年々部品供給が乏しくなる40系。大胆なレストア車が増えている
オールドランドクルーザーの象徴的存在として今なお人気の高いランドクルーザー40系。その誕生は半世紀以上前の1960年のことです。そしてランドクルーザー40系が70系に切り替わったのが1984年のこと。最終モデルでもすでに30年以上経っているワケで、ランドクルーザー40系ユーザーはその維持管理に並々ならぬ時間と労力を注いでいるのではないでしょうか。
人気のランドクルーザー40
最近ではランドクルーザー40がフルレストアされるのも珍しくない
そんな熱心なファン層はこの10年~20年の間にずいぶんと変わってきたようです。まだランドクルーザー70系が国内で新車販売されていた頃、ランドクルーザー40系のユーザーはトラブルを楽しみながらオリジナルのスタイルや仕様を維持できるように、コツコツと直して乗っていました。しかし、近ごろはパワートレイン(エンジンで発生したパワーをタイヤへと伝える機構)を他車のものに載せ替えたり、ボディーをフルレストアするなど、大掛かりにレストアされたランドクルーザー40が目立っています。
レストアには時間も費用もかかるようになってきた
こうした変化はビンテージやクラシックなどの域に達した旧車に共通して見られる傾向です。部品供給が乏しくなり、オリジナルを維持することが困難になってしまうのですから、ユーザーは大胆な手法を選ばなければならなくなります。古いランドクルーザーを維持するのには整備やレストアに多大な時間と費用がかかる時代になっているのです。
ランドクルーザー40の維持
ランドクルーザー40の維持にはファンやショップとの交流が大切。先人の経験が役立つ
ランドクルーザー40系のファンにとって、修理やメンテナンス、さらにはレストアをするための部品が調達できなくなってきたことは辛いですよね。しかしそうした環境の中だからこそ、創意工夫が生まれてきました。古いランドクルーザーのファンが集うイベントに参加すると、レストアの先人たちなどから有益な情報が得られます。経験豊富な中古車店に悩みを持ちかけるのも解決への近道でしょう。オリジナルと同じ仕様のパーツを作っている個人やショップが見つかったり、サードパーティのパーツを扱う海外ショップを教えてもらえたりします。
ランドクルーザー40 海外での整備、修理ノウハウも役立つ
部品の価格が高かったり、部品供給のネットワークが貧弱だったりする東南アジアなどでは、現役でランドクルーザー40系が走っていた時代から“自給自足”の整備方法やレストア技術が編み出されてきました。そうした国に出かけると、古いランドクルーザー40系などが元気に走っている姿を見る機会があるでしょう。部品が手に入らない、整備方法がわからない、などと悩んだ末にランドクルーザー40系を手放すのは寂しいこと。クルマが古くなればなるほど熱心なファンが増え、その結果、問題解決へのヒントも豊富に転がっているものです。これから40系を手に入れようとするファンの方、維持に困っているオーナーの方は積極的に周囲に頼ってみることをお勧めします。