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【知ってお得】トヨタ ランドクルーザー80ディーゼルの魅力

トヨタ ランドクルーザー80ディーゼルの魅力

トヨタ ランドクルーザー80ディーゼルの魅力

ランドクルーザー80の人気は今もなお衰えていません。中古車市場に流通している台数はまだまだ多く、ディーゼル車排出ガス規制がかかっている都市部以外では、今でもディーゼル車が多くのファンに愛されています。

ランドクルーザー80が新車として発売されたのは1990年1月のこと。それからランドクルーザー100にバトンタッチする1997年12月までの8年間に、ランドクルーザー80は世界トータルで約54万7400台も生産され、そのうち日本向けは約10万7000台がファンの手に渡りました。先代のランドクルーザー60の生産台数は1980年8月から1989年12月までの9年4か月間で約40万6700台ですから、ランドクルーザー80の人気は世界中で一気に高まったことになります。

ランドクルーザー60のモデル末期には、次期モデルが4WDのスタイルから離れ現代風に大きく変わることを心配したファンの駆け込み需要があったものの、ランドクルーザー80が発売されると人気はさらに急上昇したのでした。

では、そんなランドクルーザー80の魅力とは一体何なのでしょうか? 今も多くのファンを引きつけてやまないのはなぜなのでしょう?

中古車としての値ごろ感も魅力ですが、よく走る使い勝手の良さ、あるいはカスタムしやすさ、さらにはオフロードを走るのに都合の良い足まわりなどなど、そのポイントはたくさんあります。この記事では「よく走る」という部分を中心に、市場全体で多数派であるランドクルーザー80のディーゼル車について魅力を探ってみることにします。

人気のランドクルーザー80

ディーゼル車の全盛期を走った本格派4WDランドクルーザー80

高燃費でランドクルーザーにふさわしいタフネスなターボディーゼルを採用

国内向けに生産されたランドクルーザー80は約10万7000台もあったわけですが、その大半はディーゼル車でした。1990年代はアウトドアブームとともに4WDがたくさん販売された時期で、一般の乗用車から乗り換えるファンのほとんどは、比較的燃費が良く税金面でも軽い1ナンバーのディーゼル車を選んだのです。

この時期、ランドクルーザー以外の4WDでは三菱パジェロ、いすゞビッグホーン、日産サファリ/テラノが市場をシェアしていましたが、それらのほとんどはやはりディーゼル車に人気がありました。これにはメーカー側も買いやすさに配慮してディーゼル車メインでアピールしていたことにも理由があるようです。

その一方で、たとえ燃費や税金を度外視しても、ランドクルーザーのように比較的大柄な4WDにはディーゼルエンジンがふさわしいという判断があるのも確かでした。

そのことは大きなトラックやバス、そして建設車両などのほとんどがディーゼル車であることからも明らかです。ディーゼルエンジンは排気量が同じならガソリンエンジンよりも基本的には燃費が良いのですが、それは燃料を燃やして生まれるエネルギーのうち動力に変換される割合が大きいからに他なりません。これを「熱効率が良い」と表現しますが、ディーゼルエンジンは燃料の特性上、点火プラグに頼らず高温下での自己着火で燃焼させるため、圧縮比がガソリンエンジンの約2倍と大きいことによる特徴です。空気を強く圧縮して高温にしたところに軽油を噴射させることで大きな力が生まれ、熱効率が高いことで結果として燃費が良くなるというわけです。

また、軽油はガソリンより揮発性が低く燃焼速度が緩やか。瞬発力や高速回転ではガソリンエンジンに分がありますが、軽油はシリンダーの中で燃焼が長く続くため、ピストンを押し下げる力が大きなトルクを生み出すのです。大きなトルクは大きく重いクルマを動かすのにとても好都合です。そのためか、ランドクルーザー80はディーゼル車のラインナップが充実していました。

