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あのロクマルが電気自動車になって帰ってきました!ランドクルーザー60 コンバージョンEVプロジェクト!

ランクル60 コンバージョンEV

ランクル60 コンバージョンEV

ランドクルーザー60 EVコンバージョン

あのランクル・ロクマルが電気自動車になって帰ってきました! TONOX x FLEX ランドクルーザー60 コンバージョンEVプロジェクトを紹介します。実車は2023年11月5日(日)まで、ジャパンモビリティショー2023の会場でご覧いただけます。

ランドクルーザー60のEV化プロジェクト

ランドクルーザー60は歴代でもファンの多いモデルです。通称ロクマルを電気自動車、EVとして復活させようという企画が始まりました。「名車ランクル60に長く乗る」ためのコンバージョンEVプロジェクトです。

まずはレストアから

ベースになったランクル60は1982年式、車齢は41年ということで、内外装ともに傷みがかなり酷い状態。そこでEVにコンバートする前に、まずはレストアの作業が必要になりました。大量のパーツを外し、各部のサビを落とし、ボディの傷などを修正していきます。特にサイドシルはサビが進行していたので、修復には時間と労力が掛かりました。

全塗装をする場合、一般的にエンジンまでは下ろしませんが、今回はエンジンや補機類の一部が不要になるので、バルクヘッドやフレームなど普段では塗れないところまできれいに塗ることができます。

丁寧な外装の板金作業と内装の修復が行われ、ボロボロだったランクル60はまるで新車のように蘇りました。

エンジンをモーターへ置き換える

今回のプロジェクトの企画段階では、既存のEV車のモーターやバッテリー、コントロールユニットなどのコンポーネントをそっくり使ってEV化することも検討されました。しかし、ランクル60は電子制御がほぼない車です。そんな昔のロクマルに対して、現在市販されているEV車はあらゆる情報を得ながら走るセンサーの塊です。そのマッチングは困難を極めるため、エンジンを汎用のモーターに置き換えるという方法を採用しました。

エンジンをモーターへ置き換えることで、いくつかの問題が発生しました。まずブレーキです。エンジン車では負圧を使ってブレーキを作動させていますが、EV化で負圧自体がなくなってしまうので、電動で負圧を発生させています。ブレーキ自体は純正です。またパワーステアリングも油圧がないので動きませんが、アシストの機構を電動化して対応する予定になっています。

このように、エンジン車をEV車にするには、いろいろなハードルがありますが、このランクル60 EVコンバージョンでは、ひとつずつ問題を解決することで、普通に乗れるEVロクマルに仕上げたいと考えています。

できるだけ純正のスタイルと機能を維持したい

EVは電費を良くするために、空気抵抗を抑えるシュッとしたスタイリングになっています。しかしそのことが没個性に繋がっているのではないでしょうか?

ランクル60は、今の車にはない無骨でクラシカルなスタイルが魅力です。ひと目で「ロクマル」とわかるデザインを、EV化でもできるだけ崩したくはありませんでした。そこで今回は外装はもちろん内装もできるだけ純正品を使用しています。バッテリーの表示などはこれからの作業になりますが、純正メーターのなかに収める計画です。

機能面でも同様です。今回のコンバージョンではクラッチから後ろは純正の駆動系をそのまま使用しています。動力源をエンジンからモーターにスワップしているので、パートタイム4WDの機構はそのまま使うことができます。

発進時はクラッチを踏まずにギアを1速に入れ、アクセルを踏めばOK。ちなみにクラッチは変速のときだけ使用し、停車するときは必要ありません。マニュアル車に乗り慣れた人は不思議な感覚かもしれませんね。

実際どれくらいの性能になるの?

車両はプロトタイプなので、さまざまなテストを行ってデータを取っています。最高速度は30km/h程度で抑えていますが、最終的には純正のランクル60と同程度の100〜120km/hになる予定です。

気になる航続距離ですが、ジャパンモビリティショー2023の会場でのお披露目では、バッテリーをラゲッジスペースに搭載しています。今後はバッテリー自体の容量や形状、搭載位置などを検討した上で、最終的に後続距離は200km程度を目指しています。

ジャパンモビリティショー2023の会場でご覧いただけます

東京・有明の東京ビッグサイトで2023年11月5日(日)まで開催中の『ジャパンモビリティショー2023』にて、今回紹介した「ランドクルーザー60 コンバージョンEV」の実車を展示しています。展示場所は東新展示棟1階・東7ホール・E7101(株)トノックスとなります。エンジンからモーターに置き換わってすっきりとしたエンジンルームやマフラーがなくなったリアなど、EV化ならではの姿を会場でご覧ください。

コンバージョン作業はプロフェッショナルとのコラボ

今回のEVコンバージョンは、ランクルのプロフェッショナルである弊社フレックスだけでは成し得ません。強力なパートナーの存在なくしては成り立ちませんでした。

特装車のプロ集団「トノックス」

トノックスは車体製造と特装車の架装を専門とする会社です。普段は警察車両や救急車などの緊急車両、バスの架装やトラックの荷台などを手掛けています。ボディの構造を変更しつつ、法規制に適応させるプロフェッショナルなので、今回のEVコンバージョンプロジェクトには最適というわけです。

エンジニアリング集団「NSビークルインダストリー」

旧車のレストアや特殊車両の改造、EVの研究開発といった自動車関係から、プライベート潜水艦の製作など、幅広く手掛けている会社です。メンバーは大手自動車関連企業の設計や石油科学プラントの建設に従事した経験をもつプロの技術者ばかり。EVに関するノウハウをもつ同社に技術支援をいただきました。

ランクル60EVコンバージョンの動画はこちら

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執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。