ハイエースは貨物登録のモデルがあります。また、乗用登録でも重い荷物を積載することがあるため、一般的な乗用車のタイヤやホイール選びとは違った知識が必要となります。専門的な知識はフレックスのハイエース店スタッフが詳しいので、お気軽にご相談いただければと思います。
今回は、我々がどのような点を考慮してお客様のタイヤやホイールについてアドバイスしているのかを知っていただければと思い、こちらの記事を制作することとなりました。専門用語や数値など、少々わかりづらい内容もありますが、すべてを理解していただく必要はありません。「専門店のスタッフはこのようにしてタイヤやホイールを選んでいるんだな」と知っていただければ充分です。
人気のハイエース・レジアスエース
- 支払総額
- 317万円
- 車両価格
- 299.8万円
- 諸費用
- 17.2万円
年式 2019年(R01年)走行距離 11.7万km修復歴 なし車検 車検整備付色 パールホワイト
ホイールの強度、タイヤの耐荷重に注意
ハイエースは、商用車として荷物を積むことを目的に開発された車です。今でこそプライベートユースで普段使いをしている人が増えてきていますが、元々は働く車であるので、乗用車とはちょっと違うということをまずは頭に入れておいてください。
重量物に耐えるホイールの強度とタイヤの荷重が求められる
まずはホイールの強度について説明しましょう。車のホイールは、車重だけでなく積載物の重さや路面からの衝撃に耐えられるだけの強度が求められます。純正ホイールは当然ながら必要な強度を備えるよう設計されていますが、社外ホイールに交換する場合は法律で定められている強度を満たした製品を選ぶ必要があります。
JWLとJWL-Tという規格
特に軽量さが特徴のアルミ製ホイールに交換する場合は強度を満たした製品なのかを車検時などにチェックされることがあります。ちなみに、アルミホイールに刻印されているJWLやJWL-Tというマークが一定の強度を持っていると証明されるマークです。
JWLは3ナンバーや5ナンバー(ハイエースに5ナンバーサイズはありません)など乗用車用の軽金属ホイールに求められる強度規格です。
一方、JWL-Tは貨物車、バスなど乗用車以上の強度が求められる1ナンバー、4ナンバーなどの貨物車、定員11人以上の2ナンバー車に求められる強度規格になります(JWL-Tの「T」はトラックを意味します)。社外のアルミホイールに交換する場合、ハイエースバンは貨物車としての登録なのでJWL-T、同じくハイエースコミューターもJWL-T、乗用車のハイエースワゴンはJWLがそれぞれ必要と覚えおけば大丈夫です。
>>JWLやJWL-Tについてはこちらをご参照ください【自動車用軽合金製ホイール試験協議会】
貨物登録でもJWLでOKな場合がある
貨物登録した車両のホイールはJWL-Tが必須と書きましたが、条件によってはJWLのホイールも車検を通すことができるようになっています。これは2014年の法改正によるもので、最大積載量が500kg以下であれば、貨物自動車でもJWL基準のホイールが履けるようになりました。
アメリカのホイールでも大丈夫?
ハイエース用ホイールのなかにはアメリカンブランドのものも増えてきていますが、車検上の問題はないのでしょうか?
結論から言うと、SAE J2530という規格のホイールであれば、問題なく車検を通すことができます。SAEとは、自動車技術者協会(Society of Automotive Engineers)が発行する工業規格で、自動車をはじめとする陸上輸送機器や、航空宇宙機器の分野で国際的に幅広く適応されている規格です。
もうひとつ、アメリカンホイールを中心に付けられているのが、 DOT、またはDOT-Tという規格です。以前はこちらの規格も車検を通すことができていましたが、陸運局によってはNGというところもあるようです。
どのサイズのホイールでも履かせるタイヤの外径はほぼ同じ
次にハイエース用のタイヤについて解説します。
タイヤを選ぶ際には、次の条件を満たしている必要があります。
1.ホイールサイズに合っているか
2.決められたタイヤの外径内に収まっているか
3.ロードインデックスの問題ないか
では、タイヤがこれらの条件から外れている場合はどうなるでしょう?
まず、ホイールサイズに口径が合っていない場合は、そもそもタイヤを組むことができません。さらに幅については、いわゆる「引っ張り」という方法で規定よりも幅の広いホイールにタイヤを組む手法がありますが、荷重の高いハイエースでは行わないようにしたいものです。
次にタイヤの外径ですが、既定値の範囲から外れるとスピードメーターや距離計の誤差が出てしまいます。メーター上では速度超過していなくても、スピードオーバーで取締りを受けてしまう可能性もあるということです。
続いてロードインデックスですが、これは荷重指数のことで、どれだけの重量に耐えられるのかを示す数値です。当然この指数を満たさないタイヤでは、ハイエースの荷重に耐えられず、パンクやバーストといったトラブルを招く可能性があります。
ハイエースの純正タイヤのサイズは?