ランドクルーザー80の4.2リッターの直6ディーゼルはターボとノンターボ

ランクル80のディーゼルエンジンには同じ排気量でシリンダーブロックを共有する三種類があります。

STDやGXというベースグレードに搭載された4.2リッター直列6気筒でノンターボの1HZ型と、主役級グレードのVXやVXリミテッドに搭載された直噴ターボ仕様の1HD-T型です。このうち1HD-T型はモデル後期に排出ガス対策を進めた1HD-FT型へと進化しました。

国内向けの旧ランドクルーザー70バンにも搭載されている1HZ型は最もディーゼルらしいエンジンだと言えるでしょう。ノンターボならではのアイドリングから発生する図太いトルクのおかげで、低速回転を保持した走りで扱いやすさが際立つ仕様です。極低速のオフロード走行や市街地で特に実力を発揮します。

1HD-T型は直噴ターボのおかげで燃焼速度が比較的速いため、1HZ型より太いトルクを幅広い回転域で発生します。 オフロードから高速道路までをカバーする守備範囲の広さや実用性の高さにおいては1HD-T型の方がまさっていると言えるでしょう。

1HD-FT型は1HD-T型のシリンダーヘッドを1気筒あたり4バルブ(計24バルブ)の仕様に変えて吸排気効率を高め、動力性能もアップさせながら排気ガスの浄化性能を進化させたディーゼルエンジンとなっています。パワーもトルクも1HD-T型より向上しているものの、改良の主目的が排出ガス規制対策だったこともありその差は体感できるほどではありませんが、走りのフィーリングは1HD-T型と同様で、実用度の高さが一番の魅力と言えるでしょう。

ランドクルーザー80に搭載されたディーゼルエンジン

搭載車 HZJ81V HDJ81V HDJ81V
エンジン 1HZ 1HD-T 1HD-FT
排気量 4,163cc 4,163cc 4,163cc
燃焼室 渦流室式 直噴式 直噴式
圧縮比 22.4 18.6 18.6
過給器 あり あり
動弁機構 SOHC SOHC SOHC
バルブ数(1気筒あたり) 2 2 4
最高出力 135PS/4,000rpm 165PS/3,600rpm 170PS/3,600rpm
最大トルク 28.5kgm/2,200rpm 37.0kgm/2,000rpm 38.7kgm/2,500rpm

ランドクルーザー80のフルタイム4DWはディーゼルエンジンとの相性が良い

ランドクルーザー80の人気が高い理由はディーゼルエンジンのたくましさだけではありません。ディーゼルエンジンの大きなトルクはフルタイム式4WDでこそ発揮できるものとも言えます。

ランドクルーザー80はそれまでパートタイム式だったランドクルーザーの4WDシステムをフルタイム式へと切り替えた最初のモデルです。一般道では2WD、オフロードを走るときだけ4WDに切り替えるパートタイム式は、ダート程度の未舗装路や濡れた舗装路を走るとき不安定になりがちで運転操作に神経をつかうことがあります。また2WDでは前輪を回さないためわずかにエコランにつながるものの、ランドクルーザー80のような大柄な4WDはたとえ舗装路でも常に4つのタイヤを駆動していた方が安定して楽にドライブできるものです。

たとえば高速道路で強風を受けた時や滑りやすい路面のカーブに差し掛かった時などは、4つのタイヤが路面を蹴っていることで、トルクが分散され、横滑りも起きにくくなり、ハンドル操作には落ち着いていられます。フルタイム4WDではプロペラシャフトやアクスルシャフトなどを余計に動かしているのでフリクション(摩擦)ロスが生まれるものですが、力のあるディーゼルエンジンだからこそ、燃費を悪化させることもありません。フルタイム式4WDとディーゼルエンジンの相性はとても良いのです。

悪路で頼れるランドクルーザーのリジッド+コイルのサスとディーゼルの関係

ランクル80のサスペンションは、リジッドアクスルにコイルスプリングを組み合わせたつくりになっています。リジッドアクスルによってオフロードで少々ぶつけても大丈夫なタフネス構造としつつ、コイルスプリングで快適な乗り心地や高速走行時の高い操縦安定性が確保することで、ランドクルーザーの新しい時代の象徴となるオールマイティさを実現しているわけです。

