります。
川畑選手とデイチャポン選手は、この渡河ポイントやコーション3を攻略するために慎重なアプローチを選択。速度を適切に調整して水の抵抗を最小限に抑えることと、ロードマップの読み違いを無くすことで、車両へのダメージを軽減しました。この戦略は成功し、マシンは無事に渡河ポイントをクリア。浅い水でも油断が禁物であることを改めて認識しながら、次のセクションへと進んでいきました。このような細かな判断と操作が、レース全体を通じての安定したパフォーマンスに繋がっていきます。
高難度のコースでミスコースが続出
本日のLEG-4では、多くの競技車両が、非常に難易度の高い設定のコースに苦しみました。コースは狭く、急なカーブや分岐が多いうえに、地形や視界の悪さが重なり、ミスコースする車両が後を絶たず、どのチームもペースを維持するのに苦労しています。
ナビゲーターのデイチャポン選手は細心の注意を払いながら、正確な指示を出す必要がありました。川畑選手も、コースの複雑さに戸惑う場面がありましたが、持ち前の経験と冷静な判断で、何とかミスを最小限に抑えました。連携が重要となる場面では、川畑選手とデイチャポン選手が互いに素早く情報を共有し、コース復帰を果たすことができました。
驚異的な追い上げで総合23位、クラス2位に躍進!
FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESの127号車は、LEG-4で驚異的な追い上げを見せました。前日LEG-3のフィニッシュ時点では総合40位に留まっていたものの、リアセクションの総入れ替えと再調整が功を奏し、レースのペースを大幅に向上させることに成功しました。
この日、川畑選手とデイチャポン選手は、LEG-4の厳しいコースに果敢に挑み、困難なセクションを次々とクリア。テクニカルなナロートラックや急勾配のヒルクライム、そして渡河ポイントを巧みに攻略し、着実に順位を上げていきました。特に、修理後のリアセクションは安定した走行を支え、車両のパフォーマンスを最大限に引き出しました。
その結果、LEG-4のフィニッシュでは、総合順位を40位から23位まで大幅に引き上げることに成功。さらに、クラス別では見事2位まで順位を上げ、素晴らしい成果を収めました。この追い上げは、ドライバーとコ・ドライバー、FLEXのメカニックと中央自動車大学校チームの技術力、そしてレーシングプラドのポテンシャルが見事に融合した結果と言えるでしょう。
完走後も続いた徹夜の整備作業
LEG-4を無事に完走した127号車のプラドでしたが、過酷なコースを走り抜けたマシンは各部に大きなダメージが蓄積していました。これにより、チームは再び夜を徹して整備作業に取り掛かることとなりました。
完走直後に行われた点検では、ラジエーターが損傷しており、冷却性能を確保するために交換が必要であることが判明しました。また、足廻りの各部にもダメージが見られたため、徹底的なチェックと修理や調整が必要になりました。
前日までの修理作業に加え、今夜もFLEXと学生のメカニックチームとサポートスタッフは一丸となって作業にあたります。疲労のピークに達しているにもかかわらず、次のステージに向けて車両を万全の状態に整えるため、誰一人手を抜くことはありません。
このような連日夜を徹した整備作業が続く中、チーム全体の士気は依然として高く、完走に向けた強い意志が感じられます。FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESは、この困難な状況を乗り越え、ランドクルーザー・プラドの戦闘力を再び取り戻し、次のステージでさらなる躍進を目指します。
LEG-5は228kmのロングSSに挑みます!
明日、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESの127号車は、LEG-5という非常にタフなステージに挑みます。この日、チームは全長228kmという長距離のスペシャルステージ(SS5)に挑むことになります。さらに、リエゾン区間も92kmあり、合計で320km以上を走破する、今大会でも特に過酷な一日となります。
このロングSSは、スピードと持久力の両方が求められるだけでなく、車両の耐久性とドライバーとナビゲーターの集中力も試されるレースとなります。長時間にわたる激しい走行が続くため、昨日までの整備作業でしっかりと修理されたランドクルーザー・プラドが、再びそのポテンシャルをフルに発揮できるかが鍵となります。
川畑選手とデイチャポン選手は、長距離のSSに向けて戦略を立てつつ、車両の状況を慎重に見極めながらレースを進める必要があります。疲労が蓄積する中での長時間のレースは、ちょっとしたことでミスにつながったり、機械的なトラブルを招きかねませんが、ここまでの経験とチームの結束力が彼らを支えることでしょう。
LEG-5は、まさに耐久力と戦略が問われるステージ。FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESは、再びその実力を証明し、さらに順位を上げるために、この228kmのロングSSに全力で挑みます。明日も応援よろしくお願い致します!