突然の雪でも大丈夫! コンパクトに収納できてさっと装着できる便利な布製チェーンとは?
ハイエースの記事|#オールシーズンタイヤ,#ゴム製チェーン,#スタッドレスタイヤ,#チェーン規制,#冬用タイヤ,#布製チェーン,#金属製チェーン,#雪道
北海道や東北地方、日本海側の各県や山間部などは、例年以上の降雪に見舞われています。10年に1度の寒波という言葉も聞こえてきます。しかし、首都圏や太平洋側にお住まいの方はまだノーマルタイヤのままで、 「雪が降るかもしれないけど、わずか数日のためにスタッドレスタイヤや本格的なチェーンを用意したくない」と考えている人も少なくないでしょう。そこで今回は、最近話題の布製チェーンについて調べてみました。果たしてハイエースでも使うことができるのでしょうか?
布製チェーンとは?
布製チェーン? 文字にするとちょっと違和感がありますが、布でできたカバーのようなもので、金属製やゴム製のチェーンと同様にタイヤに装着することで雪道を走行することができます。重い金属製チェーンに代わる非金属製チェーンとしてこれまではゴム製のものが主流でしたが、数年前に布製のチェーンが日本に上陸し、じわりじわりとユーザーが増えつつあります。
破れないの?
金属やゴムのチェーンは見慣れていますし、装着したことがあるという人もいるでしょう。しかし布となると、「ほんとに大丈夫?」と思ってしまうかもしれません。この布製チェーンは、素材にアラミドという樹脂の糸などを使用しているため、非常に強靭な繊維になっています。アラミドは防弾チョッキなどにも使われる樹脂素材で、高い耐熱性や切断・摩耗などに強い特性を持っています。
もちろん雪のない乾燥した路面は摩擦力が非常に強いので、走行すると摩耗したり破れの原因になります。他のチェーンと同様に、雪のある道で装着し、そうでない道では取り外すことを強くオススメします。
布製チェーンのメリット
金属製やゴム製のチェーンの代わりになるかもしれない布製チェーンですが、そのメリットとはどんな点でしょうか?
収納する場所に困らない
金属製チェーンはそれ自体が重く、かさばります。ゴム製チェーンは折り畳むことができますがそれほど小さくならず専用ケースが場所を取ります。
対して布製チェーンはタイヤサイズにもよりもますが、30cm四方程度に小さく折り畳むことができ、厚みは3cm程度で、重さも1kg以下と非常にコンパクトです。これならばトランクルームに入れっぱなしにしておいても問題ないでしょうし、急な降雪にも対応することができますね。
装着が簡単
金属製やゴム製のチェーンは、慣れていても装着には手間取ることが多いものですが、布製チェーンはジャッキアップする必要もなく、タイヤに被せるだけと簡単なものが多いようです。多少かたよって装着してしまっても、走り出すと自動的に正しい位置に修正されるようにできている布製チェーンもあるので、間違いなく簡単にその効果を体感できるでしょう。
また、車高が低く、タイヤとフェンダーのクリアランスが少ない車でも装着ができるというのも、カスタム派には嬉しいポイントでしょう。
アルミホイールを傷つけにくい
布製チェーンは、全体が文字通り布でできており、タイヤに固定する部分はベルトと樹脂製のスナップなどが採用されているので、アルミホイールと接触しても傷がつきにくいというのがポイントです。一方、金属製チェーンではチェーンとアルミホイールが擦れ合うことで傷を付けてしまう可能性が高く、ゴム製チェーンも一部金具を使用していることが多いので、その可能性がゼロとは言い切れません。アルミホイールとタイヤに優しいのが、布製チェーンの特性と言えるでしょう。
振動やノイズが少ない
布製チェーンは柔らかい素材なので装着しても振動がほとんどなく、音もほぼ出ないので、雪道でも快適な乗り心地が持続します。
一方、金属チェーンを装着した車に乗ったことがある人は、ガチャガチャとした音やガタガタとした振動を体感しているでしょう。また、ゴム製チェーンは静粛性や振動は金属製よりもずいぶんマシですが、やはりスタッドレスタイヤと比較すると乗り心地は悪化します。
比較的に価格が安い