カスタムも容易で、ランドクルーザー80のファンの多くはスプリングやタイヤを換えてリフトアップスタイルを実現させています。こうしたカスタムにもディーゼルエンジンは実に好都合です。タイヤを大径にするとタイヤの接地面がタイヤ中心の駆動軸から離れることになるためエンジンのトルクは薄まりますが、もともとトルクに余裕があるディーゼルエンジンでは、ワンサイズアップほどの大径タイヤであれば気になるほどのトルクダウンは感じられません。ブロックパターンのマッド系タイヤを選ぶと、転がり抵抗が増すことで同じようにトルクが目減りする傾向にありますが、それも大径化の程度次第です。快適性や実用性を損ねない程度のカスタムなら、ディーゼルエンジンではノーマル時と同じようなパフォーマンスを引き出せるでしょう。

また、ディーゼルエンジンは燃焼方式の違いから同排気量のガソリンエンジンよりも頑丈に作られているため、エンジン自体が重いのが一般的です。エンジンの重さは走り全般に影響を及ぼすため軽い方が良いと言えますが、ことランドクルーザーとなるとそうとも限りません。

たとえばオフロードを走るとき前輪にかかる荷重が大きいと、タイヤのトラクション(路面を蹴る力)がしっかりと伝わります。エンジンが縦置きの4WDですから、前後タイヤに分散される荷重のバランスも悪いものではありません。そして、オフロードで上り坂に差し掛かったり、段差を越えるような場面に出くわしたりすると、姿勢変化で抜けがちになる前輪荷重が長く残ってくれます。だからこそ、どのような路面でも常に安定して走れるフルタイム式4WDは、ディーゼルエンジンの重さでさらに優れた走りを見せてくれるのです。

ランドクルーザー80に3列目シートは必要ない? 1ナンバーだから荷室は広々

ディーゼルエンジンを積んだランドクルーザー80は1ナンバーの貨物車登録となります。ランニングコストや積載性がうまくバランスされた仕様と言えますが、ディーゼル車の規制地域外に住んでいたり、ガソリンエンジンに固執しなかったり、大家族でもなければ、ディーゼル車を選ぶのが賢明かもしれません。

ガソリンエンジンを積む3ナンバーのランドクルーザー80は3列目シートを備えていますが、3列目シートを使ってフル乗車となると、大きな荷物が積めないため遠出をしにくくなりますし、畳んだ状態でも荷室を狭くしてしまいます。その点、1ナンバー車のランドクルーザー80では前席のスペースを除いた後ろの床面積の2分の1以上が荷室となるため空間を広く使え、2列目シートを畳んでしまえば2名乗車の小型トラックと同じだけの荷室容積が活用できます。4、5人の家族ならキャンプ道具を満載して何の不自由もなく遠出ができるのです。

これはガソリンエンジン仕様のランドクルーザー100ランドクルーザー200でもなかなかできることではありません。ディーゼルエンジンを載せたランドクルーザー80はエンジンそのもの以外にも魅力がたくさんあるのです。

ディーゼルエンジン搭載のランクル80はフレックスにお任せください

ディーゼルエンジンが搭載されたランクル80の魅力を解説してきました。タフで頼れる存在のハチマルは、販売終了から四半世紀以上が経過した今でもその魅力は衰えません。

強固なボディや耐久性の高い機構を採用しているランクルファミリーの一員ではありますが、さすがにメンテナンスフリーというわけにはいきません。乗り続けていくには、やはり定期的な整備が必要になってきます。

フレックスでは、ここで紹介したランクル80のディーゼルモデルをはじめ、多くのランクルを手掛けてきました。ランクルに強いスタッフとメカニックが、より良いランクルライフのお手伝いをいたします。これからも乗り続けたいというオーナーの方はもちろん、これからハチマルに乗りたいという方も、ぜひお近くのフレックスのランクル店にご相談ください。

ランドクルーザー80 オススメの中古車在庫

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。