ハイエースの純正ホイールは15インチです。組み合わせられるタイヤサイズは、前後とも195/80R15 107/105L LTもしくは185/75R15 106/104L LT(ハイエースバン ジャストローのタイヤサイズ)となっています。それぞれの数値や文字の説明してみましょう。
- ① 195:タイヤの断面幅のmm表記。横幅が195㎜ということです。
- ② 80:扁平率。タイヤの縦の厚み÷タイヤ幅×100の数値。数値が大きいほど厚みがあるタイヤということになります。
- ③ R15:15インチのラジアルタイヤであることを意味します。この数値がホイールサイズと合っている必要があります。
- ④ 107/105:107がフロントに履いたとき、105がリアに履いたときのロードインデックスになります。
それぞれ1本のタイヤで支えられる重量の指数を表しており、107は975㎏、105は925kgとなります。フロント107、リア105ということは、車両重量や乗車定員、積載物などをすべて含めて3800㎏の重量を4本のタイヤで支えることができるという意味です。
107や105というロードインデックスはハイエースバンの最大積載量にも耐えるように選ばれており、3ナンバーのハイエースワゴンなどではもう少し低いロードインデックスのタイヤでも違反にはなりません。どのロードインデックスのタイヤならOKなのかは乗車定員によって変わってきますので、詳しくはフレックスのハイエース店のスタッフにご相談ください。 - ⑤ L:速度記号で、そのタイヤで出せる最高速度を指しています。Lは時速120㎞/hとなります。
同じトヨタ車でもスポーツカーの86の純正タイヤの速度記号はV(240km/h)やW(270km/h)となっています。ハイエース用のタイヤは、スピードを出すことよりも重量物に耐えることを目的としたタイヤが選ばれているので、このような違いがあります。高速道路の最高速が一部で120㎞/hに引き上げられているので、速度記号Lのタイヤでは不足な道路環境になるかもしれませんね。 - ⑥ LT:ライトトラックの略で小型貨物車に使用できるタイヤを意味します。
商用車(コマーシャルビークル)用タイヤを意味するCタイヤの表記もLTと同じ意味です。ハイエースワゴンなど、ハイエースを商用ではなく、プライベートで使用する人はLT規格のタイヤを使用しなくてもロードインデックスを満たしてあれば問題ありません。LTタイヤは重い荷物を載せる貨物車用の特殊なタイヤで、重い荷物や乗員数に耐えられるようタイヤの空気圧が高めに設定され、耐荷重や耐摩耗性で求められるレベルが違うためゴムの材質も違っています。重いモノに耐え、長持ちするのがLTタイヤで、乗り心地や性能は乗用車規格のタイヤの方が上であることが一般的です。もちろんメーカーやブランドによってタイヤの性能は個々に違いがありますので、乗り方や好みの乗り心地などに合わせて選ぶことをオススメします。
ホイールサイズによってはタイヤの選択肢が豊富になることも
ハイエースオーナーの皆さんはドレスアップなどを目的としてホイールのインチアップを希望される方も多くいます。その際に注意して欲しいのは先ほども少し触れましたが、タイヤの外径(タイヤの直径のこと)が規定の範囲に収まることです。
ホイールサイズが大きくなっても、タイヤの外径は大きくなってはいけません。外径が変わるとスピードメーターの速度表示や走行距離のメーター数値などが実際の数値と変わったりするため、車検に通らなくなります。
ホイールをインチアップする場合には、タイヤは純正タイヤより扁平率が低いサイズを選ぶことになります。
また、インチアップしたホイールサイズによってタイヤの選択肢が広がる場合もあります。18、20インチホイールにすればタイヤの種類が豊富になり、純正タイヤよりお得な値段で購入できるタイヤが見つかるでしょう。
ただし、ホイールをインチアップすればタイヤの厚みが薄くなり、タイヤ内部の空気のクッション性が下がるので、乗り心地が変わってきます。
なお、ホイールサイズが合っていてもホイールを車体側のハブに取り付けるボルトの数やP.C.Dと呼ばれる円状になっている取り付け穴のサイズ(直径)によっては装備できないホイールがあります。ハイエースの場合、取り付けボルトの本数は6本、P.C.Dは139.7φのホイールが適合します。
タイヤ、ホイール選びはフレックスのスタッフにご相談ください
上記で紹介させていただいたのはあくまで、タイヤやホイール選びの際に考慮しないといけない基礎知識で、スタッフ側が考えておけばOKなポイントです。店頭でお客様のハイエースの登録内容を確認させていただき、予算やデザイン、乗り方や好みの乗り心地などを教えていただければ、スタッフが予算や法律、求められる性能に見合ったタイヤとホイールを選ばせていただきます。気になる製品がありましたらお気軽にお問合せください。
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