一般的に価格がもっとも安いのは金属製チェーンです。布製チェーンは、サイズによって差はあるものの、乗用車向けサイズであれば1万円前後のものが多いようです。ゴム製チェーンとあまり変わらないか、もしくは安いものもあるので、万一の備えのために買っておくというのもいいでしょう。
使い捨てではなく繰り返し使える
1回使ったら再使用はできないのでは? と思われるかもしれませんが、布製チェーンは再使用が可能です。使用後は取り外して、汚れを落としてから収納することが推奨されています。またぬるま湯などで洗うことも可能です。
布製チェーンのデメリット
ここまでは布製チェーンのメリットに注目してきましたが、デメリットも当然あります。続いては布製チェーンを使うときに注意すべき点を紹介していきます。
シチュエーションによって金属製やゴム製よりも劣る場合がある
前述したとおり、深い雪では金属製やゴム製のチェーンの方が高い性能を発揮する場合があります。雪の層を割るようにしてグリップを生み出すときには、「雪柱せん断力」が問われますが、布製チェーンの表面は毛羽立っているような状態なので、その力は低くなります。
繰り返し使えるが限度はある
布製チェーンの代表的なブランドである「オートソック」を例に挙げると、第三者機関による試験で、乾燥した路面では120km、雪道では数百kmに及ぶ耐久性が実証されています。しかし、耐久性が高いとはいえ布製チェーンは繊維素材なので、走行を続けていくと摩耗していきます。もちろん金属製やゴム製のチェーンも同様に摩耗したり、断裂してしまったりするので、一概にどちらが耐久性が低いとも言い切れません。
水分の多い雪はあまり得意ではない
布製チェーンは、水分の多い雪道が苦手というユーザーの声があります。これは気温が上がって圧雪がシャーベット状になっているような路面を走るときに、布製チェーンの表面に貼り付くような状態になってしまうからです。
長時間の駐車時は取り外しを推奨
布製チェーンは文字通り繊維でできています。吸水力が非常に高いのが特徴ですが、氷点下で駐車をしていると凍結してしまいます。メーカーでは、長時間停車や駐車をするような場合は取り外し、走行前に再度装着するように勧めています。脱着自体は簡単ですが、ちょっと手間が掛かる点ですね。
高速道路のチェーン規制でも布製チェーンは走行できる?
JAFが雪路面からの緊急脱出用として使えると公表。2018年12月から始まった国土交通省の「新チェーン規制」では、スタッドレスタイヤだけでは通行できない区間も、布製チェーンの装着であれば通行可能となっています。
またNEXCO東日本では、大雪などで立ち往生してしまった車両を移動させるために、布製チェーンを使用すると公表しています。
>>【国土交通省】チェーン規制Q&A
金属製とゴム製のタイヤチェーン、それぞれの特性は?
従来の金属製チェーンやゴム製チェーンも、それぞれ独自の特性を持っています。シーンに合わせて使えば、安心して雪道を走ることができます。
金属製チェーン
深い雪の走破性は非常に高い金属製チェーンですが、アイスバーンは苦手で、雪のない路面を走るとすぐに切れてしまいます。また、乗り心地が悪く、重い上に、装着はかなり面倒なものが多いです。しかし圧雪路が続く地域では、営業車を中心に依然として高い人気を誇っています。
ゴム製チェーン
深い雪の走破性は金属製チェーンに次いで高いものをもっています。圧雪路やアイスバーンのグリップは問題ありません。乾いた路面では金属製よりも走ることはできますが速やかに取り外したほうが無難でしょう。また、かさばるので車内の収納場所に困るかもしれません。
持っていると安心な布製チェーン
コンパクトに折り畳めて、必要なときに簡単に装着することができ、滑らずにしっかりと雪道を走ることができるという布製チェーン。乾燥した路面には少し弱いですが、それは金属製やゴム製のチェーンも同じこと。
非降雪地帯に住んでいて、年に数回しか雪道を走らないという人や、冬用タイヤを履いているけど金属製やゴム製チェーンを持っていないという人に、この布製チェーンはオススメできます。不意の降雪でも慌てないように、トランクに用意しておくのはどうでしょうか?
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